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今冬の雪はどうなる?ウェザーニューズ、降雪傾向(12月〜3月)を発表

【降雪傾向】寒気が南下しにくく暖冬傾向、降雪量は広範囲で“平年並か少ない”予想

〜冬型が長続きせず、低気圧の影響で北日本太平洋側は“平年並か多い”見通し〜

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 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、今シーズンの「降雪傾向」を発表しました。今シーズンは、偏西風が日本付近で北に蛇行する影響で冬型の気圧配置が長続きせず、暖冬傾向となる見通しです。このため、降雪量は北日本日本海側・北陸・東海・西日本で“平年並か少ない”予想です。一方、冬型の気圧配置が長続きしない代わりに、平年よりも低気圧の影響を受けやすくなることから、北日本太平洋側の降雪量は“平年並か多い”、関東甲信で“平年並”とみています。なお、20178月に発生した黒潮大蛇行が継続している影響で、日本の南岸を通過する低気圧(南岸低気圧)が首都圏に寒気を引き込みやすいコースを取り、関東甲信で降雪量が多くなる可能性があるものの、気温が高めに推移することを考慮し、降雪量は“平年並”と予想しています。
 雪のピークは北日本日本海側で12月後半、その他のエリアで1月末~2月前半の予想です。強い寒気が南下したタイミングで西日本の日本海側を中心に広い範囲で大雪となり、瀬戸内や京阪神、濃尾平野でも積雪の可能性があります。交通機関に影響が出るおそれもあるため、今後の最新情報をご確認ください。

「降雪傾向」の一般向けページはこちら
ウェザーニュースウェブサイト「降雪傾向」
https://weathernews.jp/s/topics/201911/220095/

今シーズンの降雪傾向(12月~3月)
<降雪量:広範囲で“平年並か少ない”予想も、北日本太平洋側は“平年並か多い”予想>

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 今シーズンの降雪量は、北日本日本海側・北陸・東海・西日本で“平年並か少ない”、北日本太平洋側(北海道のオホーツク海側を含む)で“平年並か多い”、関東甲信で“平年並”の予想です。
 予想のポイントとなるのは、①偏西風の蛇行と②黒潮大蛇行です。

① 偏西風の蛇行:冬型の気圧配置が長続きせず、低気圧の影響を受けやすい

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 今シーズンは、偏西風が日本付近で北に蛇行し、南からの暖かい空気に覆われやすくなる見込みです。このため、日本では冬型の気圧配置が長続きせず、暖冬傾向となる見通しです。昨冬、東・西日本では寒気の影響が弱かったため、日本海側の降雪量は平年と比べてかなり少なく、スキー場は深刻な雪不足に見舞われました。特に西日本日本海側の降雪量は統計開始以来最も少なく、記録的な少雪となりました。今シーズンも一時的に強い寒気が流れ込むタイミングはあるものの、北日本から西日本の日本海側の降雪量は平年並か少なくなるとみており、東・西日本では昨年並の降雪量となる可能性もあります。
 一方、冬型の気圧配置が長続きしない代わりに、平年よりも低気圧の影響を受けやすく、太平洋側では降水量が多くなります。このため、降雪量は気温の低い北日本で平年並か多く、関東で平年並、気温が高い東海~九州の太平洋側では平年並か少なくなるとみています。昨冬、冬型の気圧配置が続き、低気圧や湿った空気の影響を受けにくく降雪量が少なかった北日本太平洋側では、雪が降る日が増えるため、今のうちに雪対策をしておくと良さそうです。

② 黒潮大蛇行:南岸低気圧が首都圏に寒気を引き込みやすいコースに
 2017年に発生した黒潮大蛇行が今年も続いており、少なくとも20201月半ばまで続くと予想されています。1月以降も続いた場合、南岸低気圧が首都圏に寒気を引き込みやすいコースをとることが多くなります。黒潮大蛇行が発生した2017/18年冬は、122日~23日未明に通過した南岸低気圧の影響で、東京では4年ぶりに20cmを超える積雪を観測し、関東を中心に大雪となりました。
 このため関東甲信では、南岸低気圧のコースによって、降雪量が多くなる可能性があります。ただ、気温が高めで推移することを考慮し、降雪量は“平年並”と予想しています。特に積雪リスクが高まるのは1月下旬~2月の予想です。

<雪のピーク:1月末~2月前半は大雪に注意、交通機関への影響するおそれも>

 雪のピークは、北日本日本海側で12月後半、その他のエリアで1月末~2月前半の予想です。1月末~2月前半は一時的ながら強い寒気が南下し、西日本の日本海側を中心に広い範囲で大雪となり、瀬戸内や京阪神、濃尾平野でも積雪の可能性があります。交通機関に大きな影響が出るおそれもあるため、今後の最新情報をご確認ください。

