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ウェザーニューズ、2018年の花粉飛散傾向を発表

【第一回花粉飛散傾向】朗報!?来春の花粉飛散量は全国的に少なめ!平年の65%予想

〜関東は記録的な日照不足で最大70%減!茨城県で28%、東京都は50%に〜

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 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、103日、2018年の花粉シーズンにおける全国の花粉飛散傾向(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)を発表しました。本発表は、花粉症に悩む方に対し来年の花粉の飛散傾向をお知らせすることで、早めに対策をとっていただき、少しでも花粉シーズンを快適に過ごしていただくことを目的としています。2018年の花粉飛散量は、全国で平年(20082017年平均)の65%となる予想です。これは2017年の夏に、低気圧や前線、冷たい北東風の影響で東日本や東北太平洋側を中心に雄花の生長には不向きな天候となったためで、特に、記録的な日照不足となった関東は、東京都で50%、茨城県では28%など、平年の70%減となるところもあります。また、全国的に花粉飛散量が多かった2017年シーズンと比べても、ほとんどの地域で減少する見込みとなっています。ただ、風が強い日や雨の翌日は一時的に花粉の飛散が増えることがあります。例年、2月以降は次第に花粉飛散量が増えてくるので、飛散量が平年より少ない予想でも油断せず、花粉シーズンへの備えが必要です。

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https://weathernews.jp/s/topics/201710/020105/

来春の花粉飛散量の傾向:全国平均で平年より少ない65%予想

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 2018年のスギ・ヒノキ花粉シーズンの花粉飛散量は、全国的に平年より減少する見込みで、東日本を中心に予想飛散量が50%未満となる地域が目立ちます。一方、九州北部や北海道、青森県では、110%以上と平年よりやや多い予想です。

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 全国的に花粉飛散量が多かった2017年シーズンと比べてみても、関東北部や静岡県、三重県では50%未満と、大きく下回る予想となっています。
 ただ、風が強い日や雨の降った翌日などは一時的に花粉の飛散が増えるため、油断できません。花粉症対策は、症状がつらくなる前から花粉をなるべく体内に取り込まないことが効果的とされています。例年、2月以降は次第に花粉飛散量が増えてきます。2018年シーズンは、飛散量が平年より少ない予想でも油断せず、花粉シーズンへの備えが必要です。

 

飛散量の決め手は2017年の夏の天候と隔年の増減傾向

 花粉の飛散予想は、前年の夏の天候や年ごとの飛散量傾向(“表年裏年”)などの条件により決まります。2018年の花粉予想が全国的に平年比、2017年シーズン比ともに少なくなっている理由は以下の通りです。

2017年の夏は、東日本や東北太平洋側で記録的な日照不足、雄花の生長に不向きな天候に~
 一般的に、前年の夏に十分な日照があり、夏らしい暑さであるほどスギ・ヒノキ花粉の発生源となる雄花生産量は多くなる傾向があります。よく晴れた暑い夏ほど植物の光合成が盛んになるからです。(北海道のシラカバ花粉も同様。)
 2017年の夏は例年通り、7月は高気圧に覆われて晴れたところが多くなりました。ただ、8月は東日本や東北太平洋側を中心に低気圧や前線、冷たく湿った空気(やませ)の影響で曇りや雨が続き、天候不順が続いたところもありました。このため、東日本や東北太平洋側の多くのエリアでは記録的な日照不足となるなど、雄花の生育に適した天候ではなかったと言えます。

2018年シーズンは全国的に花粉が少ない裏年に~
 花粉の飛散は多い年と少ない年が交互にやってくることが多く、例えば、花粉が多く飛散する表年の翌年は、飛散量が減少する裏年となる傾向があります。2017年は多くのエリアで表年だったため、2018年は裏年となり、花粉の飛散量が減少する予想です。
 ただ、北海道や九州では表年”“裏年の飛散量の増減があまり明瞭ではなく、夏の天候に大きく影響される傾向があります。

 

◆エリア別:花粉飛散予想

 

エリア別の花粉飛散予想

左図:2018年の予想花粉飛散量、右図:過去10年の花粉飛散量と2018年の予想花粉飛散量

北海道

(※シラカバ花粉)

 2017年の夏は、8月は冷たい北東風の影響で道東を中心に曇りや雨の日が続きましたが、その他は高気圧に覆われて晴れた日が多くなりました。雄花の生長に適した天候となったため、2018年シーズンのシラカバ花粉の飛散量は、平年よりやや多い111%、2017年シーズンの85%となる予想です。

 飛散量は2017年シーズンよりやや少ない見込みですが、平年を上回る予想なので、油断せずに対策をしてください。

 
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東北北部

 

