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12月5日〜6日、北陸・中四国の大雪について
12月上旬としては異例の積雪、海水温と最強寒波が影響
~ 今週末は再び寒波到来、日本海側は大雪に要注意 ~
2014年12月5日~6日にかけて、強い冬型の気圧配置の影響で上空に非常に強い寒気が流れ込み、北海道から東北、北陸、中四国でこの時期としては異例の大雪となりました。12月上旬に大雪となった理由としては、平年より高い海水温と上空の強い寒気によって日本海を中心に海上で雪雲が発達したこと、さらに、日本海上では風向の異なる冬型の季節風が合流して上昇気流が発生し、雪雲が発生発達し続けたため、同じような地域で断続的に強い雪を降らせたと考えられます。また、株式会社ウェザーニューズ(所在地:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、二十四節気「大雪(たいせつ)」を迎えた12月7日、今の“季節感”を10,871人と調査しました。結果、昨年の12月7日と比べて「冬本番」と感じている人は2倍以上となりました。この時期としては異例の寒気が流れ込み、昨年の同じ時期より気温が下がっていることを体感しているようです。今週末には再び冬型が強まり、次の寒気も流れ込むため、引き続き日本海側を中心に大雪への注意が必要です。
中四国の大雪解説
2014年12月5日から6日かけて、日本付近は強い冬型となり、上空の非常に強い寒気(高度約3,000mで-18℃以下)が流れ込みました(図1)。さらに、日本海の海水温も平年より1~1.5℃高かったため(図2の点線枠内)、日本海や瀬戸内海では、空気中の水蒸気量が多くなり、雪雲が発達しやすい状況でした。そして、これらの雪雲が西北西の風に乗って、中国山地の安芸太田町や北広島町、四国山地の三好市や佐那河内村など同じ地域に流れ込み続けたことで(図3、図4)、各地で大雪となりました(図5)。四国の中でも徳島県の山間部で積雪量が多くなった理由としては、徳島県から見て西北西に開けたところに瀬戸内海が位置しているため、瀬戸内海で発生した雪雲が西北西の風に乗って徳島県へ流れ込みやすくなっていたと考えられます。
今後の中四国の天気傾向
12日以降、日本付近は再び冬型の気圧配置となり、今回と同程度の強い寒気が流れ込んでくる見込みです。このため、13日から14日にかけては日本海側中心に雪雲が流れ込みやすくなります。中国山地や四国山地では大雪に注意が必要です。
徳島県から寄せられた報告
広島県から寄せられた報告
北陸の大雪解説
2014年12月5日から6日かけて、日本付近は強い冬型となり、上空の非常に強い寒気(約5,500mで-36℃以下、約3,000mで-18℃以下)が流れ込みました。日本海の海水温も平年より1~1.5℃高かったため、日本海で空気中の水蒸気量が多くなり、雪雲がより発達しやすい状況でした。また日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)による強い雪雲が北陸地方にかかり続けたため、北陸地方では大雪となりました。
今後の北陸の天気傾向
12日以降、日本付近は再び冬型の気圧配置となり、強い寒気が流れ込んでくる見込みです。このため、13日から14日にかけては日本海側中心に大雪に注意が必要です。特にJPCZのかかる位置によっては、新潟県でも大雪となる可能性もあります。
北陸から寄せられた報告
昨年同日より「冬本番」と感じている人が2倍以上!
ウェザーニューズは今の季節感を調査するため、12月7日、暦の上では冬本番に突入した二十四節気「大雪(たいせつ)」の日に、スマホアプリ『ウェザーニュースタッチ』内のウェザーリポーターに“今の体感を季節感に例えると?”と質問し、「冬本番」「冬のはじめ」「秋のおわり」「秋本番」から選択してもらいました。全国10,871人から寄せられた回答を集計した結果、「冬本番」と感じていた人が56%、「冬のはじめ」が43%、「秋のおわり」が1%、「秋本番」が0%となり、「冬本番」と感じている人が半数以上となりました。昨年の12月7日の同調査では、「冬本番」が17%、「冬のはじめ」が70%、「秋のおわり」が11%、「秋本番」が2%であったことから、昨年と比べて「冬本番」だと感じている人が2倍以上であることが明らかになりました。理由として、この時期としては異例の寒気が広い範囲に流れ込み、昨年の同日と比べて気温が低い地域が多いことが挙げられます。