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ウェザーニューズ、「夏の小売需要傾向2023」を発表

全国的に暑い夏、夏物商品は例年より需要増の見込み

〜冷やし中華やスポーツドリンクなど夏物商品の需要は7月中旬から増加〜

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、68月の長期予報をもとに夏の商品トレンドを予想した「夏の小売需要傾向2023」を本日発表しました。今夏の気温は平年並〜高い予想で、全国の広い範囲で暑い夏になりそうです。特に8月の気温は全国的に平年より高く、暑さのピークは8月前半になる見込みです。正のインド洋ダイポールモード現象の発生によって太平洋高気圧の張り出しが強まることで気温が上昇しやすく、チベット高気圧と太平洋高気圧が重なるタイミングでは猛暑になる見込みです。

夏物商品の注目は、7月中旬の梅雨明け後のタイミングから高まる予想で、6月下旬〜7月初めに晴れて長い梅雨の中休みとなった昨年よりも遅くなる見通しです。梅雨明け後は平年より暑くなるので、かき氷や冷やし中華などの食品や、扇風機やクールインナー、スポーツドリンクなどの暑さ対策に関する商品の需要の伸びは例年以上に期待できそうです。当社の流通気象チームは、企業向けに商品の販売実績と気象の相関分析を行い、6か月先までの長期予報や天気連動型の広告サービスなどを提供しています。気象データのビジネス活用にご関心のあるメーカーや小売事業者の方は下記URLよりご連絡ください。

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夏の気温傾向2023

<なぜ暑くなる?今夏の海洋や大気の特徴>

日本の夏の天候に影響を与える熱帯域の現象として、エルニーニョ現象と「正のインド洋ダイポールモード現象」があげられます。エルニーニョ現象が発生すると、日本付近の夏の気温が平年より低くなる傾向があり、インド洋熱帯域の海面水温が南東部で平年より低く、西部で平年より高くなる正のインド洋ダイポールモード現象発生時は、平年より高くなる傾向があります。

今夏は、エルニーニョ現象と正のインド洋ダイポールモード現象の両方とも発生すると予想されますが、正のインド洋ダイポールモード現象の影響をより強く受けやすい見込みです。①正のインド洋ダイポールモード現象が発生することで、②高気圧性循環が卓越してフィリピン方向に風が吹きやすくなり、③フィリピン周辺の対流活動が活発化し、④上昇した大気が日本の南東で下降することで、太平洋高気圧の張り出しが強まる見込みです。これにより、今夏の気温は平年より高いところが多くなる見込みです。また、⑤チベット高気圧は平年より南東側への張り出しが強い傾向がありますが、北東側に張り出す時期もある予想で、チベット高気圧と太平洋高気圧が重なるタイミングで猛暑になりそうです。

<気温傾向>

6〜8月までの夏の気温は平年並〜高い予想です。北日本は平年より高い、東日本、西日本、沖縄・奄美は平年並〜高い予想です。暑さのピークは8月前半ですが、その前後も熱中症に注意が必要です。

・北日本:6月から8月にかけて平年より高い見込み
・東日本:6月は平年並〜高い、7月は平年よりやや高い〜高い、8月は平年より高い傾向
・西日本:6月は平年並〜やや高い、7月は平年よりやや高い〜高い、8月は平年より高い予想
・沖縄・奄美:6月は平年並、7〜8月は平年より高い見込み

 

夏の降水傾向2023

6〜8月の降水量は、北日本〜西日本で平年並〜やや多い、沖縄・奄美で平年並の見込みです。梅雨期間の総雨量は平年並になる見込みですが、6月下旬〜7月中旬は大雨に注意が必要です。梅雨入りは、東海から九州にかけては平年より早い所が多くなっており、関東甲信も平年より早く梅雨入りする可能性があります。北陸から東北は平年より遅い見込みです。梅雨明けは全国的に平年並の予想です。

8月は晴れる日が多いものの、エルニーニョ現象の影響で偏西風が平年よりも南を流れやすくなる見込みで、上空に寒気が入りやすい時期もありそうです。これにより、大気の状態が不安定になるため、雷雨の発生に注意が必要です。

 

夏の小売需要傾向

当社流通気象チームの気象データアナリストは、2022年の5〜8月のGoogle検索数の傾向と気象データの関係を分析し、今夏の気温傾向をもとに季節商品が注目される時期を予想しました。昨年の気温と夏物商材に関連するGoogle検索数を見てみると、関東以西の各地で梅雨の中休みとなった6月下旬〜7月初めの猛暑のタイミングで様々な夏物商品の注目度がアップしたことがわかります。

