TOP > NEWS > 2022

ニュース

企業向けに気候変動リスク分析を支援する気候データセットを販売開始

過去30年の気候データを1kmメッシュの高解像度で提供

1kmメッシュ解析雨量で拠点の大雨リスクを分析、企業のレジリエンス強化に

気候変動 >

 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開 千仁)は、気象データと最新技術で企業のDXを推進するデータ提供・分析サービス「WxTech®️(ウェザーテック)」において、企業の気候変動のリスク分析を支援する気候データセットの販売を本日開始しました。

 昨今の災害の激甚化による事業継続の危機や各国のCO2排出量削減の動きなどから、気候変動リスクへの対策は世界的な潮流となっており、企業には気候変動の影響を想定した経営戦略の策定が求められています。そこで、当社は気候変動のリスク分析に有効な過去30年の1kmメッシュの気候データの提供を開始しました。第一弾として、1988年以降の1時間ごとの「解析雨量データ」を1kmメッシュの高解像度で提供します。

 企業は、過去の解析雨量のデータを統計分析やAIに取り込むことで、工場・店舗・オフィスなど各拠点における大雨リスクを評価・分析することができます。例えば、企業の拠点における過去30年の最大積算雨量などを把握したり、実際の大雨の被害状況と当時の雨量を照らし合わせることで、施設や設備の維持管理の判断基準となる雨量やBCPの見直しなど、気候変動に対する適応策をとることができます。
 今後は、2100年までの雨風や気温などの将来予測の気候データを国内やグローバルで提供していく予定です。

 また、気候変動リスク分析サービス「Climate Impact」では、当社が拠点に特化した気候変動シナリオ分析とリスク評価を行い、その評価結果を提供することもできます。企業の経営戦略に気候変動リスクを取り込むことで、事業の安定的な成長や継続にご活用ください。

「30年分の解析雨量データ」に関するお問い合わせはこちらから
https://biz.weathernews.com/cn-inq-jp/
 
東京都周辺の1kmメッシュ解析雨量
鬼怒川が決壊した「平成27年9月関東・東北豪雨」
(2015年9月9日16時)
関東周辺の1kmメッシュ解析雨量
「平成27年9月関東・東北豪雨」
(2015年9月9日16時)


過去30年の解析雨量データを提供

 気候変動は企業活動のリスクやチャンスにもなり得ることから、今やESGへの取り組みやTCFD提言に基づく情報開示は企業の持続可能性を評価する重要な指標の一つとなっており、企業ごとに気候変動の影響を想定した経営戦略の策定が求められる時代となりました。自然災害の激甚化の影響で事業継続が困難になるリスクがあるほか、原材料の調達コストの上昇により経営リスクが高まります。一方で、気温上昇や雨量増加によって特定商品の需要が拡大し、新たなビジネスチャンスが訪れる可能性があります。

 このような背景から、拠点の統計分析や機械学習に活用するデータの一つとして、過去数十年の気候データへのニーズが高まっています。そこで、当社は工場・店舗・オフィスなど拠点のピンポイントな分析に特化した、過去30年分の1kmメッシュの高解像度な気候データの販売を開始しました。

 第一弾として、当社は気象庁解析雨量を1988年から2021年まで1kmメッシュの解像度で再解析した「解析雨量データ」の提供を開始しました。本サービスでは、1988年から2021年までの1時間ごと/1kmメッシュの解析雨量データをCSVで提供します。2022年以降のデータも随時追加していきます。

栃木県周辺の1kmメッシュ解析雨量
「平成27年9月関東・東北豪雨」
(2015年9月9日16時、青線:鬼怒川)
広島県周辺の1kmメッシュ解析雨量
「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」
(2018年7月6日15時)

 企業は、解析雨量のデータを用いて大雨によるリスクを評価・分析することで、雨量に基づいた具体的な対策をとることができます。例えば、企業の拠点における大雨の被害状況と当時の雨量を照らし合わせることで、施設や設備の維持管理の判断基準となる雨量やBCPの見直しなどの適応策をとることができます。具体的には、災害発生の基準値を正確に把握することで、40mm/hの雨が降った場合に止水板を設置していたところを、30mm/hの雨で設置するように災害発生の基準値を改善することができます。また、30年の歴史における拠点周辺の最大雨量を把握したり、鬼怒川の堤防が決壊した「平成27年9月関東・東北豪雨」や「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」のような災害発生時の雨量を教訓にしていただくことも可能です。

 さらに、30年分のデータをAIに学習させて需要予測を構築することで、雨の日に売れる/売れない商品の仕入れを調整して、販売チャンスの増加や廃棄ロスの削減につなげていただくこともできます。

解析雨量データのサービス仕様

データ種別
1kmメッシュ解析雨量データ
気象要素
解析雨量
空間解像度
1kmメッシュ
時間解像度
1時間
データ期間
1988〜2021年 (2022年以降も随時追加予定)

 過去30年の気候データ活用にご興味のある企業の方は、以下URLよりお気軽にご連絡ください。

▼本サービスのお問い合わせはこちらから
https://biz.weathernews.com/cn-inq-jp/

 また、気候変動リスク分析サービス「Climate Impact」では、拠点に特化した気候変動シナリオ分析とリスク評価を当社が行い、気候変動によるビジネスへの影響を評価した結果をPDFで提供することも可能です。

 今後は、気候変動のリスク分析に必要な気候データを充実させていき、生活に最も身近で、あらゆるビジネスに影響を及ぼす気候データのプラットフォームとして、企業や自治体の気候変動対策をサポートしていきます。

WxTech®️サービスについて

 WxTech®️(ウェザーテック)は、ビジネス課題や社会課題解決を目指した企業や自治体のDX推進を気象データの切り口から支援する気象データ提供・分析サービスです。ビジネスにおける分析や予測に有効な1kmメッシュの高解像度かつ高精度な気象データを揃えています。

 ウェザーニューズ独自の高精度/高解像度な気象データと、2,500社に及ぶお客様へのサービス導入のノウハウを活かし、業務の効率化や最適化、ビジネスリスク/ロスの低減など、持続可能なビジネスの実現だけでなく、売り上げの最大化や新たなビジネスチャンスの創出、マーケティング戦略の支援など、攻めのビジネスの実現をサポートします。

 

本ニュースをプリントアウトしてご覧になりたい方はこちら