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ウェザーニューズ、2015年の花粉飛散傾向発表

花粉飛散量は平年の1割増、東日本は3割増とやや多い予想

~ 最も花粉飛散量が多いのは関東、平年より5割も増加する見込み ~

株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、10月8日(水)、2015年の花粉シーズンにおける全国および、各12エリアの“スギ・ヒノキ花粉”傾向を発表しました。本発表は、花粉症に悩む方にシーズンの花粉傾向を知ってもらい、早めの対策を取ってもらうことを目的としています。2015年の花粉飛散量は平年(2008〜2014年平均)の1割増、2014年シーズンの5割増となる予想です。東日本は、平年よりやや多く平年の3割増、西日本では平年と同じかやや少なくなりそうです。最も花粉が飛散する地域は関東〜東海で、多いところでは平年の5割増となる見込みです。一方、中四国や九州の飛散量は平年より少なくなる見込みで、2014年の半分になる地域もありそうです。例年と同様、2月以降は徐々に花粉飛散量が増えていくので、早めに事前の対策をとることをおすすめします。


来春の花粉飛散量の傾向

 夏の天候と、“表年”や“裏年”などの条件を考慮して総合的に判断すると、2015年のスギ・ヒノキ花粉シーズンの花粉飛散量は、北〜東日本ほど多く、関東では平年(2008~2014年平均)の110~150%、東北や中部では110~150%と非常に多くの花粉が飛散する予想です。近畿では平年と同程度~130%となる見込みです。一方、その他の西日本エリアの飛散量は平年より少ない所が多く、中四国では平年の80%~同程度、九州では平年の70~90%程度となる見通しです。
 また、2014年シーズンと比べると、東北~近畿は飛散量が多く、特に関東を中心に200~300%となる見通しです。一方、中四国以西では、四国(太平洋側)~九州を中心にこの夏の天候不順の影響が大きく2014年シーズンの70~90%となる地域が多いですが、中でも高知県・徳島県・佐賀県・大分県・宮崎県では2014年と比べて少なく50~60%程度となる見通しです。
 また、例年は2月以降から全国各地で徐々に花粉飛散量が増えていきます。2015年春のスギ・ヒノキ花粉は、近年の“表年”となった2013年よりも飛散量が少ない予想ですが、関東では2014年シーズンよりかなり多くの花粉が飛散する予想です。これまでにサポーターの皆さんからいただいた症状や対策の報告によると、症状を和らげるには花粉を体内に取り込まないような対策が有効とのことです。早めに事前の対策をとることをおすすめします。

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~ 北〜東日本は夏らしい天候で雄花が十分に成長、西日本は西ほど雄花の生育に不向きな夏に ~

 一般的に、よく晴れて暑い夏ほど植物の光合成が盛んになり、雄花の生産量が多くなるという理由から、スギ・ヒノキ花粉の発生源となる雄花生産量は前年の夏の天候との相関が高いと言われています。(北海道のシラカバ花粉も同様。)2014年の夏の天候は、北海道や関東を中心とする東日本の太平洋側で、晴れて暑い日が多くなりましたが、西日本では中四国~九州を中心として曇りや雨の日が多く、平年よりも暑い日が少なくなりました。
 北〜東日本では、日本の東海上に中心を持つ太平洋高気圧の縁をまわって、南から暖かい空気が流れ込んだ影響で、北海道や関東を中心に気温が高く、晴れの日が多くなりました。一方、西日本では、太平洋高気圧の西への張り出しが弱かったため、特に8月は中四国や九州などで、夏らしく晴れて暑い日が少なくなりました。このため、北〜東日本では、北海道や関東を中心に雄花の生育に適した夏となり、西日本では特に九州など西のエリアほど雄花の生育に不向きな夏となりました。


~ 東北から中国、四国(瀬戸内側)は花粉が多い表年、北海道や九州、四国(太平洋側)は裏年 ~

 花粉が多く飛散した翌年は飛散量が少なくなったり(裏年)、少ない年の翌年は多くなったり(表年)と、花粉の飛散量は交互に増減する傾向があります。2014年の花粉シーズンは東北~中国、四国(瀬戸内側)にかけては、前年(2013年シーズン)よりも飛散量が少ない“裏年”となりました。このため、2015年の花粉シーズンは、東北~中国、四国(瀬戸内側)では、“表年”となり、前年よりも飛散量が多くなる傾向です。また、北海道や九州、四国(太平洋側)は2013年夏の天候の影響などを受けて、2014年の花粉シーズンは前年(2013年シーズン)よりも飛散量が多い“表年”となった所が多くなりました。このため、2015年春は“裏年”となり、前年よりも飛散量が少なくなる傾向とも言えますが、近年は特に九州や北海道では“表年”・“裏年”という飛散量の増減があまり明瞭には見られず、夏の天候が飛散量の増減に及ぼす影響は、東日本エリアよりも大きいと考えられます。

