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気象予測技術でエネルギー業界のCO₂削減を支援
気象の確率予報で予備力の削減に挑戦

[公開] 2022年02月25日

電力業界のCO₂削減には、再エネの利活用の最大化がカギとなります。再エネ利用拡大には、様々な課題がありますが、なかでも発電量が天候に左右されることは安定供給の観点から大きな課題として挙げられます。

発電の際は、安定供給と発電ロス削減のため、まず需要量を予測してから供給量を調整します。発電計画の元となる需要予測では、気温変化に応じて暖房や冷房の電気使用量が変動するなど、天候条件が大きな要素のひとつです。気象予測を織り込んだ需要予測のもと、供給量を調整していくことが求められますが、再エネの場合には天候によって供給量が左右されます。例えば、太陽光発電の場合、予報では晴天だったが、実際には日射量が想定よりも不足し、必要な供給量を準備できないことがあります。
このような事態を防ぐため、予め余分に火力発電で電力を準備する必要があり、これを「予備力」といいます。

電力会社は、需給予測が外れた場合や何等かのトラブルに備えるため、火力発電の総発電量に対して8-10%を予備供給とし、108%-110%の発電を実施します。その際、もし需給予測の信憑性が高ければ、予備力を5%に抑えることが可能となります。また、この予備力は、抑制すればするほどCO₂削減にも繋がります。

ウェザーニューズは、予備力削減によるCO₂削減を実現するために、これまでのダイレクト予報に加えて確率予報を提供しています。ダイレクト予報では、「最高気温が25度」という情報のみであるのに対し、確率予報では、「最高気温25度になる確率が85%」という情報になります。
確率まで含めた予報を提供することで、自信をもって発電計画を作成することができるため、予備力削減には予報確度を明示することが重要となります。
ICT技術の発展により、昨今は様々な分野において、気象データの活用を試みやすい社会になってきています。また、カーボンニュートラルという世界的な目標に対して、リスク面が大きく取り上げられている一方で、そのリスクをどう回避するのかという観点で新しいビジネスが生まれつつあります。
ウェザーニューズでは社会の変化に対応しながら気象予測提供における新たな価値創造を推進し、企業の事業利益最大化と環境負荷低減の両方を可能とする仕組み作りに取り組んでまいります。
環境気象事業部エネルギー担当 武田 恭明



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