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ウェザーニューズ、「春の小売需要傾向2024」を発表
例年より早い春の訪れで、春物商品の需要増のタイミング早まる
気温は5月まで全国的に高く、アイス飲料やUV・花粉対策グッズの売れ行きは好調と予想
流通気象 >株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、6か月先まで(12〜5月)の天気傾向から2024年春の商品需要を予想した「春の小売需要傾向2024」を本日発表しました。
5月までの気温は全国的に平年より高い予想で、暖かい傾向は春まで続きそうです。今シーズンは大規模なエルニーニョ現象の影響で、例年より季節の歩みが早くなりそうです。寒さのピークは1月下旬~2月上旬で、初雪は平年より遅いところが多い予想です。冬型の気圧配置は長続きせず、日本海側の降雪は平年並か少なくなりそうです。また、日本付近に暖気が入りやすく、低気圧が発生、発達しやすくなるため、太平洋側の降水量は多い傾向です。春も気温が高い傾向が続きますが、寒気の影響を受けるタイミングでは、寒暖差が大きくなる可能性があります。積雪地域では例年よりも早い時期の融雪に注意が必要です。
今秋(9〜11月)は平均気温が過去最高を大幅に更新するほど暖かく、秋冬の季節商品は動き出しの遅れが懸念されました。この暖かい傾向は春まで続き、3月上旬からは春らしい陽気も出てくるので、冬物商品から冷たい飲料や紫外線対策などの春物商品への移行は例年より早まり、売れ行きの伸びが期待できそうです。また、花粉の飛散開始時期も平年より早い予想で、花粉対策商品の需要も2月上旬から高まる見込みです。
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気温傾向:春にかけて全国的に平年より高い予想
今年は大規模なエルニーニョ現象が発生しており、2024年春まで継続する予想です。このエルニーニョ現象や地球温暖化の影響で、地球全体で大気の温度が高くなる見込みです。
今冬(12〜2月)はインド洋東部からフィリピン近海の対流活動が平年より不活発になるため(①)、中国内陸の偏西風が平年よりも南を通りやすくなります(②)。この下流にあたる日本付近では、偏西風が平年より北を通るため、南からの暖気が入りやすく(③)、寒気が南下しにくくなります(④)。このため、日本付近の冬型の気圧配置は平年より長続きしない傾向で、気温は全国的に平年より高くなる予想です。
春(3〜5月)も冬と同様、偏西風が日本付近で平年より北寄りを流れる傾向のため、南からの暖気が入りやすく、気温は全国的に平年より高くなる予想です。
ただ、一時的に偏西風が北日本付近で南に下がり、寒気が流れ込む時期があり、そのタイミングでは北、東日本を中心に雷雨になりそうです。一方、エルニーニョ現象は徐々に衰弱して(①)、インド洋の海面水温は全体的に高くなることが予想されます(②)。このため、フィリピン近海では平年より高気圧ができやすく(③)、南西諸島方面へ暖かく湿った空気が流れ込みやすい傾向で、5月は南西諸島付近で前線活動が活発化する可能性がありそうです(④)。
したがって、冬から春(12〜5月)にかけて全国的に平年より気温が高くなりますが、強い寒気が南下するタイミングで気温が下がることもあるため、北日本を中心に寒さへの対策は十分にしておく必要があります。寒さのピークは1月下旬から2月上旬の見込みで、東日本と西日本の太平洋側の初雪は平年より遅い所が多く、観測されない所もありそうです。全体的に季節の進行は早い傾向で、4月になると日中は汗ばむ陽気になることがありそうです。
降雪と降水傾向:暖冬の影響で降雪量は平年並か少ない傾向
一般的に冬型の気圧配置では日本海側で雪の日が多くなりますが、12〜2月は冬型の気圧配置が平年より弱く、長続きしないため、降雪量は平年並か少なくなる予想です。ただ、局地的な強雪や大雪になるおそれはあるため、注意が必要です。また、日本付近に暖気が入りやすくなるため、低気圧が発生、発達しやすくなります。南岸低気圧の発生数も増える傾向があるため、太平洋側は低気圧の影響で降水量が多くなりそうです。寒気の南下するタイミング次第では、関東で大雪の可能性もあり、関東甲信以北の降雪量は平年並となる予想です。例年以上に南岸低気圧への備えが必要になります(※)。
3〜4月も低気圧や前線の影響で東、西日本を中心に降水量が多い予想です。気温も平年より高いため、早めに融雪へ備える必要がありそうです。また、発達した低気圧の影響で春の嵐になる日もあるため注意が必要です。
5月の天気は周期的に変わりますが、高気圧に覆われて晴れる日が多く、本州付近の降水量は少ない傾向です。ただ、沖縄付近では前線活動が活発化する可能性があり、強雨や大雨になるおそれもあります。
※2023年11月発表 降雪傾向のプレスリリース
