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ウェザーニューズ、平成30年7月豪雨の浸水被害報告2万件を分析

【西日本豪雨】平成最悪の浸水被害、水害危険エリアの80%を占める広域で発生か

〜西日本豪雨の被災者が体験した水害を記録、災害ビッグデータを今後提供予定〜

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 西日本を中心とする大雨災害で被災された皆様にお見舞いを申し上げます。また、本調査にご協力いただいた皆様に感謝いたします。

 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、アプリ「ウェザーニュースタッチ」やウェブサイトを通じて、今回の大雨により各地で多発した浸水・冠水被害の発生状況を緊急調査(※)し、その結果を発表しました。本調査は、被害の全容を明らかにし、救出・復旧作業に役立てていただくため、また、今後の二次災害やこれからの大雨・土砂災害の減災に繋げていただくことを目的としています。平成最大・最悪とも言われる今回の豪雨災害について、複数のビッグデータ分析の結果、国や各自治体が定めている水害リスクが高い地域(浸水想定区域+低位地帯)のうち、最大で約80%の広域で浸水・冠水被害が発生した可能性があることがわかりました。
 今後ウェザーニューズは、本災害の研究や各防災機関の減災活動への活用、ならびに自助・共助活動を展開する方を対象に、寄せられた被害報告データの提供に向けて準備を進めていきます。

「浸水被害状況ビッグデータ分析」の一般向けページはこちら
スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」をダウンロード後、「おしらせ」にアクセス
または、
ウェザーニュースウェブサイト「浸水被害状況ビッグデータ分析」
https://weathernews.jp/s/topics/201807/090065/

調査概要

・調査期間:20187718時~918 10日現在も実施中
https://weathernews.jp/s/gensai/rain201807/enq.html
・調査回答数:22,395
・調査方法:スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」やSNSを通じて、一般の利用者を対象に調査を実施

記録的大雨による浸水被害ビッグデータ分析

(1)“腰以上の浸水”が九州から京都の広範囲で発生、想定危険エリアと一致

水害リスクの高い地域(左図)と浸水被害状況(右図)

 浸水被害の全容を把握するため、「一番高いときで、どの高さまで浸水したか」と質問し、6つの選択肢(“わからない”“浸水なし”“大きな水たまり程度”“足首以上の高さ”“ひざ以上の高さ”“腰以上の高さ”)から回答していただきました。
 “わからない”“浸水なし”の報告を省いてマップにプロットすると、水害リスクの高い、浸水想定区域および低位地帯で浸水・冠水被害が集中していることがわかりました。特に、広島県、岡山県、愛媛県では、“腰以上の高さ”の浸水が目立ちます。該当エリアでは河川の氾濫が発生しており、愛媛県では、“腰以上の高さ”の報告がほとんど肱川氾濫の影響を受けた大洲市に分布していました。

浸水想定区域:国および47都道府県で指定した河川が、氾濫した場合に浸水すると想定される区域
低位地帯:国土交通省国土政策局が算出した、周辺部よりも標高が低く、排水が困難である地帯

(2)浸水被害の発生を分けたのは、4日間積算雨量“400mm”以上
 被害が出ているエリアと雨量の関係を調べるため、今回の大雨の降り始めから降り終わり(7418時~818時)の積算雨量と、浸水被害の報告エリアを比較しました。
 すると浸水被害の報告のほとんどが、4日間の積算雨量が400mm以上となったエリアから届いていることがわかりました。

※クリックすると拡大します
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まとめると、

(1)浸水被害の報告エリアと水害リスクの高いエリアがほぼ一致した
(2)浸水被害の報告エリアは、4日間の積算雨量が400mm以上の大雨に見舞われた

→(1)(2)から、水害に脆弱かつ、今回400mm以上雨が降ったエリアは、水害に見舞われた可能性が高いと考えられます。

 水害に見舞われた可能性の高いエリアを面的に調べるため、水害リスクの高いエリア、4日間の積算雨量が400mm以上となったエリアを約1km四方のメッシュで区切り、大雨となった地域が占める割合を都道府県ごとに算出しました。
 その結果、今回の大雨で水害発生の可能性が高い地域が多かったのは、高知県(82%)、京都府(81%)、広島県(80%)、岡山県(75%)、兵庫県(74%)、愛媛県(62%)、大阪府(62%)でした。つまり、水害リスクの高いエリアのうち、最大で約80%の広域で、水害が発生した可能性が高いと言えます。該当エリアでは、実際の被害報告でも“足首以上の高さ”が集中しており、「水害に脆弱かつ、今回400mm以上雨が降ったエリアは、水害に見舞われた可能性が高い」を裏付ける結果となりました。
 また、国や自治体で定められている浸水想定区域や低位地帯の災害ポテンシャルが、今回の豪雨により実害として実証された形となりました。

 自然災害はいつ・どこで起こるかわかりません。今回影響の小さかった、あるいは無かった地域の方も、いざという時のために、ハザードマップや地域の過去の災害歴を調べてみるなど、今一度ご確認いただければと思います。

水害危険エリアの水害発生率(想定):割合の多い上位20府県

 ※水害リスクの高い地理・地形的特徴と雨量の条件から算出
 (=4日間積算雨量が400mm超のメッシュ数/浸水・低位地帯のメッシュ数)
 ※「割合(%)」は人的被害の割合とは異なります

順位

エリア

割合(%)

1位

高知県

82

2位

京都府

81

3位

広島県

80

4位

岡山県

75

5位

兵庫県

74

6位

愛媛県

62

6位

大阪府

62

8位

岐阜県

51

9位

徳島県

49

10位

福岡県

44

11位

佐賀県

42

12位

滋賀県

41

13位

香川県

32

13位

鳥取県

32

15位

山口県

20

16位

石川県

16

16位

福井県

16

18位

熊本県

14

19位

富山県

12

20位

和歌山県

9

注意事項

(注1)寄せられた22,395件の回答のうち、以下の回答は省いています。
  “わからない”“浸水なし”の回答、気象データと比較し信憑性の低い報告

(注2)ウェザーニュース会員からの報告は、過去のリポート履歴における信用度など独自の評価方法で、情報の信頼性評価を行なっています。

(注3)報告内容は、(注1)~(注2)のように慎重にフィルタリングをかけておりますが、超局地的な被害については、考慮しきれていない場合があります。

(注4)本調査は、ウェザーニューズが独自に実施したものです。公的機関や報道機関の調査・発表資料などと合わせて、情報の一つとしてご参考ください。

被害報告データの公開について

 今後ウェザーニューズでは、本災害の研究や各防災機関の減災活動への活用、ならびに個人が展開する自助・共助活動の役に立てるよう、寄せられた被害報告データのオープンデータ化に向けて準備を進めていきます。被害報告データの提供予定日は未定ですが、データをご希望の方は、下記のお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

<お問い合わせ窓口>
https://jp.weathernews.com/contact/general-inquiries

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