株式会社ウェザーニューズ(所在地：千葉市美浜区、代表取締役社長：草開千仁)は、乾燥による消費行動の変化を明らかにするため『乾燥調査』を実施しました。12月上旬にお天気アプリ「ウェザーニュース」のユーザーに対するアンケート調査を実施し、全国延べ40,872件の回答を集計するとともに、当社による検索ワード分析を行いました。

Googleトレンドと気象との相関を分析したところ、「乾燥」や「ハンドクリーム」など保湿ケア商品の検索は、相対湿度よりも気温や絶対湿度との相関が高く、まず「乾燥」の検索が気温17度以下で急上昇し、「ハンドクリーム」などの保湿ケア用品の検索は気温14度以下になるタイミングで増加することが明らかになりました。また、アンケート調査を通して、約3割の人が乾燥し始める前から保湿ケア用品を準備しており、女性の約9割、男性の約5割はカサつき始めで既に購入していることなどがわかりました。化粧品メーカーやドラッグストア・百貨店などの販売店では、乾燥シーズンの開始を予測して、早めにプロモーションを仕掛けていくことが売上アップにつながりそうです。

当社は、化粧品や医薬品を製造・販売する企業に対して、スキンケア商品と気象データの相関分析をする「WxTech^®︎」サービスの「気象相関分析」や、乾燥しやすい日など最適な気象条件にあわせて広告する「天気連動広告」を提供することで、より効果的な生産や販売促進の実現をサポートしていきます。

① Googleトレンド分析：「ハンドクリーム」など保湿ケア用品の需要は気温14度以下で増加

ウェザーニューズは、乾燥や肌ケア関連商品の検索トレンドと天気の関係を調査するため、Googleの検索数の傾向を確認できるGoogleトレンドのデータを用いて「WxTech^®︎（ウェザーテック）」サービスの「気象相関分析」で分析しました。
2022年9〜12月の「乾燥」「保湿」「ハンドクリーム」「リップクリーム」「クリーム」などの検索ワードを調査したところ、一般的に湿度と呼ばれている相対湿度ではなく、気温や絶対湿度と強い相関関係があることがわかりました。
まずは「乾燥」の検索が、10月上旬の気温17度（絶対湿度11.9g/㎥）に下がったタイミングで急上昇しました。同じタイミングで、「保湿」や「ハンドクリーム」のような乾燥対策・保湿ケア用品の検索ワードも段々と上昇し始め、「保湿」や「ハンドクリーム」の検索は10月下旬の気温14度（絶対湿度6.6g/㎥）まで下がったところで検索が非常に多くなりました。

乾燥とハンドクリームに関する日ごとのGoogleトレンドのデータと気象データの関係（調査期間は2022年の8〜12月）。
オレンジ色は検索トレンド、青色は最低気温または平均絶対湿度を示す。

加えて、年間のトレンドを確認するために2021年8月〜2022年3月の検索トレンドも分析したところ、「ハンドクリーム」は2021年度で一番乾燥していた日を含む12月に最も検索されており、年末まで注目度が非常に高い状態が続いていました。今シーズンは1月にかけて大陸から寒気が到来して空気が乾燥するため、1月中も保湿ケア用品の需要が高い状況が続きそうです。

乾燥とハンドクリームに関する日ごとのGoogleトレンドのデータと気象データの関係（調査期間は2021年8月〜2022年3月）。

ちなみに、アンケート調査で、⑤乾燥が気になる部位は“手・足”の人が最も多かったことや、②女性の4割、男性の2割が乾燥を感じる前に早くも保湿ケア用品を準備するという結果だったことから、手を保湿する「ハンドクリーム」の検索が他の保湿ケア用品と比べて多いことや、乾燥し始めるタイミングで検索が顕著に増加する点もうなずけます。

〜相対湿度と連動しないのか？〜

「気温」と「絶対湿度」は乾燥や関連商品などの検索ワードと強い相関が見られましたが、一般的に天気予報で用いられている「相対湿度」とは強い相関関係がありませんでした。「絶対湿度」は空気中に含まれる水蒸気の量です。「相対湿度」は、空気中に含まれる水蒸気の割合を示します。「相対湿度」は、飽和水蒸気量（気温ごとに水蒸気を含むことが出来る量の限界）のうち何％の水蒸気を含んでいるかを示すもので、飽和水蒸気量の値は気温によって大きく変わるため、その割合である「相対湿度」も気温に左右されます（※）。例えば、これらの気温と絶対湿度の組み合わせは、全て相対湿度50%になります。気温10度・絶対湿度4.7g/㎥、気温11度・絶対湿度5.0g/㎥、気温12度・絶対湿度5.4g/㎥、……、気温25度・絶対湿度11.5g/㎥。このため、企業で乾燥対策商品との相関分析をされる場合は、気温や絶対湿度の変化に注目する方が良さそうです。

※（参考）絶対湿度と相対湿度の違いとは：https://weathernews.jp/s/topics/202002/280095/

企業のDXを推進する「WxTech^®︎（ウェザーテック）」サービスでは、1kmメッシュの高解像度な気象データを活かし、店舗ごとの商品の売上やGoogleなどが提供しているオープンデータと気象データの相関分析を行っています。企業は、分析結果を製造や販売の戦略にご活用いただくことで、最適なタイミングでの生産や販売促進の実現をサポートします。また、分析結果を月間10億PV以上のアプリ「ウェザーニュース」の天気連動型動画広告サービスに応用することで、効果的な天気の時間やエリアのユーザーに対してターゲティング広告を打つこともできます。さらに、乾燥指数の数値が必要な場合は、業界最高解像度の1kmメッシュで「乾燥指数API」のデータを提供することも可能です。

