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ウェザーニューズ、「秋冬の小売需要傾向2025」を発表

今年の冬、北〜東日本は暖冬傾向、西日本は平年並の寒さに

秋はあたたかい傾向も寒暖差で冬物商品が急伸、冬は西日本中心に売れ行き好調の見込み

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、2月までの天気傾向と商品需要を予想した「秋冬の小売需要傾向2025」を本日発表しました。11月は全国の広い範囲で平年よりもあたたかい秋になる予想ですが、寒気が流れ込むタイミングで季節が一気に進みそうです。冬(12〜2月)は、北〜東日本では暖冬傾向ですが、西ほど寒気が流入しやすく、西日本と沖縄・奄美では平年通りの寒さになりそうです。北・東日本の初雪は平年並~遅い、西日本は概ね平年並の見込みで、寒さのピークは1月下旬~2月上旬の予想です。

秋冬の日用品、衣料品や飲食物などの季節商品の需要は、今後動きが大きくなり、特に11月以降に寒気が流入するタイミングで季節が急進し、冬物商品の需要が急増しそうです。また、冬のシーズンは西ほど平年並の寒さとなり、期間を通して冬物商品の需要が高まりそうです。

当社ではアパレル・食品・日用品のメーカーや小売店、ECサイトの運営者などに対して、1kmメッシュの高解像度な気象データや法人向け気象情報「ウェザーニュース for business」、商品との気象相関分析や広告サービスを提供しています。気象データのビジネス活用にご関心のある企業の方はお問い合わせください。

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秋冬の気温傾向
秋:11月は比較的あたたかいが、寒気流入のタイミングで北日本を中心に平年並の寒さに

10月の気温は広い範囲で平年より高い傾向ですが、北日本では10月下旬の気温が平年並〜低い時期があり、気温差が大きくなりそうです。11月の気温は北日本では平年並〜高い、東日本では平年より高い、西日本では平年よりやや高い〜高い見込みです。

地球温暖化の影響で北半球全体の気温は平年より高くなる見込みです。偏西風は全般的に平年より北を流れやすい状況になりますが、偏西風が大きく蛇行するタイミングでは、北日本を中心に寒気が入りやすくなりそうです。したがって、11月は広い範囲で平年よりあたたかい秋になる予想ですが、北日本では平年並の寒さの時期もあり、各地、寒気が入るタイミングで季節が一気に進む可能性があります。

冬:東日本は暖冬傾向、西日本は平年並の寒さの予想

冬(12〜2月)の気温は、北日本では平年よりやや高い〜高い、東日本では平年並〜高い予想で、暖冬傾向になりそうです。一方、西日本と沖縄・奄美では平年並の寒さの見込みです。寒さのピークは1月下旬~2月上旬の予想です。

冬も引き続き北半球全体の気温が平年より高い状況で、偏西風は平年よりも北を流れやすい状態が継続するものの(①)、1月にかけて(冬前半)はラニーニャ気味の海面水温分布の影響(②)で、熱帯の対流活動が平年より西で活発になる予想です(③)。このため、1月にかけて中国内陸の偏西風は平年よりも北を流れやすく(④)、日本付近で平年より南に蛇行しやすい時期がある見込みです(⑤)。この偏西風の蛇行により日本付近に平年より強い寒気が入る可能性があります。

1月以降は段々と熱帯の対流活動の中心が東(フィリピンの東海上)へシフトするため(⑥)、日本付近での偏西風の南への蛇行は弱まり、平年並の位置を流れる見込みです(⑦)。このため、西日本を中心に平年並の強さの寒気が入りやすい予想です

降雪・降水傾向

10月下旬は全国的に天気が周期的に変化しますが、太平洋側は前線の影響を受けて天気がぐずつく時期がありそうです。また、一時的に冬型の気圧配置になることも影響し、降水量は北日本で平年並、東〜西日本と沖縄・奄美では平年より多くなりそうです。

11月も天気は周期変化し、冬型の気圧配置になる日もありますが、低気圧や湿った空気の影響を受けやすい傾向です。このため、降水量は北~西日本の日本海側では平年並、太平洋側や沖縄・奄美では平年並か多い予想です。

