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ウェザーニューズ、全国1.4万人を対象に今年の“紅葉の振り返り調査”を実施
今年の紅葉はイマイチ?色づきがあざやかだと感じた人の割合は昨年より減少
最もイマイチ率が高いのは長崎県で3割!四国と九州では色づきが悪いと感じる人が多かった
株式会社ウェザーニューズ(所在地:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、今年の気象条件が紅葉のあざやかさにどのような変化を与えたか調査するため、全国のウェザーリポーターの協力のもと、11月14日に北日本、11月28日に東日本と西日本で “紅葉の振り返り調査”を実施しました。本調査結果は、沖縄を除く14,390人のウェザーリポーターの回答をもとにまとめたものです。結果、今年の紅葉に対して、回答者の46%に相当する6,618人が「とてもあざやか」または「あざやか」と回答しました。同様に調査した2012年の結果(63%)と比較したところ、色づきがあざやかだと感じた人の割合が約20ポイント減少していることが明らかになりました。また、色づきが「イマイチ」と回答した都道府県トップ5は長崎、宮崎、高知、岩手、鹿児島となり、四国と九州地方では2 割の人が「イマイチ」だと感じていることがわかりました。一方、色づきがあざやかだった都道府県は、1位滋賀、2位山梨、3位岐阜、4位京都、5位奈良となり、近畿地方では5割以上の人が「とてもあざやか」または「あざやか」と感じていることがわかりました。ウェザーニューズでは、紅葉シーズン前の9月28日〜30日に、街路樹の“葉っぱ調査” を実施し、葉の健康状態を調査しました。その結果、全国的には健康なものの、九州や中国・四国地方から、今夏の猛暑や少雨が影響して葉が痛んでいるという報告が多く寄せられ、今回の“紅葉の振り返り”調査とも関係性がみられる結果となりました。さらに、色づきのスピードが例年と比べてどうだったか調査したところ、全国的に平年並であるが、関東ではやや早いという結果となりました。ウェザーニューズは、本解析結果を「ウェザーニュースタッチ」内で公開するともに、今後のサービスに活かしていきます。
今年の紅葉は「イマイチ」率が昨年より増加
~最も「イマイチ」率が高かったのは長崎県で29%~
ウェザーニューズは、今年の紅葉の色づきをどのように感じたか調査するため、スマホアプリ『ウェザーニュースタッチ』内のウェザーリポーターに“今年の紅葉どうだった?”と質問し、4つの選択肢「とてもあざやか」「あざやか」「まあまあ」「イマイチ」から選んで解答してもらいました。全国14,390人から寄せられた回答を集計した結果、「とてもあざやか」と感じていた人が10%、「あざやか」が36%、「まあまあ」が41%、「イマイチ」が13%となりました。「とてもあざやか」と「あざやか」の回答を合わせると46%の人があざやかであったと感じていますが、2012年の調査では63%の人がとてもあざやか・あざやかであると回答していたことから、昨年の紅葉の方が今年よりあざやかであ ったことがうかがえます(2012年の調査結果:「とてもあざやか」が21%、「あざやか」が42%、「まあまあ」が30%、「イマイチ」が7%)。
また、「イマイチ」の割合が大きい都道府県トップ5は長崎、宮崎、高知、岩手、鹿児島でした(*最終ページの「都道府県別 色づきあざやかランキング」を参照)。エリアごとでは、四国と九州地方の割合が最も高く、回答者の約2割(21%)が「イマイチ」だと感じていることがわかりました。一方、「とてもあざやか」または「あざやか」の割合が大きい都道府県トップ5は1位滋賀、2位山梨、3位岐阜、4位京都、5位奈良となり、「とてもあざやか」の割合が特に多かったのは京都と滋賀でした。エリアごとでは近畿地方(52.6%)や甲信地方(52.1%)の割合が高く、回答者の5割以上の人が「とてもあざやか」または「あざやか」と感じていることがわかりました。近畿や甲信地方では比較的あざやかであったものの、四国や九州地方ではいまひとつであったと言えそうです。
◆ 紅葉シーズン前の調査でも、中国・四国や九州地方は「イマイチ」だった!?
