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関東で記録的なスピード開花となった今年の桜の生長に迫る!
今年の桜の生長スピード、平年の約2.4倍速かったことが判明
~通常22日かかる開花までの生長期間が、今年はわずか9日で開花~
株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、関東で記録的なスピード開花となった今年の桜が、例年と比べてどのくらいのスピードで生長したのかを分析し、その結果を発表しました。サポーターから寄せられた写真とコメントから分析を行った結果、今年の桜の生長スピードは、平年の約2.4倍、昨年の約3倍速かったことが判明し、弊社予報センターの見解を上回る、約2倍のスピードで生長していたことが分かりました。本まとめは、スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」にて公開しています(携帯サイトは近日公開予定)。ウェザーニューズでは、今後もウェザーリポーターと共に桜の変化を追いかけ、地球環境について考えながら、日本の春の象徴である桜をより多くの方と楽しめるよう取り組んでいきます。
3月の高温期前後における桜の開花予想と開花状況に関する検証結果
3月10日(日)、東京では史上最早で最高気温が25℃以上になり、記録的な暖かさとなりました。この異例の暖かさによって、桜のつぼみがどの程度予想を上回る生長をみせたのか調べるため、3月8日時点の桜の開花予想日と、実際に開花した日との間で何日違いがあったのかを比較しました。東京のお花見名所の一つである上野公園の開花日を比較したところ、3月8日時点の開花予想日は3月25日、実際の開花日は3月18日となり、予想よりも7日早い開花となったことが分かりました。また、東京全体の開花シーズンインについて見ていくと、3月8日時点の予想日は3月30日でしたが、実際には3月17日に開花シーズンに入りました。これまでの知見から、3月8日時点のつぼみの状態から開花シーズンインまでは、通常22日間必要ですが、今年はわずか9日で開花シーズンインとなり、例年より13日も早かったことが分かりました。つまり、今年の桜の生長スピードは、予想の約2倍、平年の約2.4倍の早さとなったことが判明しました。
ウェザーリポートから捉えた桜の異常生長と予報修正の軌跡
桜の異常生長に伴う予報修正の流れを、ウェザーリポートと共に時系列形式で振り返りました。
予報センターが今年の桜の生長の進み具合の異変に気付いたきっかけは、3月11日(月)に九州から寄せられたリポートで、桜が異常なまでの急生長をしている様子が捉えられました。宮崎県日向市から寄せられたリポートを見ると、3月8日時点では「(つぼみの)先が緑に」という状態でしたが、3月11日には「花びらが見えた」というリポートが届きました。「先が緑に」の状態から「花びらが見えた」まで生長するのに、通常は19日かかるはずですが、今年はわずか3日で生長しました。そこで、ウェザーニューズ予報センターの桜担当は、3月12日に開花予想日の修正を行い、九州の開花予想日を約4日早め、翌13日には関東南部の開花予想日を約4日早めました(例:九州の舞鶴公園3/20→3/17、東京の上野公園3/25→3/20)。しかし、九州の舞鶴公園では、さらに4日早い3月13日に開花し、東京の上野公園では大幅に早めた予想よりも2日早い3月18日に開花となりました。桜の開花予想を長年担当する予報センターの桜担当さえも、その変化に追いつくことができないほどの生長スピードとなりました。
つぼみの生長スピード、昨年の約3倍早かったことが判明
記録的な暖かさによってつぼみの生長スピードがどれほど早まったのかを明らかにするため、東京のつぼみの生長割合を昨年のものと比べて振り返りました。記録的な高温が続いた3月8日~10日より前の3月7日のつぼみの状態をみると、「先が黄色に」が48%と最も多く、続いて「まだ小さく硬い」が39%、「先が緑に」が13%でしたが、3日後の3月10日には「先が緑に」が55%を占めるまでつぼみが生長しました。
昨年のデータから、今年の3月7日と10日のつぼみの状態と同じ生長具合だった日を調べると、昨年では3月12日と3月22日のつぼみの状態が大体同じくらいだということが分かりました。
つまり、昨年は10日かかった生長過程を、今年はわずか3日で遂げていたことになります。このことからも、異常な暖かさがいかに生長を早めていたかが分かります。
ウェザーニューズが桜の開花予想を始めてから早10年となり、開花直前に、これほど大幅な修正したのは初めてとなりました。桜のつぼみが、これまで築いてきたロジックに当てはまらない生長をみせたのも初めてであり、こんなに桜が早く咲いたのも初めてと、異例尽くしの今年の桜の季節となりました。そんな中、全国400万人のサポーターから寄せられるリポートによる後押しがあったからこそ、予想を修正することができ、最新の情報を伝えていくことができました。机の上では算段できない現象は、サポーターの目による“感測”が欠かせません。今年の異常生長は10年に一度の事なのか、それとも、今後当たり前になっていく事なのか、現時点では分かりませんが、今年のこの事例をしっかり踏まえ、来年以降の開花予想をさらに進化させる『新桜開花予想』のロジックをサポーターの皆さんと作りあげていきたいと思います。