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ウェザーニューズ、台風27号の振り返りを発表

動きが遅く小型で強い台風によりフィリピン中部で豪雨

〜洪水や大規模停電など被害発生、被災地は引き続き雨に注意〜

マニラ >

株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、2015年12月14日から16日にかけてフィリピン中部・北部を通過し、被害をもたらした台風27号(MELOR)に関する振り返りを発表しました。12月に台風がフィリピンに上陸するのは、昨年に続き2年連続となりました。台風27号は、強風域がコンパクトながら勢力が強かったことと、上陸後、動きがやや遅くなったことが被害拡大に影響したと考えられます。この台風27号が発生したことで、2015年は1月から12月まで毎月台風が発生したこととなり、これは1951年の統計開始以来、初めての記録となりました。台風27号の被害発生を受けて、フィリピンでは19日(土)より国家災害宣言が発令されています。


台風27号の概況

 台風27号は12月11日6時(UTC)にパラオの東北東の海上で発生しました。海面水温29℃前後(平年偏差+1℃)の暖かい海域を西北西に時速25kmで進みながら発達し、14日0時(UTC)には発達のピークとなる最大風速50m/sの勢力でフィリピン中部に接近し、14日3時(UTC)にサマール島に上陸しました。その後、台風は時速約9kmに速度を落としながらフィリピン中部を通過しました。
 台風は一旦、陸地の影響を受けて衰退傾向に入ったものの、ルソン島の南のシブヤン海~タブラス海峡付近で再発達し、15日0時(UTC)に最大風速が45m/sに達しました。再発達した台風は15日12時(UTC)には再び衰退傾向に入り、16日0時(UTC)にルソン島の南西海上に抜けました。

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図1.台風27号の経路と海面水温
(海面水温は12月12日の気象庁解析)


台風27号の特徴〜動きが遅く、コンパクトで強い台風〜

 台風27号の特徴として、フィリピン上空の風が弱かった影響で、上陸後の動きがやや遅かったことがあげられます。このため、通過した地域で長く雨をもたらしました。首都マニラでは、14日0時(UTC)から17日0時(UTC)にかけて、過去5年間の12月の月平均降水量である101.2㎜を大きく上回る、205mmの大雨を観測しました。


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図2.台風27号の進路と13日0時(UTC)〜17日0時(UTC)までの積算降水量(SYNOP)


 第二に、前回フィリピンを通過した台風24号の強風域が半径390〜440km程度であったことに比べ、台風27号の強風域は半径170〜220km程度とコンパクトながら、強い勢力を持つ台風であったことがあげられます。このため、フィリピンでは台風の接近時に雨が急激に強まり、特に台風の中心に近い中部では短時間に非常に強い雨が降りました。フィリピン中部のマスバテ州では、14日6時〜9時(UTC)の降水量が8㎜だったのに対し、14日9時〜12時(UTC)には69㎜の強雨を観測しました。


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図3. ひまわり8号による赤外画像(14日3時(UTC))

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図4.フィリピン中部マスバテ州の
  12月13日0時(UTC)〜15日0時(UTC)の降水量(※)(SYNOP)
※表示時間の前3時間の積算値


 台風27号による被害を受けたルソン島の東の沿岸部では、断続的な雨が予想されますので引き続き注意が必要です。ウェザーニューズは今後もフィリピンへの台風や熱帯低気圧の影響を注視してまいります。