例えば、「冷やし中華」や「かき氷」などの夏の風物詩といえる食べ物から、「クールインナー」や「接触冷感」、「扇風機」などの暑さ対策に関する商品、「経口補水液」や「スポーツドリンク」などの熱中症対策商品などの検索数が大きく伸びました。

今年の梅雨明けのタイミングはおおむね平年並で、東北・北陸では7月下旬、それ以外は7月中旬の梅雨明けが予想されています。このため、夏物商品の注目が高まりはじめる時期は昨年より遅く、7月中旬以降になる可能性があります。しかし、梅雨明け後は全国の広い範囲で平年よりも暑い夏になると予想されることから、商品需要の伸びはいつもの年よりも期待できそうです。

<冷やし中華>

<接触冷感>

<扇風機>

<経口補水液>

天気予報のビジネス活用

商品の売れ行きは天気と大きく関係します。当社のWxTech®️サービスでは、企業向けに商品と気象データの相関を分析する『気象相関分析』を提供しています。今シーズンの気温や湿度、紫外線、熱中症情報などをもとに、商品やサービスの需要を予測しています。需要が高まる気象条件を把握いただくことで、効率的な生産や販売計画、プロモーションにお役立ていただいています。

また、天気・エリア・ユーザーインサイトを掛け合わせる『天気連動型動画広告』では、累計3500万ダウンロードのお天気アプリ「ウェザーニュース」上で、“晴れの日の関東”や“気温が20度以上になるエリア”など、需要が高まる条件を選んで広告を配信することが可能です。バナー広告の他、ウェザーニュースキャスターが商品を宣伝する動画を複数パターン作成することも可能です。

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エリアごとの気象見解

エリア
6~8月の
気温
(平年と比較)
6~8月の
降水量
(平年と比較)
6~8月の気象見解
北日本
(北海道・東北)
平年より高い
平年並〜やや多い
<6月:東北は平年より遅い梅雨入り予想 月末は大雨のおそれも>
北海道の天気は周期変化。6月初めは曇りや雨の日が多いものの、後半は晴れる日が多くなりそうです。東北は、前半は周期変化する傾向で、雷雨に注意が必要です。後半は曇りや雨の日が多くなり、南部から平年より遅い雨の季節になる見込みです。月末には大雨のおそれもあるので、レイングッズの新調など雨対策は6月前半のうちに行うと良さそうです。
気温は各地、平年よりも高い予想です。東北では蒸し暑く感じる日も増えていきそうです。ただ、太平洋側の地域では海からの冷たい風の影響で、急に寒くなることがあるので、日々の気温変化にご注意ください。
 
<7月:下旬にはいよいよ夏が到来>
北海道では短い周期で天気が変化します。7月中旬以降は曇りや雨の日が続くこともある見込みです。東北は、中旬にかけて梅雨前線の影響で曇りや雨の日が多く、強雨や大雨のおそれがあります。ただ、下旬には南部から梅雨が明け、平年並の時期に夏が到来しそうです。
気温は引き続き平年より高い予想です。暑さはもちろん、湿気対策が欠かせません。暑い夏に備え、こまめに水分と塩分補給を行ってください。
梅雨入りは平年より遅く、梅雨明けは平年並の予想です。6月末から7月中旬にかけて大雨に警戒が必要です。
 
<8月: 厳しい暑さと天気急変に要注意>
北海道は、8月前半は天気が周期変化し、後半は晴れる日が多くなる予想です。東北は晴れる日が多いですが、後半は湿った空気や昇温、上空寒気の影響でにわか雨や雷雨の可能性があります。特に山や川でのレジャーは天気の急変に注意が必要です。
気温は各地で平年より高く、厳しい暑さになりそうです。猛暑日となる可能性もあるので、熱中症対策が欠かせません。夜も寝苦しいことがあるので、規則正しい生活と栄養ある食事で、夏バテにも気をつけてください。
東日本
(関東甲信・北陸・東海)
平年並〜高い
平年並〜やや多い
<6月:関東甲信は平年より早く、北陸は平年より遅い梅雨入り予想 下旬は大雨のおそれも>
北陸は前半ほど天気が周期変化し、特に月初は雷雨に注意が必要です。関東甲信は上旬、北陸は中旬以降、曇りや雨の日が多くなり、関東甲信は平年より早く、北陸は平年より遅い雨の季節になる見込みです。下旬には強雨や大雨のおそれがあるのでご注意ください。
気温は、北陸で平年並、東海で平年よりやや高く、関東は平年より高くなる予想です。蒸し暑い日が多くなるので、熱中症対策や衛生管理を万全にしてください。
<7月:梅雨末期の大雨のおそれ その後は暑い夏の到来>
7月中旬にかけては梅雨前線が停滞して曇りや雨の日が多く、強雨や大雨のおそれがあります。梅雨末期の大雨に注意が必要です。
中旬から下旬には梅雨が明け、晴れる日が多くなって平年並の時期に夏が到来しそうです。内陸山沿いでは雨雲が急に発生することがあるので、天気急変にご注意ください。
気温は、東海や北陸は平年よりやや高く、関東は平年より高い予想です。暑い夏になるので、暑さや湿気の対策を万全に行ってください。
 