▼WxTech^®︎に関するお問い合わせはこちらから
https://wxtech.weathernews.com/contact.html

② 乾燥対策いつから？約3割は乾燥が気になり始める前に準備！女性の約9割はカサつき始めで既に購入

当社は、乾燥の購買への影響を調査するため、2022年12月9〜10日、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーに対して、「秋冬の乾燥対策として保湿ケア用品をどのタイミングで買いますか？（ハンドクリーム、リップクリーム、乳液など）」と質問し、“乾燥が気になり始める前から準備”、“なんとなく乾燥してカサついてきたら”、“肌が結構荒れたり、かゆみが出たら”、“買わない・使わない”の4択で回答いただきました。

計9,524件の回答から、“乾燥が気になり始める前から準備”は29%、“なんとなく乾燥してカサついてきたら”は36%、肌が結構荒れたり、かゆみが出たら”は19%、“買わない・使わない”は16%となり、“なんとなく乾燥してカサついてきたら”や“乾燥が気になり始める前から準備”をする、乾燥対策への意識が高い人が65%を占める結果となりました。

〜女性4割・男性2割が乾燥シーズン前から保湿ケア用品を準備〜

“乾燥が気になり始める前から準備”する人は全体の約3割で、男女別では男性でも2割（22%）、女性は4割もの人（43%）が、事前に保湿ケア用品を準備していることがわかりました。この結果に“なんとなく乾燥してカサついてきたら”の回答を加えた乾燥対策への意識が高い人は、女性は約9割（87%）、男性は約5割（54%）となり、男女で乾燥対策への意識に大きな差が見られました。また、④の保湿ケア用品にかける費用調査と同様に、男性は約2割が買わない・使わないのに対して、女性はほとんどの人が購入している結果となりました。

早い段階で保湿ケア用品を購入している人が多いので、メーカーやドラッグストアや百貨店などの販売店では乾燥シーズンに入るタイミングを予測して、早めにプロモーションを仕掛けていくことが売上アップにつながりそうです。

③肌が乾燥に弱い人が半数、男性も4割以上が弱いと回答！最も弱いのは広島県?!

当社は12月8〜9日、「あなたのお肌は乾燥に強いですか？」と質問し、“弱い”、“普通”、“強い”の3択で回答いただきました。計11,545件の回答を集計したところ、弱いが49%、普通が44%、強いが7%で、自分は肌が弱いと思っている人が半数であることがわかりました。

男女別では、男性は弱い45%、強い9%、女性は弱い55%、強い5%となり、男性の方が少しだけ強い結果になりました。一般的に男性の肌は皮膚が厚く、皮脂量が多いため、乾燥に強いイメージがありますが、それでも4割以上の男性が自分の肌が乾燥に弱いと感じていることがわかりました。

都道府県別で肌が弱いと感じている人の割合が多いのは、1位広島県（61%）、2位高知県（59%）、3位青森県（58%）、4位香川県（56%）、5位栃木県（55%）、6位熊本県（54%）、7位山梨県（54%）、8位秋田県（52%）、9位福島県（52%）、10位福岡県（52%）となりました。また、山梨県は強いの回答がわずか1%で、肌が強いと感じている人が極端に少ない結果になりました。

④ 保湿ケア用品にかける費用は全国平均1,666円、女性は2,897円で男性の2.6倍！

当社は12月9〜10日、保湿ケア用品にかける費用を調査するため、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーに対して「毎年、秋冬の乾燥対策として保湿ケア用品（ハンドクリームや美容液など）にいくらかけますか？（1人あたりの金額でお願いします）」と質問し、0円〜20,000円以上まで100円刻みで選択してもらいました。計8,311件の回答から、保湿ケア用品に全国平均1,666円をかけていることがわかりました。

また、男性が1,112円に対して女性は2,897円となり、女性の出費が男性の2.6倍であることがわかりました。男性は2,000円以下が約9割(91%)で、そのうち約2割は保湿ケア用品に全くお金をかけていませんでした。一方、女性は98%の人がケア用品を購入しており、うち5,000円以内で乾燥対策をしている人が約9割であるとわかりました。

保湿ケア用品に最もお金をかけている都道府県は、1位高知県（3,010円）で、2位長野県（2,298円）、3位鹿児島県（2,112円）、4位鳥取県（2,025円）、5位埼玉県（1,976円）、6位滋賀県（1,940円）、7位栃木県（1,921円）、8位香川県（1,918円）、9位静岡県（1,877円）、10位徳島県（1,809円）となりました。③で高知県には肌が弱いと感じている人が多いことから、他県よりもお金をかけてしっかりと対策をしているのかもしれません。一方、最も費用が少ないのは沖縄県（1,000円）でした。

⑤乾燥が1番気になるところは？手・足が半数

当社は乾燥を感じる体の部位を調査するため、2022年12月8〜9日、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーに対して「いま乾燥が1番気になるところは？」と質問し、“手・足”、“顔・唇”、“のど”、“腰・背中”の4択で回答いただきました。11,492件の回答から、手・足は53%、顔・唇は24%、のどは16%、腰・背中は7%となり、半数が手・足の乾燥を気にしていることがわかりました。

男女別では、手・足は男性が5割（50%）に対して、女性が約6割（59%）とやや多くなりましたが、乾燥が気になる部位に大きな傾向の違いは見られませんでした。

また、乾燥が続くことで気になる部位が変化するかを調べるため、11月6〜7日にも同様の調査を実施して32,651件の回答を得ました。しかし、結果は手・足は47%、顔・唇は30%、のどは17%、腰・背中は6%となり、11月上旬から12月上旬にかけては大きな変化がなかったことがわかりました。当社は、1月と2月も継続して調査を行い、顔・唇や腰・背中などの割合が増減するかどうかを追いかける予定です。

参考資料

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