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ウェザーニューズ、北極海の海氷傾向2014発表
昨夏以上に北極海海氷縮小、航路は一ヶ月早く開通の見込み
~ 船舶の北極海航路利用や資源開発の動き活発化 ~
株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)のグローバルアイスセンターは、2014年の北極海の海氷傾向を発表しました。北極海の海氷は現在まで、過去数年と同程度のペースで減少しており、今夏の最小海氷域面積は昨夏以上に縮小する予想です。北極海航路についてはロシア側の北東航路、カナダ側の北西航路ともに8月中に開通し、昨年よりも約一ヶ月早い航路開通となる見込みです。北極海航路の商業航海や資源開発の動きは年々活発化しており、海氷に関する詳細な情報へのニーズが高まっています。
ウェザーニューズでは、引き続き北極海の海氷に関する情報発信を行っていきます。
北極海の海氷域面積は昨年以上に縮小、航路は一ヶ月早く開通見込み
北極海の海氷は、今年も例年通り5月下旬から氷の融解が始まり、これまで過去数年と同程度のペースで減少を続けています。現在の北極海の海氷面積は約750万㎢で、海域別に見ると、ロシア側のラプテフ海では海氷の融解が進み、その大半がすでに開水面となっていますが、東シベリア海やカラ海西部で広範囲に海氷が残っています。また、カナダ側のバロー沖やカナダ多島海でも各所に海氷が残っています。今後、北極海の本格的な夏季に向けて海氷の融解が加速し、一年のうちに最も海氷が融ける9月頃の海氷域面積は昨夏以上に縮小するものと予想されます。ただし、観測史上最小となった2012年を下回る可能性は低そうです。
北極海航路については、ロシア側の北東航路は8月中旬、カナダ側の北西航路は8月下旬にも開通(※)する見込みで、昨年よりも一ヶ月程度早い航路開通となりそうです。再び海氷が結氷し始める10月上旬までの約一ヶ月半の間、海氷域に入ることなく北極海の航海が可能となる見込みです。
※開通の定義:海氷域に入ることなく全航路を通ることができると衛星観測データから判断される状況
400隻超が通行許可取得、船舶の北極海航路利用の動き活発化
ロシアのNSRA(The Northern Sea Route Administration)によると、ロシア側の北東航路の通行許可を得た船舶は7月22日時点で400隻を超えており、船舶の北極海航路利用の動きが活発化しています。また約30隻の船舶が北極海を航行しています。船舶の運航において海氷はリスク要因であるため、海氷に関する詳細な情報へのニーズが高まってきています。
ウェザーニューズでは、グローバルアイスセンター独自の海氷に関する解析情報や予測をもとに、北極海を航海する船舶のサポートを行っていきます。