12〜2月は西日本を中心に平年並の寒気が入りやすく、北では平年より寒気が弱まるため、北・東日本の初雪は平年並~遅い、西日本の初雪は概ね平年並となりそうです。
ただ、北日本では低気圧の影響を受けやすい時期があることや、日本海の海面水温が平年より高い予想のため、山陰以北の日本海側では降雪量が平年並〜多くなりそうです。日本海側では強雪や大雪のおそれもあるため、雪への備えを十分にしてください。一方、北日本の太平洋側の降雪量は平年並〜少ない、東〜西日本の太平洋側と九州北部では平年並と予想しています。
南岸低気圧の通過頻度も平年並かやや少ない傾向ですが、寒気の南下するタイミング次第では、関東甲信や東北太平洋側で積雪や大雪の可能性もあるので注意が必要です。

冬の商品需要
〜今シーズンの予想〜

当社流通気象チームの気象データアナリストは、過去の11〜2月のGoogle検索数の傾向と気象データの関係を分析し、今シーズンの秋冬の気温傾向をもとに季節商品が注目される時期を予想しました。

9月~10月前半にかけては残暑となりましたが、10月後半は特に北日本で気温差が大きくなりそうです。また、11月は広い範囲で平年よりあたたかな秋になる予想ですが、寒気の流入で季節が一気に進み、秋物商品の動きが本格化する見込みです。

1月にかけて(冬前半)は平年より強い寒気が入る可能性があり、羽毛布団、おでん、鍋つゆ、コート、セーター、ストーブ、こたつ、ハンドクリームなどの需要が増えそうです。1月以降も西ほど平年並の寒さの寒気が入りやすく、冬の期間を通して冬物商品の需要が高まりそうです。

〜類似年の需要傾向〜

今冬(12~2月)の気温傾向は、2022〜2023年と類似すると予想しています。2022年12月〜2023年2月の東京の気象を振り返ると、12月や1月は強い寒気が南下して気温が大きく低下した時期もあり、気温の変動が大きくなりました。一方、2月になると強い寒気の流れ込みはありませんでした。

2022年11月は気温が高かったものの、12月に入ると一気に気温は下降、特に12月下旬~年明けおよび、1月下旬に気温の低い時期がありました。東京の体感データを見ると、11月後半は「肌寒い」と「寒い」を合わせても半数程度でしたが、12月に入ると「寒い」の割合が7割を超えるようになりました。また、1月は下旬に「極寒」となった日もあるなど「寒い」1か月となり、2月に入ると「寒い」の割合が少ない日もたびたび現れるようになりました。

このシーズンの「防寒インナー」の検索数は、11月中は大きな動きはありませんが、12月に入ると一気に増加しています。1月は減少傾向に転じたものの、下旬には気温の低下に伴い再び上昇しています。「毛布」や「カイロ」も同様の傾向で、12月~1月はアップダウンがありながらも検索数は伸びています。一方で2月に入ると減少トレンドを示しています。

商品需要に関連する気象サービス

当社は食料品やアパレル、家電のメーカーや、スーパーマーケットやコンビニなどの小売店、ECサイトの運営者などに対して、1kmメッシュ(四方)の気象データを提供し、企業の店舗運営や販売戦略をサポートしています。天気・気温・降水量・風向・風速・気圧・湿度などさまざまな気象要素や体感に関する短期・中期・長期予報や実況データをAPIなどで提供します。企業は、気象データを企業が運用している商品の需要や来店客予測、レジシフトの調整、自動発注システムなどに取り入れることができます。

この他、企業専用にお天気アプリをカスタマイズできる「ウェザーニュース for business」や企業の商品と気象データの相関を分析する「気象相関分析」、気象的に商品需要が高まるエリアや時間帯にお天気アプリ「ウェザーニュース」上で広告を配信する「天気連動広告」や、お天気キャスターとのYouTubeやSNSでのコラボ企画も実施しています。気象情報のビジネス活用にご関心のある企業の方はお問い合わせください。

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102月のエリア別気象見解

エリア

気温傾向
(平年との比較)

気象見解

北日本(北海道・東北)