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エリア別:花粉飛散予測

エリア別の花粉飛散予想
左図:2015年の予想花粉飛散量、右図:過去7年の花粉飛散量と2015年の予想花粉飛散量
北海道

(※シラカバ花粉)

 シラカバ花粉の飛散量は、スギ・ヒノキ花粉と同様、前年の夏の天候によって決まり、晴れて暑い夏であるほど花粉のもととなる雄花の生育がよく、花粉の飛散量が多くなります。2014年の夏は、度々雲が広がり、まとまった雨が降ることもありましたが、全般に晴れて暑い日が多く、雄花の生育に適した条件となりました。2013年夏と比べると、雨は多かったものの、夏らしく晴れて暑い日がやや多くなりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れますが、ここ2年程度は表年・裏年の明瞭な違いが見られない傾向にあります。このため、シラカバの雄花の生育状況は、夏の天候の影響を大きく受けるのではないかと考えられます。
 夏の天気や飛散量の傾向から、2015年春の花粉シーズンのシラカバ花粉飛散量は平年の140%前後、2014年と同程度となる見通しです。平年より多く、比較的飛散量の多かった2014年と同程度の予想であるため、十分な対策が必要となりそうです。

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東北北部

 2014年の夏は、近年の夏(2013年や2012年など)に比べると雲が広がる日が多くなりましたが、青森県を中心に暑い日が多く、スギ雄花の生育が促されたと考えられます。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2015年は表年にあたります。
 夏の天気や飛散量の傾向から、2015年春の花粉シーズンは、平年と比べると青森県や岩手県では120~140%、秋田県でも平年並みとなる見通しで、十分な対策が必要だと考えられます。また、2014年と比べると青森県や秋田県では2014年の110~120%、岩手県では135%となる見通しです。なお、東北北部で春に多く飛散するのはスギ花粉で、ヒノキ花粉はほとんどありません。

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東北南部

 2014年の夏は、近年の夏(2013年や2012年など)と比べて雲が広がる日が多くなりましたが、太平洋側を中心に晴れて暑い日もあり、スギ雄花の生育が促されたと考えられます。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2015年は表年にあたります。
 夏の天気や飛散量の傾向から、2015年春の花粉シーズンは、平年と比べると110~130%となる見通しであるため、十分な対策が必要です。また、2014年と比べると宮城県や福島県では2014年の160~190%、山形県では2014年よりやや多い105%となる見通しです。なお、東北南部で春に多く飛散するのはスギ花粉で、ヒノキ花粉はほとんどありません。

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関東

 2014年の夏は、雨が降る日もありましたが、全般に晴れて暑い日が多くなりました。2013年夏よりは気温が低めの傾向となりましたが、スギ・ヒノキ雄花の生育を妨げるまでには至らなかったと考えられます。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2015年は表年にあたります。さらに、関東では表年・裏年の飛散量の差が大きくなり、ここ数年は表年に大量飛散となる傾向があります。
 夏の天気や飛散量の傾向から、2015年春の花粉シーズンは平年の110~150%、2014年シーズンの200~300%と花粉飛散量は非常に多くなる予想です。また、もともとスギ林の多い関東北部の森林から多くの花粉が飛び出し、関東南部などでも飛散量が多くなることがあります。特に、表年に大量飛散になりやすい関東では、近年で大量飛散となった2013年には及ばないものの、2014年と比べて非常に多く飛散する見込みです。2月になると花粉の飛散量が多くなり、大量飛散となる日も出てくる恐れがあるため、十分な対策が必要です。

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東海・甲信北部

(甲信北部は、
長野県北中部)

 2014年の夏は、近年の夏(2013年や2012年など)に比べると雲が広がる日が多くなりましたが、晴れて暑い日もあり、スギ・ヒノキ雄花の生育が促されたと考えられます。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2015年は表年にあたります。
 夏の天気や飛散量の傾向から、2015年春の花粉シーズンは、平年の110~130%とやや多くなる見通しです。また、2014年シーズンと比べると、北陸東部や長野県では140%程度、北陸西部では180~200%となる予想です。近年の表年である2013年よりやや少なくなるものの、2014年や平年以上の飛散量となる見込みで、十分な対策が必要です。なお、特に北陸で春に飛散するのは、例年スギ花粉がメインで、ヒノキ花粉は少ない傾向にあります。

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東海・甲信南部

(甲信南部は、
長野県南部と
山梨県全域)