※本プレスリリースの最後に、エリアごと(北日本、東日本、西日本、沖縄奄美)の気象見解を記載しています。
春の小売需要傾向
当社流通気象チームの気象データアナリストは、過去の3〜5月のGoogle検索数の傾向と気象データの関係を分析し、来春の気温傾向をもとに季節商品が注目される時期を予想しました。東日本の来春の気温予測の類似年としては、2022年が近いと予想しています。2022年の春は3月から気温が高く、春のはじめから「アイスコーヒー」などのコールド商品や「日焼け止め」のような紫外線対策グッズなど、春夏向けの季節商品の検索数が大きく伸びました。「アイスコーヒー」や「日焼け止め」のグラフを見ると、2022年3月上旬から検索数が段々と増加し、2022年4月上旬の暖かさで注目度が一気に上昇しているのがわかります。
来春も、2022年同様に春の早い時期から気温が高いと予想されることから、コールド商品や日焼け対策グッズなどの春夏商品は、春のはじめから需要が高まりそうです。
その他、冬の終わりから春にかけては花粉シーズンとなりますが、飛散時期や飛散量は花粉対策商品の売れ行きに影響します。2023年(昨シーズン)の傾向を振り返ると、2〜3月の暖かさの影響で飛散開始から本格飛散に至る期間が著しく短かく、九州など早いところで2月上旬、関東でも2月中旬に飛散が始まってから、あっという間に大量飛散となるエリアが多くなりました。
2023年の東京都の花粉飛散量と「花粉」の検索数を分析すると、おおよそ傾向が合致しており、2月中旬から検索数が増え始め、2月下旬~3月中旬が検索数のピークとなっています。
2024年(今シーズン)は暖冬の影響で、スギ花粉が全国的に平年(過去10年平均)より早く飛散し始める予想です。1月下旬には九州など一部で飛散し始め、2月上旬には西日本と東日本の太平洋側を中心に広範囲で飛散が開始する見込みです(※)。このため、2024年は2023年シーズンのように、例年より早いタイミングで花粉対策商品に注目が集まりそうです。
※2023年12月発表 第二回花粉飛散傾向のプレスリリース
花粉の飛散は花粉症対策グッズの需要と、気温変動は冬物や春物商品の需要と連動します。当社のWxTech®️サービスでは、企業向けに商品と気象データの相関を分析する『気象相関分析』や『天気連動型広告』のサービスを提供しています。今シーズンの気温傾向や花粉飛散予想をもとに商品・サービスの需要を分析し、適切なタイミング・エリアのユーザーにお天気アプリ「ウェザーニュース」上で動画やバナー広告を配信します。商品ごとのデータ分析や広告配信にご関心のある企業の方はお気軽にお問い合わせください。
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エリアごとの気象見解
エリア | 12~5月の気温 | 12~5月の気象見解 |
北日本(北海道・東北) | 平年より高い・12〜2月:平年より高い | 12月:天気は周期変化し、日本海側を中心に周期的に雪や雨が降ります。ただ、冬型の気圧配置が長続きしないため、日本海側の降雪量は平年よりも少なく、太平洋側では晴れる日が少ない時期もありそうです。気温は平年よりも高い予想ですが、寒さは増していきます。1月:日本海側では曇りや雪の日が多いものの、降雪量は少ない見込みです。太平洋側や北海道のオホーツク海側では晴れる日が多い予想です。気温は平年よりも高いものの、次第に寒さが厳しくなるので、防寒対策は万全にしてください。2月:冬型の気圧配置が長続きしないため、日本海側の降雪量は平年よりも少ない予想です。2月後半は周期変化しやすく、荒天の日もありそうです。大雪や吹雪となる可能性もあるため、引き続き雪への備えをしっかりしてください。3〜5月:3月は雪の日が少なく、季節の進行が早くなりそうです。ただし、寒気の影響を受ける時期があり、寒暖差も大きくなるため体調管理には注意が必要です。最新の気温傾向を確認しながら衣替えすることをおすすめします。また、積雪している地域では早めの融雪に注意が必要です。 |
東日本(関東甲信・北陸・東海) | 平年より高い・12〜2月:平年より高い | 12月:太平洋側は天気が周期的に変わる時期と、曇りや雨の日が多い時期があります。日本海側は曇りや雨・雪の日が多く、風の強い日もありそうです。 |
西日本(近畿・中国・四国・九州) | 平年より高い・12〜2月:平年より高い・3〜5月:平年より高い | 12月:前半の天気は周期変化、後半は曇りや雨の日が多くなる見込みです。中国地方では、山陰を中心に雪の降る日がありそうです。冬タイヤの装着はお早めにしてください。 |
沖縄奄美 | 平年より高い・12〜2月:平年より高い | 12月:天気が数日周期で変化する時期があるものの、曇りや雨の日が多めになりそうです。晴れる日は日差しを有効に活用して、計画的に掃除や洗濯をするのが良さそうです。 |