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ウェザーニューズ、グローバルアイスセンター発表

北極海航路が両航路ともに開通、観測史上3番目に小さい面積に

~来夏から独自の超小型衛星『WNISAT-1R』による海氷観測を開始〜

株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)のグローバルアイスセンターは9月3日、ロシア側の北東航路は8月18日、カナダ側の北西航路は9月1日に開通※し、2013年以来の両航路開通となったと発表しました。今後、北東航路は10月上旬まで、北西航路は9月下旬まで海氷域に入ることなく船舶の航海が可能となる航路開通の状態が続く見込みです。また、今年は北極海の海氷が早いペースで融解しており、現在、この時期としては観測史上3番目に小さい面積となっています。
ウェザーニューズは観測情報の少ない北極海の海氷をよりきめ細かく観測・分析するため、2016年夏より独自の超小型衛星『WNISAT-1R』による海氷観測を計画しています。

※開通の定義:海氷域に入ることなく全航路を通ることができると衛星観測データから判断される状況。

海氷の融解が進み2年ぶりに東西両航路が開通、現在観測史上3番目に小さい面積に

 今シーズンの北極海航路は、昨年以上に海氷の融解が進み、2年ぶりに北東航路(ロシア側)、北西航路(カナダ側)共に開通しました。北東航路は、昨年は海氷に閉ざされていたビルキツキ海峡の海氷が8月上旬に融解し、加えてノボシビルスク諸島周辺の海氷も後退したことで、8月18日に航路開通となりました。また、昨年はバロー海峡付近に海氷が残り開通に至らなかった北西航路も、今年は昨年以上に融解が進み、9月1日に開通しました。今後、北東航路では約1ヶ月強、北西航路では約4週間、船舶が海氷域に入ることなく航海可能な状態が続くと予想しています。
 両航路開通となった背景には、春までに海氷の流動が活発で融解しやすい状況となっていたことや、7月から8月にかけて北極海周辺が比較的好天となり、気温・海水温が共に上昇したことが影響したと考えられます。

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9月1日時点の北極海の海氷分布(地図)と
過去の航路開通期間および2015年の開通予想期間

 現在、北極海の海氷域は約460万㎢まで減少しており、同時期としては2012年、2007年に次ぎ、観測史上3番目に小さい面積となっています。今後、9月中頃まで海氷の減少が続く見込みですが、その後は気温の低下に伴い結氷が始まり海氷域は次第に拡大していきます。島が多く結氷が進みやすい北西航路では、9月下旬に航路が閉じる見込みで、北東航路も10月上旬には沿岸からの結氷によって航路が閉ざされる予想です。

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北東航路の開通前後の海氷変化
(上:8/1時点  下:8/18時点)
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北西航路の開通前後の海氷変化
(上:8/1時点  下:9/1時点)
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9/1時点での北極海の海氷分布
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海氷域面積推移(年別)

超小型衛星『WNISAT-1R』で海氷を観測、北極海航路を使用する船舶の安全運航支援を強化

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超小型衛星『WNISAT-1R』イメージ

 北極海の海氷の減少により、昨今、欧州とアジアをつなぐ新たな航路として『北極海航路』の利用が始まっています。ウェザーニューズの航海気象チームでは、2011年より北極海を航海する船舶への運航支援サービス『Polar Routeing Service』の提供を開始しています。当社はさらなるサービスの強化に向けて、観測情報の少ない北極海の海氷をより細かく観測・分析するため、独自の超小型衛星『WNISAT-1R』の開発を2014年5月より進めており、2016年夏から本格的な北極海の海氷観測を計画しています。