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ウェザーニューズ、「春夏の小売需要傾向2025」を発表

春の気温は平年並〜高い予想、夏は平年より暑くダブル高気圧で猛暑に注意

〜夏物商品は春からニーズ増、早めの梅雨明けで夏のスタートから需要急増の可能性〜

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、3〜8月の春夏の天気傾向と商品の売れ行きを予想した「春夏の小売需要傾向2025」を本日発表しました。

今年の春(3〜5月)の気温は全国的に平年並〜高い、夏(6〜8月)は平年より高い予想です。3月は偏西風が日本付近で南寄りを流れて、西回りで寒気が入りやすい時期があるため、東日本では平年並〜高い、西日本と沖縄・奄美は平年並の予想ですが、4月になると偏西風が次第に北上して、5月にかけて暖かい空気が流入するため、全国の広い範囲で平年より高くなりそうです。夏は太平洋高気圧とチベット高気圧の勢力がともに平年より強い傾向で、ダブル高気圧になる可能性もあり、平年より暑い夏になりそうです。

この影響でコールド商品や日焼け対策グッズなどの春夏商品は春の早い段階から需要が高まって、夏も需要の高い状態が続きそうです。また、今夏は例年より早めの梅雨明けで夏の訪れが早く、はじめから猛暑で夏物商品の需要が急増する可能性があります。

当社では、食品やアパレルなどのメーカーや小売店に対して、1kmメッシュの高解像度な気象データのほか、商品の需要予測や来店客予測、法人向け気象情報「ウェザーニュース for business」、天気連動広告など、様々なサービスを通して生産や販売をサポートしています。気象情報のビジネス活用にご関心のある企業の方はお問い合わせください。

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https://wxtech.weathernews.com/contact.html

2025年春夏の気象見解
<気温傾向>

春(3〜5月)は地球温暖化の影響で、ベースとして北半球全体の気温は平年より高い状態が継続します。3月の北日本の気温は平年より高い予想ですが、偏西風が日本付近で南寄りを流れて、西回りで寒気が入りやすい時期があることから、東日本の気温は平年並〜平年より高く、西日本と沖縄・奄美では平年並になりそうです。4月は南寄りを流れていた偏西風が次第に北上して5月にかけて暖かい空気が流入するため、4〜5月の気温は北〜西日本の広い範囲で平年より高い予想です。

夏(6〜8月)は北半球全体の気温が平年より高いことで、日本付近も気温が高くなりやすい状態が続き、加えて日本近海の海面水温も平年より高い状態が継続することで、周囲の気温が高くなります。また、今年はエルニーニョ現象およびラニーニャ現象は発生しない見通しですが、フィリピンの東海上の海面水温が平年より高く、対流活動が活発化することで、太平洋高気圧の日本付近へ張り出しが強まる見込みです。さらに、偏西風が日本付近で平年よりも北を流れやす い影響で、チベット高気圧が日本付近で平年より北寄りに張り出しを強める時期がありそうです。

これらの影響で夏の気温は全国的に平年より高い予想で、梅雨明け以降は晴れて暑い日が多くなる見込みです。チベット高気圧と太平洋高気圧が重なってダブル高気圧になる可能性もあり、平年より暑い夏になりそうです。

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<降水傾向>

3〜5月の降水量は、北日本では平年並〜多い、東・西日本で平年並〜少ない予想です。3月は冬型の気圧配置になることはあるものの長くは続かない傾向で、次第に低気圧と高気圧が交互に通過するようになり、天気は周期変化します。また、4月は発達した低気圧の影響を受けて春の嵐になる可能性があり、4〜5月は上空の寒気による突発的な雷雨に注意が必要です。沖縄・奄美については、3〜4月は平年並〜少なく、5月は前線の活動が不活発なため降水量は平年より少ない予想です。

梅雨入りは全般に平年並の予想ですが、太平洋高気圧の張り出しが強いため、梅雨明けは全般的に早くなり、梅雨期間は平年より短くなりそうです。このため、梅雨の総雨量は全国的に平年並〜少なくなりそうです。ただし、梅雨前線の活動が活発になる時期はあるため、強雨や大雨への備えは必要です。梅雨明け後は日本付近に台風が接近する可能性があるので最新情報をご確認ください。

※最後のページにエリアごと(北日本・東日本・西日本・沖縄奄美)の気象見解を記載しています。

 

