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全国の桜の健康状態をチェックした「桜健康診断2013」速報結果発表
今年の桜、花の数が昨年より2割減で健康状態が悪化傾向に
~北日本・日本海側で昨夏の高温少雨の影響を受け、昨年よりも健康状態がダウン~
株式会社ウェザーニューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、日本の春の象徴である桜を病気から守り、美しい桜が楽しめるよう、全国規模で桜の健康状態をチェックする「桜健康診断2013」の結果(沖縄を除く)をまとめ発表しました。「桜健康診断2013」は、スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」と携帯サイト「ウェザーニュース」で展開する「さくらプロジェクト2013」内で実施し、全国のウェザーリポーターと共に3月~5月の間で桜の健康状態を調べました。診断は、身近な桜の花数や桜の咲き方、幹、樹皮などの状態について選択式で答えていただき、入力された情報をもとに桜の状態を優良から生育不良の4段階で診断しました。全国約13,000人を超える参加者と診断した結果、今シーズンは39都府県で健康状態が“優良”、7県で“正常”となり、生育不良のエリアはなかったものの、昨シーズンと比較すると、全国的に桜の健康状態がやや悪化していることが分かりました。特に、北日本や日本海側のエリアほど健康度が低い傾向にありました。ウェザーニューズでは、今後も桜の健康状態に目を向け、全国の方と春の象徴とも言える桜を見守っていきます。
※「桜健康診断2013」は、日本花の会:主任研究員の和田博幸さんの協力のもとに行ないました
日本の桜、全国的に昨年より健康状態がダウン
~桜の健康度、最も高いのは徳島県、最も低いのは秋田県~桜の健康診断は、桜の木の下で“日当たり”、“樹形”、“花の咲き方”、“幹の状態”、“樹皮の状態”、“花数の状態”を観察し、それぞれの状態を携帯サイトの選択肢の中から選びます。各項目の回答結果を数値に置き換え、総合した結果をもとに、桜の状態を“優良(1.00~1.75)”、“正常(1.76~2.50)”、“やや生育不良(2.51~3.25)”、“生育不良(3.26~)”の4段階で診断しました。その結果、今シーズンは“優良”が全体の49%、正常が47%、やや生育不良が3%、生育不良が1%となり、全国平均の数値は、昨シーズンよりも0.12ポイント上がり(数値が低いほど健康)、“優良”から“優良(—)”へと健康状態が悪化した結果となりました。特に、北日本や日本海側(北陸〜山陰)では、福井県と島根県を除いたほとんどの県が30位以下となり、今シーズンは北日本や日本海側ほど桜の健康度が低いことが分かりました。
※沖縄県は、桜の開花シーズンが異なるため診断を実施しておりません。
北日本・日本海側を中心に、花の数が昨年より2割減
各都道府県の健康状態を詳しくみていくと、“花数の状態”に大きな変化があり、健康状態にも影響が出ていることが分かりました。「1つのつぼみにいくつの花が咲いていますか?」と聞いたところ、今シーズンは“3〜4個”が最も多く63%、続いて“5個以上”が27%、“2個”が7%、“1個”が3%という結果になり、全国平均は3.73個となりました。昨シーズンは“5個以上”が69%と最も多く、全国平均は4.45個だったことから、今シーズンは花の数が全国平均で20%減少していることが分かりました。
各都道府県の花の数をマップでみていくと、全国平均3.37個より花の数が少なくなった県は、北日本や日本海側(北陸〜山陰)に集中していることが分かります。
この要因の一つとして、昨年、北日本や日本海側では、花芽が作られる夏に暑さが続いたことが考えられます。昨年の夏は、高気圧が北日本の東の海上にあることが多かったため、北日本は晴れる日が続いて猛暑となりました。また、暖かい南風が吹きやすく、フェーン現象が発生し、日本海側も暑い日が続いた夏となりました。この「高温少雨」が桜の生長に影響を与え、花の数が少なくなったのかもしれません。
今回の診断結果では、昨シーズンよりやや健康状態が下がったものの、生育不良のエリアはありませんでした。ただ、桜は傷つきやすく、環境の変化に弱い植物です。最近では、カビの一種が原因の伝染病である「てんぐ巣病」や木を腐らせる「ベッコウダケ」や「コフキサルノコシカケ」などのキノコが発生する病気が見られる桜もあり、定期的に桜の健康状態を確認する必要性が求められています。ウェザーニューズでは、今後も春に元気できれいな桜が見られるよう、全国の方と共に桜を見守り続けていきます。