・10月下旬:平年並〜低い
・11月:平年並〜高い
・12〜2月:やや高い~高い

<10月下旬>北海道では道北を中心に雪の降る可能性があります。東北は天気が数日周期で変わります。気温は平年より低い時期があり、一気に季節が進みそうです。ストールなど小物アイテムを活用して、朝晩の冷えに備えてください。標高の高いところや、北のエリアから段々と秋が深まっていきそうです。朝晩は冷えて一日の寒暖差も大きくなるため、ストールなどの小物アイテムを活用して体感温度の調整をしてください。

<11月>天気は周期的に変わり、日本海側は次第に曇りや雨、雪の日が多くなります。気温は平年並〜高い予想で、昼間は寒さが控えめとなる日もあります。ただ朝晩を中心にグッと冷え込んで、冬用アウターが活躍する日もありそうです。

<12〜2月>今冬は平年より寒気が弱いものの、日本海側を中心に大雪や強雪、暴風雪になる日がある見込みのため、十分な備えが必要です。また、寒気が流れ込むタイミング次第では、南岸低気圧の影響で、東北太平洋側でも積雪や大雪になる可能性があります。気温は平年よりやや高い~高い予想で、寒さのピークは1月下旬~2月上旬の見込みです。

東日本(関東甲信・北陸・東海)

・10月下旬:平年並~高い
・11月:高い
・12〜2月:平年並~高い

<10月下旬>東日本の天気は周期変化しますが、雲が広がりやすい時期があります。気温は平年並に下がる時期があるため、寒暖差に注意して服装で上手に調節してください。野山も段々と秋めいて、早くなった夕暮れとともに秋の到来を感じそうです。

<11月>太平洋側は天気は周期的に変わるものの、前半は晴れる日の多い時期があります。日本海側は前半は天気が周期的に変わるものの、後半は曇りや雨の日が多くなります。気温は平年より高い予想です。昼間は暖かくても朝晩はグッと冷えるため、上着やストールなどの小物で上手に体感温度の調節をしてください。

<12〜2月>今冬は寒気が平年並か平年より弱いものの、日本海側では雪が強く降る日がある見込みのため、十分な備えが必要です。また、寒気が流れ込むタイミング次第では、南岸低気圧の影響で、関東で積雪や大雪になる可能性があります。気温は平年並~高い予想で、寒さのピークは1月下旬~2月上旬の見込みです。

西日本(近畿・中国・四国・九州)

・10月下旬:平年並~やや高い
・11月:やや高い~高い
・12〜2月:平年並(九州南部では平年よりやや低い時期がある)

<10月下旬>天気は周期変化します。ただ、段々と朝晩を中心に冷える日が増えるため、一日の寒暖差に注意して服装で上手に調節してください。野山も段々と秋めいて、早くなった夕暮れとともに秋の到来を感じそうです。

<11月>天気は周期的に変わるものの、前半は晴れる日の多い時期があります。気温は平年よりやや高い~高い予想です。昼間は暖かく過ごしやすい体感でも朝晩はグッと冷えるため、上着やストールなどの小物で上手に体感温度の調節をしてください。紅葉前線は南下して市街地でも紅葉狩りが楽しめるようになります。

<12〜2月>今冬は平年並の寒気が入りやすい見込みで、日本海側の降雪量は平年並か多い予想です。気温は平年並の予想で、九州南部では平年よりやや低い時期がありそうです。寒さのピークは1月下旬~2月上旬の見込みです。

沖縄・奄美

・10月下旬:高い
・11月:高い
・12〜2月:平年並

<10月下旬>天気は曇りや雨の日が多くなりそうです。気温は平年より高い予想で、昼間はまだまだ汗ばむ暑さです。ただ、朝晩は涼しい日もあり、早くなった夕暮れに秋の到来を感じそうです。

<11月>天気は数日周期で変わるものの、ぐずつく時期がある見込みです。気温は平年より高い予想です。昼間は薄着で過ごしやすい日が多いものの、朝晩はヒンヤリするので長袖シャツや上着など服装で上手に体感温度の調節をしてください。北風の吹く日が増えて段々と冬を感じられるようになります。

<12〜2月>今冬は平年並に寒気の影響を受けやすく、天気は平年同様に曇りや雨の日が多くなりそうですが、周期変化する時期もありそうです。気温は平年並の予想です。寒さのピークは1月下旬~2月上旬の予想で、しっかり寒さ対策をする必要があります。

※本傾向は2025年10月20日時点のものです。

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