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ミャンマーの大雨と洪水被害について

イラワジ川沿岸の被災地で現地調査実施

〜被災地向け特設サイトリリース、ミャンマー各地の気象情報を発信〜

 この度、ミャンマーで発生した洪水により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 ミャンマーでは7月から続くモンスーンによる雨に加え、7月30日にバングラデシュに上陸したトロピカルサイクロンの影響で、イラワジ川が氾濫し洪水や土砂災害被害が拡大しています。株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は創業時からの「いざという時に人の役に立ちたい」という企業理念に基づき、被災地で現地調査を行うとともに、今後の二次被害の軽減や復旧作業に携わる方々に向け最新の気象見解を発信する、被災地向け特設サイト『Myanmar rain disaster information』をリリースしました。

被災地向け『Myanmar rain disaster information』はこちら
下記特設サイトURLよりアクセス
http://g.sunnycomb.com/mm/
※PC/スマホどちらからも閲覧可能
スマホアプリ「Sunnycomb」を
ダウンロード後、
『notifications(お知らせ)』からアクセス

イラワジ川周辺の長雨と洪水について

 7月からのモンスーンによる継続的な雨に加えて、7月30日にバングラディッシュのチッタゴン付近に上陸したトロピカルサイクロン「KOMEN」の湿った空気がもたらす大雨により、ミャンマーの西部のイラワジ川の上流の山岳地帯を中心に、1ヶ月で500mmを超える雨が降ったエリアがありました(衛星からの雨量の推定により)。図1を見てみると、2015年7月は2015年8月と比べて、積算降水量500mm以上を示す赤色のエリアがミャンマー西部を中心に広がっていることがわかります。また、表1からわかるように、ミャンマー国内3都市(マンダレー・シトウェ・ヤンゴン)の2015年7月の積算降水量は平年と比べ1.6倍以上、場所によっては約2倍に上りました。


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図1.2015年7月(左)と2015年8月(右)の推定積算雨量
出典:JAXA・ウェザーニューズ
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図2.Tropical Cyclone Komenの軌跡
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表1.ミャンマー国内3都市の7月の積算降水量と平年比

 このモンスーンとトロピカルサイクロンがもたらした大量の雨水がイラワジ川に流入し、下流では大規模な洪水や土砂災害被害につながりました。図3の衛星画像を見ると2013年8月と比べて2015年8月には陸地があった場所が水没していることがわかります。

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図3. 2013年8月29日(左)と2015年8月3日(右)のイラワジ川下流の衛星画像
出典:NASA

8月27日被災地を訪問、被害状況を調査

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Source: Generated by OCHA (13 August
2015) based on data from RRD and MIMU.

 現地の被害を調査するため、首都ヤンゴンから北西に車で2時間ほどの距離にあるイラワジ川沿岸のニャンドン区周辺を訪問しました。現地では、既に水は引いているものの、まだ冠水している場所や流木が散乱するなど、復旧にはほど遠い状況で、現地の方々が通常の生活を送るにはもうしばらくかかる見込みです。
 家屋の壁には洪水の跡があり、地上1mほどまで水位が上昇したことも伺えました。また、川沿いでは地面が崩落している場所もあり、洪水の規模が非常に大きく危険な状況であったことがわかりました。川沿いにあった現地の小学校も崩落し、子どもたちは被災を免れた臨時の建物で授業を受けています。
 8月27日現在、イラワジ川の水位は徐々に下がり始めているものの、まだ水量は多く今後の天候によっては引き続き警戒が必要です。そのため、各地には水を防ぐための土嚢が今でも積まれています。
 上流と下流の標高差がある日本の河川氾濫では、上流での降水やダムの放流などにより急流が襲う、土砂が崩れるといった被害が多く見られますが、今回の現地調査の中で、ミャンマーでは標高差があまりなく(イラワジ川の標高差:約10m)7月から降り続く雨によりじわじわと水位が上昇し、気がつくと人々や家畜の逃げ場のない状況となってしまったことがわかりました。また、ミャンマーでは毎年7月から9月にかけてモンスーンの影響で雨が降り続くため、訪問したイラワジ川沿いに位置するニャンゴン地区周辺では住居を高床式にするなどの対策が取られていました。それにも関わらず対応できないほどの雨量であったと考えられます。

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まだ冠水している場所が残る
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地上1mほどまで水が迫った跡
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小学校が崩落し臨時の建物で
授業を受ける子どもたち
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地面が崩落した場所
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上流から流木が散乱し建物も壊れている
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各地で土嚢が積まれている
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イラワジ川の水量は多く流れも急

被災地向け特設サイト『Myanmar rain disaster information』リリース

 ウェザーニューズでは現在も断続的に雨が続くミャンマーにおける二次災害への対策や、被災された方々の安全な避難を支援するため、被災地向け特設サイト『Myanmar rain disaster information』をリリースしました。本サイトではグローバル予報センターによるミャンマーの気象概況や各地の天気予報をスマホアプリ「Sunnycomb」を通じてミャンマー語と英語で公開しています。また、現地から寄せられた被災リポートも公開します。


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ミャンマー全域の雨雲の様子
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最新の各地の天気予報
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現地からの被害リポート

 ウェザーニューズは「全世界一人一人の気象台」になるという使命のもと、今後もミャンマーの洪水における二次被害軽減や現地の方々に役立つ情報発信を引き続き行っていきます。