<8月: 厳しい暑さと天気急変に要注意>
夏の高気圧に覆われて、晴れる日が多くなりそうです。ただ、湿った空気や気温上昇、上空寒気の影響でにわか雨や雷雨の可能性もあります。特に山や川でのレジャーは天気の急変にご注意ください。
気温は各地で平年より高い見込みです。厳しい暑さで、猛暑日になることもあるため、熱中症対策が必須です。夜も熱帯夜で寝苦しくなることがあるので、規則正しい生活と栄養ある食事で夏バテの対策をとってください。
西日本
(近畿・中国・四国・九州)
平年並〜高い
平年並〜やや多い
<6月:曇や雨の日が多く 下旬は大雨に警戒>
曇りや雨の日が多く、下旬は大雨となるおそれもあります。1年の中で最も大雨による災害が発生しやすい時期に入るため、こまめな最新情報の確認とともに早めの対策が必要です。
気温は、四国は平年並、近畿や中国、九州は平年よりやや高い予想です。蒸し暑い日が多くなるので、熱中症対策や衛生管理を万全にしてください。
<7月:梅雨末期の大雨のおそれ その後は暑い夏の到来>
7月中旬にかけては梅雨前線が停滞して曇りや雨の日が多く、上旬は大雨のおそれがあります。梅雨末期の大雨にご注意ください。中旬後半には九州南部から段々と梅雨が明け、晴れる日が多くなって夏が到来しそうです。
気温は、中国では平年よりやや高く、近畿や四国、九州では平年より高い予想です。暑さや湿気の対策を万全にしてください。暑さが厳しい時は、無理せず冷房を使用し、こまめな水分や塩分補給を心がけてください。
 
<8月:厳しい暑さと天気急変に要注意>
夏の高気圧に覆われて、晴れる日が多くなりそうです。ただ、湿った空気や昇温、上空寒気の影響でにわか雨や雷雨の可能性もあります。特に山や川でのレジャーは天気の急変に注意が必要です。
気温は各地で平年より高い見込みです。厳しい暑さで、猛暑日となることもありそうです。万全な熱中症対策が必須です。
夜も熱帯夜で寝苦しくなることがあるので、規則正しい生活と栄養ある食事で夏バテの対策をとってください。
沖縄・奄美
平年並〜高い
平年並
<6月:梅雨が明け、一足先に夏本番に>
6月中旬にかけて曇りや雨の日が多く、大雨になるおそれもあります。ただ、下旬には梅雨が明け、晴れる日が多くなる予想です。平年並の時期に夏が到来しそうです。
気温は平年並で、厳しい蒸し暑さになり、夜も気温が下がりにくくなりそうです。昼間だけでなく、夜も熱中症対策を万全にしてください。
 
<7月:夏空 段々と台風シーズンに>
夏の高気圧に覆われて晴れる日が多い予想です。にわか雨や雷雨には注意が必要ですが、降っても短時間なので雨宿りでしのげそうです。
7月後半は台風の影響で荒れた天気となるおそれがあります。こまめに最新の情報を確認し、早めに備えておくと安心です。
気温は平年より高く、厳しい暑さの夏になりそうです。冷房の使用や意識的な水分、塩分補給など、対策を万全にしてください。
 
<8月:厳しい暑さと台風による荒天に注意>
8月前半は晴れたり曇ったり、にわか雨や雷雨があったりと天気が変わりやすい予想です。後半は台風が接近するおそれがあります。最新の情報を確認し、早めに備えてください。海でのレジャーは特に注意が必要です。
気温は平年より高い予想です。厳しい暑さが続くため、熱中症対策が必須になります。夜も熱帯夜となることが多いので、規則正しい生活と栄養ある食事で夏バテの対策をしっかりとしてください。

 

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