ウェザーニューズは、紅葉シーズン前に葉の状態を把握して紅葉予想に活かすため、日本花の会 樹木医の和田博幸さんご協力のもと、9月28日〜30日、スマホアプリ『ウェザーニュースタッチ』内のウェザーリポーターに、色づきに関係する要因である“葉の大きさ”、“葉の色”、“葉のかたち”、“虫食い”の4項目について、身近で紅葉する街路樹(桜、ケヤキ、プラタナス、クヌギ、モミジ等)の観察を依頼しました。結果、葉の大きさ、色、かたち、虫食いの全ての項目において全体的には問題がなかったことから、色づきに大きな影響はないと考えられました。しかし、エリアごとでは、九州地方で葉の大きさと色でやや悪い傾向を示していたことに加え、中国・四国地方では葉の大きさに問題があり、一部の地域で色づきに不安が残る結果となりました。葉にダメージを与えた気象要因としては、7月から太平洋高気圧・チベット高気圧の影響を強く受けた西日本で高温が続き、雨が少なくなったことが考えられます。また、10月には台風が3つ接近し、特に26号は全国で強い風をもたらしました。関東や東北では暴風レベルとなり、葉がこすれ傷んだ結果、色付きが悪くなった可能性も考えられます。
◆ 色づきの時期は全国的に平年並みだが、関東は平年より早い色づき!
全国の色づき実況を集計した結果、全国の大多数が平年並みとなりました。しかし、エリアごとでは東北・甲信・中国地方などで「やや遅い」傾向が見られました。一方で、関東では「やや早い」結果となりました。
また、色づきの速度には秋の冷え込みが大きく影響することから、本格的な紅葉シーズンである10〜11月の気温の変動を振り返りました。10月上旬は、太平洋高気圧が真夏の時期程度に強まり、九州~東北地方で平年を大きく上回る高温となりました。フェーン現象も加わり、糸魚川市では最高気温が35℃を超す猛暑となりました。その結果、例年は10月中旬〜下旬に見頃を迎える地域の色づきに遅れが発生したと考えられます。しかし、台風27号通過後の寒気流入により、気温が一気に平年並みに低下したことで、遅れていた色づきが進み出しました。10月下旬〜11月中旬はほぼ平年並みの気温となり、東日本や西日本の平野部でも順調に色づきが始まりました。また、11月中旬には冬型の気圧配置によって真冬並みの寒気が流入し、気温が平年よりも大きく低下したため、東日本や西日本の平野部で色づきが加速し、関東ではやや早く色づいたと考えられます。
「早い」・「遅い」は、平年(2004年〜2012年)と比較して10日以上の差がある場合、「やや早い」・「やや遅い」は5日以上の差がある場合、「並み」は4日以内の差である場合と定義しています。なお、「色づき時期の平年比較」は、過去5年以上の記録がある698地点の名所を対象とし、算出しています。
エリアごとの特徴
北海道 | 台風20号(9月26日)や27号(10月16日)が北日本の東岸を通過。寒気が引き込まれ、気温が低下し、色づきや落葉を進めました。 |
東北 | 10月上旬は太平洋高気圧が強まり、異常な暖かさとなりました。この時期は東北では例年色づきが始まる時期と重なっていたため、今年は色づきが遅れた場所が多くなりました。しかしその後、台風27号(10月16日)によって引き込まれた寒気や、台風通過後の冷たい北東風の影響でようやく気温が下がり、10月下旬からは色づきが進みました。 |
関東 | 10月上旬に強まった太平洋高気圧の影響で、色づき時期が10月中旬〜下旬となる関東北部の山では色づきの時期が遅くなりました。一方、11月中旬から見頃となる関東の平野部では、逆に色づきが早まりました。色づきの早まりには、11月中旬の(真冬並みの)寒気が大きく影響していると考えられます。 |
中部 (甲信・東海・北陸) |
例年10月に見頃を迎える甲信・北陸ですが、10月上旬の高温が影響し、色づきがやや遅れました。東海は11月に見頃を迎える場所が多く、10月上旬の高温の影響はそれほど大きくありませんでした。10月中旬以降(特に11月)は平年並みか平年以上に冷えた日があり、順調に色づきました。 |
西日本 | 例年10月下旬に見頃を迎える中国山地周辺では、やや色づきが遅くなりました。原因として、10月上旬に強まった太平洋高気圧による高温が影響していると考えられます。その他の地域は11月に見頃を迎え、色づき時期は多くの地域で例年並みとなりました。 |