 2014年の夏は、近年の夏(2013年や2012年など)に比べると雲が広がる日が多くなりましたが、静岡県など東海東部を中心に晴れて暑い日も多くあり、スギ・ヒノキ雄花の生育が促されたと考えられます。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2015年は表年にあたります。
 夏の天気や飛散量の傾向から、2015年春の花粉シーズンは、平年の110~130%となる見通しですが、山梨県では150%近くなる予想です。2014年と比べると、静岡県では255%、愛知県では210%、山梨県では180%、岐阜県や三重県では120~150%となる予想です。近年の表年である2013年よりやや少なくなるものの、2014年や平年以上の飛散量となる予想のため、十分な対策が必要です。

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近畿

 2014年の夏は、晴れて暑い日もありましたが、近年の夏(2013年や2012年など)と比べると雲が広がりやすく、雄花の生育にやや不向きな状況となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2015年は表年にあたります。
 夏の天気や飛散量の傾向から、2015年春の花粉シーズンは平年の100~130%となる予想です。また、2014年と比べると同程度の飛散量となる所もありますが、大阪府や奈良県では2014年の140~150%、兵庫県や京都府では170~200%となる予想です。近年の表年のシーズンに比べると、飛散量はやや少ない傾向になりますが、平年以上の飛散量となる予想なので、十分な対策が必要です。

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山陰

 2014年の夏は、梅雨明け直後などは晴れて暑い日もありましたが、近年の夏(2013年や2012年など)と比べるとかなり雲が広がりやすく、雄花の生育にやや不向きな条件となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2015年は表年にあたります。
 夏の天気や飛散量の傾向から、2015年春の花粉シーズンは平年の90%前後、2014年の200%前後となる予想です。近年の表年のシーズンに比べると、飛散量は少ない傾向になりますが、2014年の2倍近くの飛散量となる予想ですので、十分な対策が必要です。

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山陽・四国
(瀬戸内側)

 2014年の夏は、梅雨明け直後には晴れて暑い日が続くこともありましたが、特に山口県など西のエリアほど近年の夏(2013年や2012年など)と比べるとかなり雲が広がりやすく、特に8月は雄花の生育に不向きな気象条件となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2015年は表年にあたります。
 夏の天気や飛散量の傾向から、エリア内でもより東側にあたる岡山県や徳島県、香川県では平年と同程度となりますが、広島県や山口県、愛媛県では平年の90%前後となる見通しです。また、岡山県や香川県の花粉飛散量は2014年の120~130%、雄花の生育に不向きな天候となった西側のエリア(山口県、愛媛県、広島県)では2014年の70~80%となる見通しです。西のエリアは平年・2014年シーズンより少なく、東のエリアは平年並みで2014年より多く飛散する予想ですので、油断せずに対策をすることをおすすめします。

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四国
(太平洋側)

 2014年の夏は、梅雨明け直後などは晴れて暑い日もありましたが、近年の夏(2013年や2012年など)と比べるとかなり雲が広がりやすく、特に8月は雄花の生育に不向きな気象条件となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れます。2014年シーズンが前年夏の暑さの影響で大量飛散となり、2015年はその翌年に当たります。
 夏の天気や飛散量の傾向から、2015年春の花粉シーズンは平年の90~100%、2014年の50~60%の飛散量となる予想です。2014年ほど大量飛散にはならない見通しですが、平年並みかやや少ない程度の飛散量となる予想ですので、油断せずに対策をすることをおすすめします。

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九州北部

 2014年の夏は、梅雨明け直後などは晴れて暑い日もありましたが、近年の夏(2013年や2012年など)と比べるとかなり雲が広がりやすく、特に8月は雄花の生育に不向きな状況となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れると言われていますが、九州北部では明瞭に表年・裏年が現れない傾向もあり、夏の天候が雄花の生育状況・花粉量に大きく影響することが考えられます。
 これらのことから、2015年春の花粉シーズンは平年の80~90%、2014年の50~80%の飛散量となる見通しです。2014年よりは少ない飛散量になりそうですが、平年並みかやや少ない程度の飛散量となる予想ですので、油断せずに対策をすることをおすすめします。

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九州南部

 2014年の夏は、梅雨明け直後などは晴れて暑い日もありましたが、近年の夏(2013年や2012年など)に比べると雲が広がりやすく、特に8月は雄花の生育に不向きな状況となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れると言われていますが、九州南部では明瞭に表年・裏年が現れない傾向もあり、夏の天候が雄花の生育状況・花粉量に大きく影響することが考えられます。
 これらのことから、2015年春の花粉シーズンは、鹿児島県で平年の75%(2014年の90%前後)、宮崎県で平年の85%前後(2014年の60%前後)となる見通しです。2014年・平年より少ない飛散量になりそうですが、油断せずに対策をすることをおすすめします。

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参考情報

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