春夏の小売需要傾向2025

当社流通気象チームの気象データアナリストは、過去の春夏のGoogle検索数の傾向と気象データの関係を分析し、今年の春夏の気温傾向をもとに季節商品が注目される時期を予想しました。

今年は3〜8月にかけて全国的に概ね気温が高い傾向が続く見込みで、コールド商品や日焼け対策グッズなどの春夏商品は春の早い段階から需要が高まりそうです。夏の期間は太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが平年より強く、いつもより暑い夏が予想されるため、冷やし麺やコールド飲料、経口補水液やスポーツドリンクなどの熱中症対策関連の飲料食品や、外出時の紫外線や暑さ対策に日焼け止めやハンディ扇風機など、季節商品の需要が高い状態が続きそうです。

今年の東日本の気温は、春は平均的に気温が高くエルニーニョもラニーニャも発生しなかった2020年、夏は気温の高さが同じような傾向である2022年と類似しています。春の類似年である2020年の3~5月にかけて春夏商品のGoogle検索数の傾向を見てみると、「アイスティー」の検索数は3月からの気温上昇に伴い段々と増し、ゴールデンウィークあたりで気温がぐっと上がるのに応じて検索数も大きく増加しています。

また、「日焼け止め」も同じように推移し、ゴールデンウィーク付近で検索数が大きく伸びています。外出が多くなる時期に気温が上がることで、春夏商品への注目度がより一層上がっていることがわかります。

夏の類似年である2022年6~8月の「コバエ」の検索数を見てみると、6月下旬~7月初めにかけて気温が上がったタイミングで注目度が上がり、7月下旬~8月頭に検索数が最も多くなっています。今年も春から夏にかけて気温が高い予想のため、夏の早い時期から防虫対策が必要になる可能性があります。

そのほか、「経口補水液」の検索数は、6月末~7月上旬にかけて大きく上昇しています。2022年はこのタイミングで気温が大きく上昇、東京の最高気温は35℃前後の猛暑が続き、熱中症対策が必須な状況でした。真夏と呼ぶには早いタイミングではありましたが、今年は梅雨明けが早い傾向で、この年のように夏のはじめから猛暑となる可能性もありますので、気温の動向には注意が必要です。

メーカーや小売店における気象情報の活用

当社は食料品やアパレル、家電のメーカーや、スーパーマーケットやコンビニなどの小売店向けに、1kmメッシュ(四方)の気象データ来店客予測を提供し、企業の店舗運営や販売戦略をサポートしています。天気・気温・降水量・風向・風速・気圧・湿度などさまざまな気象要素や体感に関する短期・中期・長期予報や実況データをAPIなどで提供します。企業は、気象データを企業が運用している商品の需要予測や来店客予測、レジシフトの調整、自動発注システムなどに取り入れることができます。

また、企業専用にお天気アプリをカスタマイズできる「ウェザーニュース for business」や企業の商品と気象データの相関を分析する「気象相関分析」、商品需要が高まる気象条件時に広告を配信する「天気連動広告」や、お天気キャスターとのYouTubeやSNSでのコラボ企画も実施しています。気象情報のビジネス活用にご興味のある企業の方は、以下よりお問い合わせください。

▼お問い合わせはこちらから
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エリアごとの気象見解

エリア
3~8月の気温
(平年との比較)
3~8月の気象見解
北日本
(北海道・東北)
平年より高い

・3〜5月:高い
・6〜8月:高い(8月はやや高い)
<3月>中旬にかけて日本海側を中心に周期的に雪や雨が降りそうです。下旬は全域で晴れる日が多いでしょう。積雪エリアは融雪による影響に注意が必要です。気温は平年より高いでしょう。
<4月>天気は周期変化しますが、北海道は前半、雪や雨の日が多くなりそうです。東北は晴れる日が多いでしょう。また、春の嵐になるタイミングもありそうです。気温は平年より高く、寒暖差が大きくなるので、体調管理をシッカリとしてください。
<5月>全般に晴れる日が多いですが、中旬は曇りや雨の日が多く、雷雨になる日もありそうです。気温は高い予想で、日毎の気温差や花粉に注意が必要です。体調管理や花粉対策は万全にしてください。            
<6〜8月>北海道は7月にかけて天気は周期的に変化しますが、晴れやすい時期がありそうです。8月は晴れる日が多いですが、雷雨になる日やぐずつく時期があるでしょう。東北の梅雨入りは概ね平年並で、梅雨明けは平年より早い見込みです。気温は平年より高い予想(8月はやや高い)で、熱中症対策は欠かせません。また、台風が接近するおそれもあるため、早めの備えが必要です。
東日本
(関東甲信・北陸・東海)
平年並〜高い

