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今年の台風はどうなる?ウェザーニューズ、2017年『台風傾向』を発表

【台風傾向2017】7~8月は沖縄方面へ、9~10月は関東に接近の恐れも

~台風発生数は平年並の27個前後の予想、9月をピークに10月まで多い見通し~

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 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、2017年の『台風傾向』を発表しました。今シーズンは、太平洋高気圧の西への張り出しが例年に比べるとやや強まるため、台風が発生した場合、7~8月は沖縄から中国大陸へ向かう進路が多くなりそうです。9月以降、偏西風が南下してくると、台風は東シナ海を北上し日本海から北海道へ向かう進路が多くなる予想です。関東に接近する可能性が高まるのもこのタイミングです。台風発生数は、平年並の27個前後となる見通しです。台風の発生は7月から増え始め、9月をピークに10月まで多いとみています。最新見解はスマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」の「おしらせ」またはウェブサイト『台風傾向2017』からご確認いただけます。台風シーズンを安全に過ごすためにお役立てください。

▼最新の『台風傾向』はこちら

・スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」をダウンロード後、「おしらせ」にアクセス、または
・ウェザーニュースウェブサイト『台風傾向2017』
https://weathernews.jp/s/topics/201705/190055/

◆台風は7~8月は沖縄方面へ、9~10月は関東に接近の恐れも

 <台風の発生位置について>
 今シーズンは、正のインド洋ダイポールモード現象(参考1)の影響で、6月以降、段々とフィリピン近海で対流活動が活発になり、多数の積雲や積乱雲が発生しやすくなります(図2:①)。これらの雲が集まり、台風となります。そのため台風の発生位置は、フィリピン近海となるケースが多くなる予想です。
 <月別の台風の進路について>
 フィリピン近海の北側では下降気流が発生し、太平洋高気圧の西への張り出しが例年に比べるとやや強まる予想です(図2:②)。台風は高気圧の縁を時計回りに進むため、台風が発生した場合、7~8月は沖縄から中国大陸へ向かう進路が多くなりそうです。9月以降、偏西風が南下してくると、台風は東シナ海を北上し日本海から北海道へ向かう進路が多くなる予想です。関東に接近する可能性が高まるのもこのタイミングです。

図1. 主な台風の進路 (クリックすると拡大します)
図2. フィリピン近海の対流活動と太平洋高気圧の関係(8月) (クリックすると拡大します)

◆台風発生数は平年並の27個前後の予想

 今シーズンの台風発生数の予想の背景は、以下が挙げられます。
 ・正のインド洋ダイポールモード現象(参考1)が発生
 ・夏以降、エルニーニョ現象(参考2)が発生し、弱いまたは中程度を持続
 正のインド洋ダイポールモード現象が発生すると、7~9月の台風の発生数は多くなる傾向があります。一方で、エルニーニョ現象が発生すると、7~9月の台風の発生数は少なくなる傾向があります。今年はこれら2つの現象が相殺するため、台風発生数は、平年並の27個前後となる予想です。台風の発生は7月から増え始め、9月をピークに10月まで多いとみています。
 1951年以降、中立状態から弱いまたは中程度のエルニーニョに移行した年は9例(2014年、2009年、2002年、1991年、1986年、1963年、1957年、1953年、1951年)でした。この9例の年間台風発生数平均は、約24個で平年(約26個)よりやや少ないものの、各年では21~29個とばらつきが大きい状況です。このうち、インド洋の海面水温分布が、今夏の予想と似ていた1991年の年間台風発生数は、29個でした。

表1.中立状態から弱いまたは中程度のエルニーニョに移行した年の台風発生数(月別・年間)

台風発生数(個)

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

年間

2014

2

1

0

2

0

2

5

1

5

2

1

2

23

2009

0

0

0

0

2

2

2

5

7

3

1

0

22

2002

1

1

0

0

1

3

5

6

4

2

2

1

26

1991

0

0

2

1

1

1

4

5

6

3

6

0

29

1986

0

1

0

1

2

2

3

5

3

5

4

3

29

1963

0

0

0

1

0

4

4

3

5

4

0

3

24

1957

2

0

0

1

1

1

1

4

5

4

3

0

22

1953

0

1

0

0

1

2

1

6

3

5

3

1

23

1951

0

1

1

2

1

1

3

3

2

4

1

2

21

平均

0.6

0.6

0.3

0.9

1.0

2.0

3.1

4.2

4.4

3.6

2.3

1.3

24

平年

0.3

0.1

0.3

0.6

1.1

1.7

3.6

5.9

4.8

3.6

2.3

1.2

26(※)

 ※平均は、9例の各月および年間の台風発生数の平均です。なお、平均と平年の年間発生数は、小数第1位を四捨五入した値です。

◆参考1:正のインド洋ダイポールモード現象
 正のインド洋ダイポールモード現象は、インド洋東部で海面水温が平年より低く、西部で平年より高くなる現象です。この海面水温の変化に伴い、インド洋東部では通常に比べて蒸発が抑えられる分、下降気流が発生し、高気圧が強まります。この高気圧から吹き出す風の影響を受けて、フィリピン近海では上昇気流が強まり、対流活動が活発化します。このため、フィリピン近海で多数の積雲や積乱雲が発生しやすくなり、台風が発生するケースが多くなります。
◆参考2:エルニーニョ現象
 エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が、平年より高くなる現象です。この海面水温の変化に伴い、フィリピン近海の対流活動が通常に比べて不活発となり、積雲や積乱雲が形成されず、フィリピン近海で台風が発生しにくくなります。
図3. 正のインド洋ダイポールモード現象 模式図
(クリックすると拡大します)
図4. エルニーニョ現象 模式図
(クリックすると拡大します)

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