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ウェザーニューズ 2013年の「ゲリラ雷雨傾向」発表
“ゲリラ雷雨”発生回数、昨年比で全国平均3.5倍増の見込み
~ 全国的に8月上旬~中旬に多発する傾向で、九州、四国、東北では昨年比で5倍増の予想も ~
株式会社ウェザーニューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、突発的かつ局地的に大雨や雷をもたらす“ゲリラ雷雨”に対し、事前対策への意識を高め、被害軽減に繋げるため、7月~9月における“ゲリラ雷雨”の発生傾向を発表しました。突然の激しい雷雨をもたらす雨雲は、局地的に急発達しますが、既存の気象観測機では、スケールの小さい気象現象を捉え、予測することが困難と言われています。全国で“ゲリラ雷雨”に起因する災害が起きていますが、“ゲリラ雷雨”の発生が多くなるこの時期、一人ひとりが災害に対する意識を高め、被害軽減に繋げることが必要とされています。
“ゲリラ雷雨”の発生傾向
“ゲリラ雷雨”は、大気の状態が不安定な時に、地上付近での局地的な加熱や、地上風の収束などによって上昇気流が発生し、そこで積乱雲が急発達することによって発生します。
昨年2012年は、太平洋高気圧が強弱を繰り返す中で、勢力が弱まり寒気が流れ込んだお盆休みの頃をピークに、“ゲリラ雷雨”の発生回数が多くなりました。高気圧が北~東日本を中心に強まり、西日本方面に暖かく湿った空気が流れ込んだため、近畿・東海エリアを中心に“ゲリラ雷雨”が多発しました。これにより、道路冠水や浸水被害、落雷被害などが都市部でも発生しました。北~東日本でも高気圧の勢力が弱まったお盆の頃を中心に“ゲリラ雷雨”が発生しました。しかし、8~9月は高気圧の中心が東に偏った傾向があったため、北日本を中心に記録的な残暑となり、北海道〜関東地方では全国的に見ると、発生数は少ない傾向になりました。また、九州など西日本の太平洋側は曇りや雨の日が多く、“ゲリラ雷雨”の発生数が少ない傾向にありました。
今年の“ゲリラ雷雨”シーズンは、太平洋高気圧の勢力によって“ゲリラ雷雨”の発生回数が増減する見通しです。7月上旬は高気圧の勢力が強く、西日本を中心に晴れて非常に暑い日が続きましたが、いったん高気圧の勢力が弱まっている現在は“ゲリラ雷雨”発生数が多くなっています。今後は再び高気圧が強まる予想で、7月下旬~8月はじめにかけて“ゲリラ雷雨”は発生しにくくなる見通しですが、8月上旬~中旬は再び“ゲリラ雷雨”発生数が多くなりそうです。また、今年も8月下旬〜9月前半は高気圧が強まり厳しい残暑となり、“ゲリラ雷雨”発生数はいったん少なくなる予想です。9月も“ゲリラ雷雨”が発生する日があるものの、後半は台風や前線の影響を受ける日が増える傾向にあり、“ゲリラ雷雨”ではないものの、強い雨には注意が必要となります。
今年の“ゲリラ雷雨”発生数は、全国的には昨年2012年より多くなる予想で、全国平均では昨年の約3.5倍となる見通しです。また、昨年同様、急激に発達する積乱雲により、道路冠水や浸水被害、落雷被害などが発生する可能性があるため、注意が必要です。
エリアにおける7月下旬以降の“ゲリラ雷雨”発生傾向
北日本 | |
7月中旬は梅雨前線などの影響で、“ゲリラ雷雨”は発生しにくい状況です。7月下旬には東北南部から次第に梅雨明けしそうです。梅雨明け直後は雲の発達を抑える高気圧が強く、“ゲリラ雷雨”は発生しにくくなりそうですが、8月前半にはいったん高気圧の勢力が弱まることにより“ゲリラ雷雨”が発生しやすくなり、ピークを迎える予想です。昨年は8月下旬から高気圧の勢力が強まり、非常に厳しい残暑となって“ゲリラ雷雨”も発生しにくくなり、シーズンを通してのゲリラ雷雨発生数が少ない傾向になりました。今年は昨年に比べると“ゲリラ雷雨”の発生数は多くなり、3~5倍程度となる予想です。 |
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東日本 | |
今年は梅雨明けが早く、梅雨明け直後は高気圧が強まり、猛烈な暑さとなりました。現在はいったん高気圧が弱まって、“ゲリラ雷雨”が発生しやすくなっています。今後は再び高気圧が強まるタイミングがあるものの、8月前半には再び勢力が弱まり、ゲリラ雷雨が頻繁に発生するようになる見通しです。その後、9月になっても“ゲリラ雷雨”が多くなる日がありますが、9月後半には台風や前線の影響を受けて、次第に“ゲリラ雷雨”の発生数は少なくなっていく見通しです。 |
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西日本 | |
今年は梅雨明けが早く、梅雨明け直後は高気圧が強まり、猛烈な暑さとなりました。現在はいったん高気圧が弱まって、“ゲリラ雷雨”が発生しやすくなっています。今後は再び高気圧が強まるタイミングがあるものの、8月前半には再び勢力が弱まり、“ゲリラ雷雨”が頻繁に発生するようになる見通しです。その後、9月になっても“ゲリラ雷雨”が多くなることがありますが、9月後半からは台風や前線の影響を受けて、次第に“ゲリラ雷雨”の発生数は少なくなっていく見通しです。 |
“ゲリラ雷雨”発生回数の求め方
“ゲリラ雷雨”をもたらす雷雲は、予め予測可能な前線による雨とは別で、“突発的”かつ“局地的” に発達し、事前に予測することが難しいのが特徴です。また限られた数しか設置されていないアメダスでは、全ての降雨を正確に観測できないのが現状です。当社では、全国500万人以上の利用者からなる降雨報告において、“ザーザー”以上の強い雨 (5段階中の2番目以上に強い雨)が報告された中で、前線等の影響による雷雨(事前予測ができていた雨雲)を除き、当日の朝の時点で予測できていなかった 雷雨を“ゲリラ雷雨”とし、10kmメッシュごとにカウントしています。昨年2012年の発生回数は8月3日~9月30日の期間で算出しています。
“ゲリラ雷雨”傾向について
当社では、日々、長期気象予測サービスの実用化に向けて取り組みをおこなっていますが、現在の気象予測の技術水準では、予測精度の誤差が大きくなる場合があります。この度の“ゲリラ雷雨”の傾向発表にあたり、気象機関や長期予報の有識者の複数の見通しを元に、総合的に見解を出しています。本リリースにおける情報は、発表日における最新の見解です。また、今年の見通しは、7月下旬~9月末までの期間を対象としています。