・3〜5月:平年並〜高い
・6〜8月:高い
<3月>日本海側は中旬にかけて雪の降る日がありますが、下旬は晴れる日が多いでしょう。太平洋側は上旬や下旬は晴れる日が多いですが、中旬は周期変化ながら、曇りの多い時期がありそうです。積雪エリアは融雪による影響に注意が必要です。気温は平年並〜高い予想で、桜の開花も平年並〜早まる予想です。
<4月>天気は周期変化しますが、晴れる日が多くなりそうです。前半は春の嵐になる日があり、後半は雷雨となる日があるでしょう。気温は平年より高い予想で、寒暖差に注意が必要です。
<5月>晴れる日が多いものの、中旬は曇りや雨の日が多く、雷雨の日もありそうです。気温は平年よりも高い予想です。ゴールデンウィークや運動会など、屋外での活動の際は、こまめな水分補給や紫外線対策が欠かせません。         
<6〜8月>梅雨入りは全般に平年並の見込みで、期間中は強雨や大雨に注意が必要です。ただし、関東は梅雨の中休みの時期がありそうで、梅雨明けは平年より早い傾向です。梅雨明け後は晴れて暑い日が多くなります。8月も晴れる日が多いですが、雷雨になる日やぐずつく時期がありそうです。気温は平年より高い予想で、熱中症対策を万全にする必要があります。また、台風が接近するおそれもあるため、早めの備えが必要です。
西日本
(近畿・中国・四国・九州)
平年並〜高い
・3〜5月:平年並〜高い
・6〜8月:高い
<3月>上旬は晴れる日が多くなりますが、山陰では周期的に雨や雪が降りそうです。中旬は天気が周期変化しますが、曇りの日が多い時期がありそうです。下旬は再び晴れる日が多いでしょう。雪が残っている所では融雪に注意が必要です。気温は平年並で、暖かい日も多くなりますが、寒の戻りもあり、少しずつ季節が前進しそうです。花粉対策も万全にする必要があります。
<4月>天気は周期変化しますが、晴れる日が多いでしょう。前半は春の嵐になる日があり、後半は雷雨となる日がありそうです。気温は平年より高い予想ですが、寒暖差には注意が必要です。
<5月>天気は周期変化ながら晴れる日が多くなりそうです。ただ、中旬は曇りや雨の日が多く、雷雨の日があるでしょう。気温は平年より高く、ゴールデンウィークや運動会など、屋外での活動の際は、こまめな水分補給や紫外線対策が欠かせません。
<6〜8月>梅雨入りは概ね平年並の見込みで、期間中は強雨や大雨に注意が必要です。梅雨明けは平年より早い傾向です。梅雨明け後は晴れて暑い日が多くなります。8月も晴れる日が多いですが、雷雨になる日やぐずつく時期がありそうです。気温は平年より高い予想で、熱中症対策を万全にする必要があります。また、台風が接近するおそれもあるため、早めの備えが必要です。
沖縄・奄美
平年並〜高い
・3〜5月:平年並(5月はやや高い)
・6〜8月:高い
<3月>中旬にかけて天気は周期変化しますが、ぐずつく時期がありそうです。下旬は晴れる日が多いでしょう。気温は平年並で、昼間は薄着で過ごしやすい体感です。朝晩はヒンヤリするので、体調を崩さないようにご注意ください。   
<4月>中頃にかけては曇りや雨の日が多いでしょう。下旬は晴れる日が多くなりそうです。気温は平年並の予想です。紫外線も強くなってくる時期なので、シッカリと対策を行ってください。         
<5月>上旬は天気が周期的に変わりますが、次第に曇りや雨の日が多くなります。梅雨入りは概ね平年並の見込みで、月末は強雨になるおそれがあります。雨への万全な備えが必要です。5月の気温は平年よりやや高い傾向です。
<6〜8月>梅雨明けは平年よりも早い傾向です。梅雨明け後は晴れて暑い日が多くなりますが、雷雨になる日もありそうです。7〜8月は台風の影響を受ける可能性があるため、最新の情報を確認し、早めに備えてください。気温は平年より高い予想で、暑くなるので熱中症にご注意ください。
※本傾向は2月21日時点のものです。

 

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