 2017年の夏、青森県は高気圧に覆われて日照時間が平年よりもやや多く、2016年の夏よりも日照時間が多くなりました。秋田県は前線、岩手県では8月に“やませ”の影響で日照不足となり、雄花の生長に不向きな天候となりました。さらに、2018年は“裏年”となり、前年より飛散量が減少する傾向となりそうです。

 夏の天候や隔年の増減傾向から、2018年シーズンの飛散量は、青森県では平年の117%、2017年シーズンの107%となる見込みです。一方、秋田県や岩手県は平年よりやや少ない70%前後の予想となっています。2017年シーズンと比べると、秋田県は85%ですが、岩手県では121%と飛散量が少なかった2017年シーズンを上回る予想なので、油断せず対策をしてください。なお、東北北部でヒノキ花粉はほとんど飛散しません。

 
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東北南部

 

 

 

 

 

 2017年の夏、日本海側は高気圧に覆われて日照時間は平年並となりましたが、太平洋側では8月は“やませ”の影響で記録的な日照不足となり、雄花の生長に不向きな天候となりました。さらに、2018年は“裏年”となり、前年より飛散量が減少する傾向となりそうです。

 夏の天候や隔年の増減傾向から、2018年シーズンの飛散量は平年より少ない53%~67%となる予想です。2017年シーズンと比べると、山形県や福島県はそれぞれ97%、86%ですが、宮城では116%と飛散量が少なかった2017年シーズンよりやや多い予想なので、2017年シーズンに花粉症の症状が辛かった方は特に対策が必要です。なお、東北南部でヒノキ花粉はほとんど飛散しません。

 
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関東

 

 2017年の夏、7月は高気圧に覆われて晴れた日が多くなりました。一方、8月は冷たい北東風の影響で曇りや雨の日が続き、記録的な日照不足となって雄花の生長に不向きな天候となりました。さらに2018年は“裏年”となり、前年より飛散量が減少する傾向となりそうです。

 夏の天候や隔年の増減傾向から、2018年シーズンの飛散量は平年を大きく下回り、東京都では50%、茨城県では28%の予想です。2017年シーズンと比べても43%〜77%に留まる見込みですが、風の強い日や雨上がりの晴天時などは花粉が飛散しやすいので、油断せず対策をしてください。

 
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北陸・

甲信北部

(長野県北部)

 

 2017年の夏、7月は高気圧に覆われて晴れた日が多くなりました。一方、8月は前線や台風5号の影響で曇りや雨の日が多く、雄花の生長に不向きな天候となりました。さらに2018年は“裏年”となり、前年より飛散量が減少する傾向となりそうです。

 夏の天候や隔年の増減傾向から、2018年シーズンの飛散量は平年を大きく下回り、46%~59%となる予想です。2017年シーズンと比べても50%~101%の見込みですが、風の強い日や雨上がりの晴天時などは花粉が飛散しやすいので、油断せず対策をしてください。

 なお、北陸で春に飛散するのは例年スギ花粉がメインで、ヒノキ花粉は少ない傾向にあります。

 
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東海・

甲信南部

(長野県中南部と山梨県)

 2017年の夏、7月は高気圧に覆われて晴れた日が多くなりました。一方、8月は前線や台風5号の影響で曇りや雨の日が多く、雄花の生長に不向きな天候となりました。さらに2018年は“裏年”となり、前年より飛散量が減少する傾向となりそうです。

 夏の天候や隔年の増減傾向から、2018年シーズンの飛散量は平年を大きく下回り、愛知県では48%、三重県では31%の予想です。2017年シーズンと比べても34%~68%に留まる見込みですが、風の強い日や雨上がりの晴天時などは花粉が飛散しやすいので、油断せず対策をしてください。

 
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近畿

 

 2017年の夏、7月は梅雨前線により日本海側ほど曇りや雨の日が多く、8月は前線や台風5号の影響で大阪府や京都府、滋賀県を中心に晴れた日が少なくなり、雄花の生長に不向きな天候となりました。さらに2018年は“裏年”となり、前年より飛散量が減少する傾向となりそうです。

 夏の天候や隔年の増減傾向から、2018年シーズンの飛散量は平年を下回り、42%~89%の予想です。2017年シーズンと比べても54%~89%に留まる見込みですが、風の強い日や雨上がりの晴天時などは花粉が飛散しやすいので、油断せず対策をしてください。

 
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山陰

 

 2017年の夏、7月の日照時間は平年よりやや多く、8月も太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多くなりました。花粉の雄花の生長に適した天候ではあったものの、2018年は“裏年”の傾向にあることを踏まえると、2018年シーズンの飛散量は平年よりやや少ない70%に留まる予想です。ただ、飛散量が少なかった2017年シーズンと比べると、鳥取県は108%、島根県は97%の予想なので、2017年シーズンに花粉症の症状が辛かった方は特に対策が必要です。