エリアごとの降雪傾向

エリア

シーズン本格化
時期

降雪の
ピーク時期

降雪量

降雪傾向

北海道

11月下旬

<日本海側>
12月後半

<太平洋側・オホーツク海側>
1月中旬

<日本海側>
平年並か少ない

<太平洋側・オホーツク海側>
平年並か多い

12月後半は大雪・暴風雪のおそれ、交通機関に影響も

今月2日に稚内、6日に旭川、7日に網走・札幌・室蘭・函館で初雪が観測されました。いずれの地点も平年よりも遅い観測となり、旭川では2週間遅い初雪となりました。

<日本海側>
今シーズンは暖冬傾向となり、冬型の気圧配置が長続きしにくい一方で、低気圧の影響を受けやすくなる見通しです。このため、雪の降る日は平年並か少なくなります。ただ、12月後半は強い寒気が南下して大雪となる時期があり、積雪が増加する予想です。また、発達した低気圧の通過で暴風雪となる日もある見込みです。

<太平洋側・オホーツク海側>
12月後半〜3月前半にかけて低気圧の影響を受けやすく、雪の降る日が平年よりも多い予想です。また、発達した低気圧の通過で大雪や暴風雪になる日もある見込みです。3月後半になると、寒気の流れ込みが弱まり、積雪も減っていきます。

東北

12月後半

<日本海側>
12月後半

<太平洋側>
1月下旬~2月

<日本海側>
平年並か少ない

<太平洋側>
平年並か多い

◇発達した低気圧の影響で、風や雪の強まる日も

<日本海側>
今シーズンは暖冬傾向となり、冬型の気圧配置が長続きしにくい一方で、低気圧の影響を受けやすくなる見通しです。このため、雪の降る日は平年並か少なくなります。ただ、発達した低気圧の通過で、風や雪の強まる日がある見込みです。

<太平洋側>
12月後半〜3月前半にかけて低気圧の影響を受けやすく、雪の降る日が平年よりも多い予想です。また、発達した低気圧の通過で大雪や暴風雪になる日もある見込みです。3月後半になると、寒気の流れ込みが弱まり、雪どけが進みそうです。

関東
甲信南部(山梨県・長野県中南部)

1月下旬

1月下旬~2月

平年並

◇1月下旬以降、関東平野部で積雪リスク高まる

今シーズンは暖冬傾向となり、冬型の気圧配置が長続きしにくい一方で、低気圧の影響を受けやすくなる見通しです。このため、雨や雪の降る日は平年よりも多くなります。ただ、気温が高めに推移することから、雪の降る日は平年並とみています。山間部の積雪は平年より増えにくい予想ですが、12月後半は一時的に強い寒気が流れ込み、一気に積雪が増加する日がありそうです。
南岸低気圧の増加とコースの特徴から、1月中旬〜3月前半は平野部でも何度か雪の降る日がありそうです。特に、1月下旬~2月は内陸部を中心に、都心でも積雪リスクが高まります。南岸低気圧は、そのコースと発達具合が雨か雪かを大きく左右するため、雪予報が発表された際は、最新情報をこまめにご確認ください。3月後半になると、寒気の流れ込みが弱まり、山間部の雪どけがいっそう進みそうです。

北陸
東海
甲信北部(長野県北部)

12月後半

1月末~2月上旬

平年並か少ない

◇平年より雪の降る日は少ないが、一時的なドカ雪に注意

今シーズンは暖冬傾向となり、冬型の気圧配置が長続きしにくく、日本海側の雪の降る日は、雪が少なかった昨年並か多く、平年より少なくなります。低気圧の影響で雨の降る日が多くなるため、積雪は平年より増えにくい予想です。
ただ、1月末〜2月上旬は一時的に強い寒気が流れ込み、日本海側で一気に積雪が増加する日がありそうです。また、濃尾平野でも積雪のリスクがあります。3月後半になると、寒気の流れ込みが次第に弱まり、雪どけがいっそう進みそうです。

近畿
中国
四国
九州

12月後半

1月末~2月上旬

平年並か少ない

◇平年より雪の降る日は少ないが、一時的なドカ雪に注意

今シーズンは暖冬傾向となり、冬型の気圧配置が長続きしにくく、日本海側の雪の降る日は、記録的な少雪となった昨年並か多く、平年より少なくなります。低気圧の影響で雨の降る日が多くなるため、積雪は平年より増えにくい予想です。
ただ、1月末~2月上旬は一時的に強い寒気が流れ込み、日本海側で一気に積雪が増加する日がありそうです。また、瀬戸内側や太平洋側の平野部でも積雪のリスクがあります。3月後半以降は、大陸からの寒気の流れ込みが弱まり、春めいてくる見込みです。

今シーズンの降雪傾向について
当社では、日々、長期気象予測サービスの実用化に向けて取り組みをおこなっていますが、現在の気象予測の技術水準では、予測精度の誤差が大きくなる場合があります。今回の降雪傾向発表にあたり、複数の気象機関や長期予報の有識者からの見通しを元に、総合的に見解を出しています。本リリースにおける情報につきましては、発表日(1122日)における最新の見解になります。

平年:気温や降雪量の平年は1981年~2010年の過去30年間の平均

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