ニュース

Wx Files Vol.24 2014年2月8日南岸低気圧による関東の大雪について

2014年2月7日から9日にかけて本州の南海上を低気圧が発達しながら通過し、関東地方に大雪をもたらした。最大積雪深は東京で20年ぶり(1994年2月12日以来)に20cmを超えて27cm、熊谷では43cm、千葉では33cmで過去最大値を記録した。この要因として、「爆弾低気圧並みに急発達した低気圧」「強い寒気と、多量の降水と積雪により下層にできた厚い冷気層」が考えられる。

1.大雪の状況

東京では8日0時過ぎから雪のウェザーリポートが届き始め、6時には関東地方のほぼ全域から雪のリポートが寄せられた。8日昼頃から午後にかけては徐々に降水が強まり、積雪が1時間に3~5cmのペースで増えた。19時には東京や千葉では積雪深が20cmを越えている(図1)。
ソラミッション※1の報告によると、多量の積雪を示す「道路にドッサリ」のエリアが関東地方のほとんどを覆うまで広がったことがわかる(図2)。風も強まり、吹雪を示す「ブワァー」のリポートが多く届いた(図3)。降雪は8日の深夜には弱まったが、9日の未明まで続いた。

20140210_1
図1:アメダスの積雪深の変化(東京の17時は欠測)
20140210_2
図2:2月8日4~20時のソラミッションの報告
20140210_3
図3:2月8日17~18時に届いたウェザーリポート

※1)ソラミッション:当社スマートフォンアプリ「ウェザーニュースタッチ」で天気や季節の変化に関するテーマを日々設け、それに関する現地の状況を報告していただく双方向コミュニケーションサービス。

2.記録的な大雪になった要因

1)爆弾低気圧並みに急発達した低気圧
大雪をもたらした低気圧は、2月6日に東シナ海で発生し、7日から8日にかけて東北東に進み、本州の南海上を通過した。低気圧の中心気圧は、8日3時には1002hPaであったが、15時には990hPaとなり、12時間で12hPaという「爆弾低気圧」並みの急発達を示し、これにより降水と風が強まった。

2)強い寒気と多量の降水と積雪により下層にできた厚い冷気層
関東地方の地上付近には低気圧の接近前から強い寒気が入っていた。本格的な降水が始まる前の8日3時には、850hPa(上空約1500m)で-6℃以下の冷気に覆われていた(図5)。一般的に、南岸低気圧による関東の降雪は、850hPaの気温が-3~-1℃以下であることが降雪の目安とされることが多く、今回の気温は雪が降るには十分低い気温であった。
また、一般的には南岸低気圧の接近により、上空に暖かい空気が侵入して雨に変わることもあるが、今回は関東地方の地上気温は0℃前後の低い状態で経過した。多量の降雪と積雪によって下層(地上から1000m前後以下)に厚い冷気層が形成されて、暖かい空気の侵入を妨げていたことが推測される。

20140210_4
図4:8日15時の実況天気図
(黄色は低気圧の中心位置の推移)
20140210_5
図5:8日3時の850hPa(上空約1500m)の気温
(気象庁毎時大気解析)

3. まとめ

2014年2月7日から9日にかけて本州の南海上を低気圧が通過し、特に関東地方に記録的な大雪をもたらした。記録的な大雪となった要因としては、
1)低気圧が急速に発達しながら進み、降水量が多くなったこと
2)低気圧接近前から地上付近に強い寒気が入っていたこと、さらに、多量の降水と積雪により下層に厚い冷気層が形成され、低気圧接近時でも暖かい空気が流れ込まなかったこと
が主に考えられる。
今回は寒気が十分強かったため、数日前の時点でも雪で経過するエリアが多いことを予測することは難しくなかったが、当日の降雪強度や雨と雪の境界線の把握と、それによる積雪量の変化の予測において、サポーターからのリポートが非常に有効であった。
南岸低気圧による降水は雨雪の判別が難しく、積雪深計が少ないために降雪量の把握も難しい。当社では今後も「観測」と「感測」の両面を活用し、適切なサービスをご提供していく。

※このWxFilesの記載は速報値であり、二次災害あるいは今後同様の災害を少しでも減らすことを目的としています。