TOP > NEWS > 2015

ニュース

ウェザーニューズ、2015年夏の「ゲリラ雷雨傾向」発表

エルニーニョ現象でゲリラ雷雨増加、全国の発生回数は昨年の4割増

〜ゲリラ雷雨のピークは8月、関東甲信では昨年の3倍になる見込み〜

株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、突発的かつ局地的に大雨や雷をもたらす“ゲリラ雷雨”に対し、事前対策への意識を高め、被害軽減に繋げるため、7~9月の「ゲリラ雷雨傾向」を発表しました。今年はエルニーニョ現象の影響で太平洋高気圧の勢力が弱く、湿った空気や上空の寒気の影響を受けやすくなり、全国のゲリラ雷雨発生回数は昨年の1.4倍に増加する予想です。特に関東〜近畿は全国の中でも多く、最も予想発生回数が多い関東甲信では昨年の約2倍、雷雨のピークとなる8月には昨年の約3倍のゲリラ雷雨が発生する恐れがあり、道路冠水や河川の急激な増水に十分注意が必要です。ゲリラ雷雨シーズンは、一人ひとりが災害に対する意識を高め、身の回りの危険な箇所を確認することが被害軽減につながります。最新情報はスマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」よりご覧いただけます。

「ゲリラ雷雨傾向」はこちら
スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」を
ダウンロード後、「おしらせ」にアクセス
スマホ向けwebサイト「ウェザーニュース」から
「ゲリラ雷雨傾向」にアクセス
  https://weathernews.jp/s/guerrilla2015/

“ゲリラ雷雨”の発生傾向

20150709_2_1
クリックで拡大できます

  “ゲリラ雷雨”は急激に発達する積乱雲がもたらす局地的な激しい雷雨で、太平洋高気圧が弱まり、湿った空気や上空の寒気が流れ込む時に発生しやすくなります。
 今夏はエルニーニョ現象の影響で太平洋高気圧の勢力が弱い予想で、全国のゲリラ雷雨発生回数は昨年の約1.4倍に増加する見込みです。特に関東〜近畿を中心に大気の状態が不安定となり、ゲリラ雷雨の発生回数が多くなりそうです。予想発生回数が最も多いエリアは関東甲信で、7〜9月の間に1,500回以上、雷雨のピークとなる8月には昨年同月の約3倍のゲリラ雷雨が発生する恐れがあります。
 7月下旬は太平洋高気圧が一時的に強まってゲリラ雷雨の発生が少なくなる時期があるものの、8月は高気圧の勢力が弱まり、全国的にゲリラ雷雨のピークとなる予想です。9月になると台風や秋雨前線の影響を受ける日が次第に増え、ゲリラ雷雨の発生は減少しますが、雷を伴う短時間強雨や大雨には注意が必要です。

20150709_2_2
クリックで拡大できます
20150709_2_3
クリックで拡大できます

エリア別の“ゲリラ雷雨”発生傾向

20150709_table1

都道府県別の“ゲリラ雷雨”発生傾向

20150709_table2

エリア別の傾向

北日本
20150709_2_4
クリックで拡大できます
 北日本のゲリラ雷雨発生回数は昨年並かやや少なくなる見込みで、8月中旬がゲリラ雷雨のピークとなりそうです。
 8月に入っても低気圧や前線の影響で曇りや雨の日が多く、天気急変を伴うゲリラ雷雨の発生はそれほど多くない予想です。また、9月後半は突発的なゲリラ雷雨ではありませんが、秋雨前線や台風接近の影響で大雨になる日があり、雷を伴う強い雨に注意が必要です。
東日本
20150709_2_5
クリックで拡大できます
 東日本のゲリラ雷雨発生回数は昨年より多くなる見込みで、8月がゲリラ雷雨のピークとなりそうです。
 7月下旬に梅雨明けした後は一時的に晴れる日が多くなりますが、今夏は太平洋高気圧の張り出しが弱く、特に8月は湿った空気や上空の寒気の影響でゲリラ雷雨が増加します。ゲリラ雷雨の発生回数が全国で1番多い予想の関東甲信では、8月のゲリラ雷雨発生回数が昨年の約3倍になる恐れがあり、道路冠水や河川の急激な増水に十分注意が必要です。日頃から身の回りの危険な箇所を確認しておいてください。
 9月になると秋雨前線の影響を受け、ゲリラ雷雨は次第に減少しますが、台風接近で大雨になる恐れがあります。ゲリラ雷雨シーズンの後も、雨による災害に注意してください。
西日本
20150709_2_6
クリックで拡大できます
 西日本のゲリラ雷雨発生回数は昨年並か多くなる見込みで、8月がゲリラ雷雨のピークとなる予想です。特に上空の寒気の影響を受けやすい近畿では、7〜9月のゲリラ雷雨発生回数が昨年の約2倍となる見込みです。
 7月下旬に梅雨明けした後は、一時的に太平洋高気圧に覆われ、ゲリラ雷雨の発生が抑えられる時期がありますが、8月は太平洋高気圧の勢力が弱まり、湿った空気や上空の寒気の影響を受けるため、ゲリラ雷雨が発生しやすくなります。9月には秋雨前線の影響を受けて次第にゲリラ雷雨の回数は減少しますが、台風接近で大雨になる恐れがあります。ゲリラ雷雨シーズンの後も、雨による災害に注意してください。

“ゲリラ雷雨”発生回数の求め方

 “ゲリラ雷雨”をもたらす雷雲は、予測可能な前線による雨とは別で、“突発的”かつ“局地的” に発達し、事前に予測することが難しいのが特徴です。また、限られた数しか設置されていないアメダス(全国約1,300箇所)では、全ての降雨を正確に観測することは困難です。当社では、全国850万人以上の利用者からなる降雨報告(※)において、“ザーザー”以上の強い雨 (5段階中の2番目以上に強い雨)が報告され、かつ、過去1時間に雨の報告が2割以下の場合を “ゲリラ雷雨”とし、10kmメッシュごとにカウントしています(ただし、前線等の影響による雷雨を除く)。なお、昨年の発生回数は7月15日~9月30日の期間で算出しています。 ※)降雨報告はスマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」を通し、“ポツポツ”,“パラパラ”,“サー”,“ザーザー”, “ゴォーー”の5段階で報告されます。

“ゲリラ雷雨”傾向について

 当社では、長期気象予測サービスの実用化に向けて日々取り組んでいますが、現在の気象予測の技術水準では予測精度の誤差が大きくなる場合があります。この度の“ゲリラ雷雨”の傾向発表は、気象機関や長期予報の有識者の複数の見通しをもとに、総合的に見解を出しています。本リリースにおける情報は、発表日における最新見解で、7月15日~9月30日までの期間を対象としています。