 
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山陽

 2017年の夏、7月は梅雨前線の影響により曇りや雨の日が多くなりました。一方、8月は太平洋高気圧に覆われて日照時間は平年よりやや多く、ひと夏を通じてみると平年並の日照時間でした。花粉の雄花の生長に問題ない天候ではあったものの、2018年は“裏年”の傾向にあることを踏まえると、2018年シーズンの飛散量は平年よりやや少ない71%~89%の予想です。2017年シーズンと比べても66%~92%に留まる見込みですが、風の強い日や雨上がりの晴天時などは花粉が飛散しやすいので、油断せず対策をしてください。

 
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四国

 

 2017年の夏、8月は平年並に晴れて暑くなりましたが、7月は梅雨前線の影響により曇りや雨の日が多く、特に高知県では日照時間が平年よりも少なくなりました。雄花の生長に不向きな天候に加え、2018年は“裏年”となり、前年より飛散量が減少する傾向となりそうです。

 夏の天候や隔年の増減傾向から、2018年シーズンの飛散量は平年を下回り、45%~87%の予想です。2017年シーズンと比べても52%~89%に留まる見込みですが、風の強い日や雨上がりの晴天時などは花粉が飛散しやすいので、油断せず対策をしてください。

 
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九州北部

 

 2017年の夏は、太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多く、ひと夏を通じてみると平年並の日照時間となりました。中でも福岡県や佐賀県、長崎県は7月の日照時間が平年よりやや多く、雄花の生長に適した天候となりました。

 九州北部では明瞭に“表年”“裏年”が現れない傾向があり、夏の天候が雄花の生育状況に大きく影響すると考えられます。その傾向を踏まえると、2018年シーズンの飛散量は、福岡県や佐賀県、長崎県では平年よりやや多い111%~119%、2017年シーズンと比べると75%~101%の予想です。平年を上回る予想なので、しっかり対策を行ってください。

 一方、7月に比較的前線の影響を受けやすかった大分県や熊本県は、平年を下回り65%、83%となる見込みです。2017年シーズンと比べても59%、66%に留まる予想ですが、風の強い日や雨上がりの晴天時などは花粉が飛散しやすいので、油断せず対策をしてください。

 
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九州南部

 

 2017年の夏、7月は梅雨前線の影響により曇りや雨の日が多くなりました。一方、8月は太平洋高気圧に覆われて日照時間は平年よりやや多く、ひと夏を通じてみると平年並の日照時間でした。

 九州南部では明瞭に“表年”“裏年”が現れない傾向があり、夏の天候が雄花の生育状況に大きく影響すると考えられます。その傾向を踏まえると、鹿児島県と宮崎県の2018年シーズンの飛散量は、それぞれ平年並の107%、101%の予想です。また、2017年シーズンと比べると118%、91%の予想なので、2017年シーズンに花粉症の症状が辛かった方は特に対策が必要です。

 
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【参考情報】都道府県別2018年花粉飛散予想
※平年値:2008年~2017年の10年平均飛散量

エリア

都道府県

花粉飛散量
(平年比:%)

花粉飛散量
(2017年比:%)

北海道(シラカバ)

北海道

111

85

東 北

青森県

117

107

岩手県

68

121

秋田県

76

85

宮城県

61

116

山形県

67

97

福島県

53

86

関 東

茨城県

28

43

栃木県

30

46

群馬県

30

47

埼玉県

48

77

千葉県

51

65

東京都

50

71

神奈川県

51

69

中 部

山梨県

45

68

長野県

47

59

新潟県

59

101

富山県

46

50

石川県

57

65

福井県

55

67

静岡県

32

34

愛知県

48

58

岐阜県

49

57

三重県

31

34

近 畿

滋賀県

42

54

京都府

69

80

大阪府

55

60

兵庫県

77

88

奈良県

51

83

和歌山県

89

89

中国・四国

岡山県

71

66

広島県

75

74

鳥取県

70

108

島根県

70

97

山口県

89

92

徳島県

55

57

香川県

55

56

愛媛県

87

89

高知県

45

52

九 州

福岡県

115

101

佐賀県

119

100

長崎県

111

75

大分県

65

59

熊本県

83

66

宮崎県

101

91

鹿児島県

107

118

全 国

65

75

※平年:天候の平年は1981年~2010年の過去30年間の平均、花粉飛散量の平年は2008年~2017年の過去10年間の平均
※飛散量:花粉観測機「ポールンロボ」が観測すると想定される花粉数。過去のポールンロボの観測数を元に予想を算出。
※北海道はシラカバ花粉の飛散量。沖縄県は目立った花粉の飛散がないため除く

次回、第二回花粉飛散傾向は12月上旬の発表を予定しています。

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