株式会社ウェザーニューズ（本社：東京都港区、代表取締役社長：草開千仁）は、3月1日（金）、お天気マガジン『季刊SORA』2013春号の発売を開始しました。『季刊SORA』は、より多くの方に天気や自然と親しみ、その変化を五感で感じていただくため、どの年代でもわかりやすく、親しめる内容になっています。春号では、甚大な被害をもたらした東日本大震災を振り返った「平成大津波の教訓」について特集を組んでいます。震災から2年が経ち、これまでに何が分かり、得た教訓を後世に伝えるためにはどうすればいいのか、専門家による調査結果や被災地で実施している防災教育の知恵と合わせて解説していきます。さらに、春号では「脳と気象」と題した特別寄稿や、室町時代から伝わる本葛の伝統、ウェザーリポーターから寄せられた春を切り取った色あざやかな写真を紹介します。一足早く春の雰囲気を楽しむことができ、様々な角度から季節や自然を感じることができます。

東日本大震災から2年、大津波の検証結果から学ぶ“平成大津波の教訓”

千年に一度と言われる巨大地震と大津波が発生し、各地に甚大な被害をもたらした東日本大震災から2年、春号の特集では、平成大津波の教訓として被害の検証や津波研究からこれまでに何が分かったのか、また、その教訓を生かし、後世に伝えるために実施している取り組みについて3部に分けて紹介しています。
第1部では、都市型複合災害の参考例として注目されている、宮城県多賀城市を襲った津波被害の状況を検証します。その結果、多賀城市では津波が海の方向だけでなく、道路を水路代わりにして思いがけない方向から迫ったことで多くの被害者が出たほか、工場地帯の近隣では水の水圧に加え、流失した車や建物などが押し寄せて家屋を破壊したことが分かりました。当日何が起き、どのような被害をもたらしたのか、多賀城市職員へのインタビューを交えながら、都市部を襲う津波の特徴や被害拡大の原因について分かりやすく解説します。
第2部では、最新の津波研究から分かった沿岸部の環境と津波の威力との関係や、津波対策の効果と今後の課題についてインタビュー形式で紹介していきます。従来の津波対策で効果があった点や改善が必要な点、当時の状況を振り返り、国レベルの取り組みから個人のレベルまで、これからできる津波への備えについて考えていきます。第3部では、“後世に伝える”をテーマに、「釜石の奇跡」と呼ばれるほど多くの子ども達の命を救った、岩手県釜石市の防災教育にこめられた3つの知恵について検証します。地域を巻き込んだ釜石市の取り組みから、いつ発生するか分からない巨大地震や津波への備えを学んでいくことができます。

五感と伝統を継承　－室町時代より伝わる日本人の“山の精”、「吉野本葛」－

奈良県宇陀市にある森野吉野葛本舗は、葛澱粉だけを原材料とした混じりけのない本葛にこだわり、約450年前から変わらぬ製法で生産・販売を続けています。近年では、葛掘り職人の高齢化などにより人手が減り、その希少価値がさらに高まっています。森野吉野葛本舗の19代当主夫人によると、この土地ならではの冷え込みと純粋に近い水質が、真っ白で澄明な色をした葛づくりにもってこいと言います。このコーナーでは、森野吉野葛本舗に密着し「吉野本葛」ができる過程、受け継がれた伝統を紹介していきます。

そのほか、サポーター投稿企画としてウェザーニューズの会員の方から寄せられた写真などを紹介しています。枯れ葉の中から頭を出したふきのとうや桜のトンネル、花に囲まれて食事を楽しむメジロなど、春の息吹に満ちた色あざやかな写真を楽しむことができます。

日本の“空”や“自然”をみんなで楽しむ『季刊SORA』

『季刊SORA』は、季節ごとに移り変わる各地の自然や天気を感じて、これから迎える季節をより一層興味深く感じていただくために作られています。科学的に気象を予測する数値予報技術が発達した今、昔から人々の中で行われてきた観天望気（空や雲の動きを観察することによって天気を感じ予測すること）の機会が減っています。『季刊SORA』は、季節を代表する雲の様子や、めったに目にすることのできない自然現象などについて、その“読み方”、“感じ方”をわかりやすく解説したり、季節ごとに起こる災害の事前対策に役立てる情報を、読者や当社のスマートフォンアプリ「ウェザーニュースタッチ」、携帯サイト利用者と共に伝え合うことにより、天気や自然に関する“五感”を鍛えることを試みています。また、読者から空の写真の寄稿を募ったりする読者投稿企画も多数予定しており、投稿された各地の空の写真などは随時紹介していきます。