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今年の台風はどうなる?ウェザーニューズ、2019年「台風傾向」を発表

【台風傾向】エルニーニョが継続し、秋は長寿台風が増える傾向に

~台風発生数は27個前後、9月をピークに接近・上陸の危険性が高まる~

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 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、2019年の「台風傾向」を発表しました。今シーズンの台風の年間発生数は平年並の27個前後となる見通しです。台風の発生位置は、夏は平年に比べて南寄り、秋は南東寄りになる予想で、秋は台風の発生から消滅までの寿命が長くなる傾向があります。長寿台風は不規則な進路をとることが多く、ピーク時の勢力が強くなりやすいため、進路予想や雨風の影響に注意が必要です。78月は沖縄や中国大陸・朝鮮半島へ向かいやすく、9月をピークに、本州付近への接近・上陸の危険性が高まるとみています。
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本プレスリリースの“平年”は、1981年~2010年の30年平均。“長寿台風”は寿命が10日以上のものを目安としています

<ポイント>
・台風発生域の対流活動は平年並で、年間の台風発生数も平年並の予想
・台風の発生位置は平年よりも南~南東寄り、秋は長寿台風が増える見通し
・9月をピークに本州付近への接近・上陸の危険性が高まり、10月も台風の接近に注意

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台風発生数は平年並の27個前後、9月をピークに接近・上陸の危険性が高まる
<台風の発生位置について>

 今シーズンは、弱いエルニーニョ現象が継続し、熱帯の対流活動が活発なエリアが夏は平年(フィリピンの東海上)よりも南に、秋は南東にずれる傾向があります。対流活動が活発なエリアでは多数の積乱雲が発生しやすくなり、これらの積乱雲が集まって台風となるため、台風の発生位置は、夏は平年に比べて南寄り、秋は南東寄りになる予想です。海面水温が高い海域を長く通る影響で、秋は台風の発生から消滅までの寿命が長くなる傾向もあります。長寿台風は不規則な進路を取ることが多く、また、ピーク時の勢力が強くなりやすいため、進路予想や雨風の影響に注意が必要です。

<月別の台風の進路について>

 今シーズンの太平洋高気圧は、日本の南で西への張り出しが強いものの、北への張り出しは弱い予想です(図1)。78月は太平洋高気圧が勢力を強める時期と弱める時期があり、太平洋高気圧の勢力が強い時期は、台風は高気圧の縁を時計回りに進み、平年よりもやや外回りの進路をとって沖縄~中国大陸・朝鮮半島へ向かうことが多くなりそうです。一方、太平洋高気圧の勢力が弱い時期は、台風を動かす風が弱くなり、複雑な進路をとったり、動きが遅くなったりしながら日本付近に接近する可能性があります。9月以降、偏西風が南下してくると、台風は本州付近へ向かう進路をとることが多くなる予想です(図2)。昨年、各地に大きな被害をもたらした台風21号や24号も9月に上陸しています。さらに、今年の10月は平年よりも太平洋高気圧の勢力が強く、日本に接近する台風もありそうです。

図1:フィリピン近海の対流活動と太平洋高気圧の関係(8月)
図2:月別の台風進路傾向

<台風の発生数について>

 今シーズンの台風発生数は、多かった昨年の29個よりも少ないものの、平年並の27個前後の予想です(これまでに発生した2個を含む)。エルニーニョ現象(参考1)やインド洋全域昇温(参考2)が、北西太平洋の主な台風発生域の対流活動を不活発にする方向に働く一方、台風発生域の海面水温は平年並みか平年より高い予想で、こちらは対流活動を活発にする方向へ働きます。これらの作用が相殺しあうため、今後、北西太平洋の主な台風発生域の対流活動は平年並となり、台風発生数も平年並となる予想です。ただ、エルニーニョ現象やインド洋全域昇温の影響が勝った場合は、台風発生数が平年よりやや少なくなる可能性もあります。台風の発生は7月から増え始め、9月をピークに本州付近への接近・上陸の危険性が高まるとみています。

今シーズンの台風発生数の予想の背景
(1)エルニーニョ現象が継続し、太平洋東部熱帯域の海面水温が高い状態が続く
 北西太平洋の主な台風発生域の対流活動が不活発になる方向に働く(参考1/3)

(2)インド洋の海面水温が高い状態が続く
 北西太平洋の主な台風発生域の対流活動が不活発になる方向に働く(参考2/4)

(3)北西太平洋の主な台風発生域の海面水温が、平年並か平年より高い見込み
 対流活動が活発になる方向に働く

 (1)(2)は、台風発生域の対流活動を不活発にする作用がある一方で、(3)は対流活動を活発にする作用があります。これらを考慮し、台風発生域の対流活動は平年並の予想ですが、(1)(2)の作用が強い場合、やや不活発になる可能性も考えられます。

図3:エルニーニョ現象 模式図

参考1:エルニーニョ現象

 エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が、平年より高くなる現象です。この海面水温の変化に伴い、フィリピン近海の対流活動が通常に比べて不活発となり、積雲や積乱雲が形成されず、フィリピン近海で台風が発生しにくくなります。





図4:インド洋の海面水温とフィリピン近海の対流活動の関係 模式図

参考2:インド洋全域昇温

 インド洋全域昇温は、インド洋全域で海面水温が平年よりも高くなる現象です。夏の場合、この海面水温の変化に伴い、インド洋では対流活動が活発化する影響で、インド洋からフィリピン近海へ向かうモンスーンが弱くなります。そのため、フィリピン近海の対流活動も弱まり、台風が発生しにくくなります。





類似年の台風発生数

 1951年以降、エルニーニョ監視海域の海面水温偏差とインド洋の海面水温偏差が今年の予測と類似している年は、4例(2009年、2002年、1991年、1987年)です。この4例の年間台風発生数は2229個、平均で25個と平年並でした。

類似年と今年の台風発生数(月別・年間)

台風発生数(個)

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

年間

2019

1

1

0

0

0

2009

0

0

0

0

2

2

2

5

7

3

1

0

22

2002

1

1

0

0

1

3

5

6

4

2

2

1

26

1991

0

0

2

1

1

1

4

5

6

3

6

0

29

1987

1

0

0

1

0

2

4

4

6

2

2

1

23

平均(※)

0.5

0.3

0.5

0.5

1.0

2.0

3.8

5.0

5.8

2.5

2.8

0.5

25(※)

平年

0.3

0.1

0.3

0.6

1.1

1.7

3.6

5.9

4.8

3.6

2.3

1.2

26(※)

2019年は、64日現在の発生数です。
※“平均”は、4例の各月および年間の台風発生数の平均です。なお、“平均”と“平年”の年間発生数は、小数第1位を四捨五入した値です。

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