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ウェザーニューズ、2013年の北極海の海氷傾向発表
海氷域面積は過去最小、 北東・北西航路とも史上最も早く開通の見込み
2013年の北極海の海氷傾向発表。海氷域面積は過去最小となる見込み
株式会社ウェザーニューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)のGlobal Ice Centerは、2013年の北極海の海氷傾向を発表しました。
2013年も海氷の融解が近年同様早いペースで進み、過去最小の海氷域面積となる見込みです。また、北極海航路に関しては、ロシア側の北東航路は7月下旬ごろ、カナダ側の北西航路は8月上旬ごろからと、共に史上最も早く開通する可能性があり、航海距離の短縮や燃料消費・CO2排出量の削減などの面から、今年も船舶の商業航行が活発化すると見られています。今後、Global Ice Centerでは、北極海と北極海航路に関する最新情報をGlobal Ice Centerウェブサイト(https://www.weathernews.com/GIC/)を通じて発表していきます。
2013 年の北極海の海氷の状況と見通し
地球温暖化の影響で、北極海の海氷は早いペースで融解が進んでいます。夏の海氷域面積は年々減少する傾向にあり、昨年の夏は観測史上最小の面積(約350万km2)を記録しました。2013年6月現在、北極海の海氷域面積は約1000万 km2で、この数年と同じ程度の勢いで減少しています。また、現在の海氷分布(図)を見ると、既にシベリア沿岸付近の各所で海氷が開け、海面が現れ始めているのがわかります。東京大学山口研究室の解析(※注)によると、今年の春までの北極海沿岸の海氷の流動が平年よりも大きいことから、今後の融解が進みやすい状況にあると考えられます。そのため、9月には昨年の面積を更に下回り、最小面積記録を更新する可能性もあります。また、7月下旬には北極海シベリア沿岸が開け、北極海北東航路(シベリア側、図の赤線)が開通する見込みで、その場合、北極海航路の開通としても史上最速となります。また、北極海北西航路(カナダ側、図の青線)も8月上旬には開通するものと予想されます。
※詳細は東京大学山口研究室のサイト(https://www.1.k.u-tokyo.ac.jp/YKWP/2013arctic.html)をご参照ください。
ウェザーニューズの北極海航路支援への取り組み
北極海の商業利用への注目が高まる中、2008年より始動したGlobal Ice Centerでは、北極海をはじめとする全世界の海氷のモニタリングと海氷の予測を行っています。2011年には、北極海を航行する船舶に向けて安全な航行を支援するPolar Routeingサービスの提供を開始し、今年もサービスを提供する予定です。また、さらに詳細な海氷を観測するために打ち上げる、独自の超小型衛星『WNI衛星』の開発が完了しています。
今後、Global Ice Centerでは、世界の海氷のモニタリングを続けるとともに、極域を航行する船舶へのきめ細かいサポートを続けていきます。