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ウェザーニューズ、40年ぶりの大寒波に関する振り返りを発表
ウェザーリポーターと一緒に各地の大雪と雪の南限を徹底調査
西日本各地から大雪の報告、沖縄本島からはみぞれの報告が到着!
株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、1月23日(土)〜25日(月)の大寒波に関する振り返りを発表しました。特に24日(日)、日本付近は強い冬型の気圧配置となり約40年ぶりと言われる非常に強い寒気が流れ込みました。ウェザーニューズは24日(日)から25日(月)にかけて、ウェザーリポーターと一緒に積雪・降雪状況や雪の南限を追いかけました。普段あまり雪の降らない九州や中国、四国の各地から10cmを超える積雪報告が多数届きました。また、鹿児島県・奄美大島や沖縄本島からも雪やみぞれの目撃報告が寄せられました。冬型の気圧配置が強まっても西日本でこれほどの大雪になることは稀です。今回は北極付近から放出される寒気が西回りで日本付近に流入しやすい偏西風の流れとなっていたことで、西日本を中心とした日本列島の各地で記録的な低温・大雪となりました。日本以外のアジア各国でも過去30年における最低気温を記録した地点が数多くあり、今回の寒波が広い範囲で影響を及ぼした事がわかります。今後、寒気は次第に弱まり、27日(水)以降は平年より気温が高くなる予想です。28日(木)以降は西〜東日本では雨の可能性もあるため、積雪が残っている地域では落雪や雪崩、融雪による河川増水に注意してください。
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24〜25日の積雪を調査、普段あまり雪の降らない地域からも10cm超えの報告
ウェザーニューズは各地の積雪状況を調査するため、24日(日)6時〜25日(月)10時にかけて、ウェザーリポーターに定規で雪の深さを測って報告してもらいました。2,517人の報告から特に九州の東シナ海側で10cm以上の積雪となった場所が多かったことがわかりました。長崎県から積雪30cm、佐賀県からは積雪19cmの報告も寄せられました(図1)。
ウェザーニューズは、ウェザーリポーターから届いた積雪の報告と、レーダーやアメダスなどの観測データを元に積雪状況を解析した結果(図2)、九州の中でも長崎県・熊本県南部・鹿児島県で特に大雪となったことや、アメダスの観測地点がない四国の山間部でも15cmを超す(緑色より値の大きい領域)大雪となったことがわかりました。ウェザーリポーターから積雪の報告を送ってもらうことで、より詳細な積雪状況を把握することができました。
この大雪によって各地の交通機関にも大きな影響が出ました。九州全域や中国・四国の各地でも高速道路の通行止めや、慣れない雪道での車の立ち往生、スリップ事故が発生しました。北陸でも高速道路が通行止めになるなど雪国でも大きな影響が出ました。その他、西日本〜東海での新幹線や在来線の遅延・運休や、九州・北陸を発着する空の便が多数欠航となりました。
奄美群島や沖縄県の各地から「みぞれ」の目撃リポート
寒気のピークとなった24日(日)、気象庁によると鹿児島県・奄美大島で115年ぶり、沖縄県・久米島で39年ぶり、また沖縄本島の名護で観測史上初の降雪(みぞれ)が観測されました。沖縄県と鹿児島県のウェザーリポーターの皆さんに「みぞれや雪を見ました?」と聞いたところ、奄美群島や沖縄県の各地からも「見た」という目撃リポートが多数寄せられました(図3)。同日、沖縄本島や久米島からはあられが降ったという報告も写真付きで届きました。
各地で凍結!西日本の5人に1人が水道管凍結を経験
大寒波の影響で、各地で氷点下の寒さとなり西日本各地で観測史上最低の気温を記録しました。見事な氷柱などの美しい光景が見られた一方、水道管の凍結・破裂も発生しました。
西日本〜東海のウェザーリポーターに24日(日)夜〜25日(月)に「水道管凍結した?」と質問し、4,939人から寄せられた回答を集計した結果、今回の寒気でなんと約5人に1人が水道管凍結を経験していたことがわかりました(図4)。
大寒波の要因は「偏西風の流れ」
年明けの日本は暖冬で記録的な暖かさとなりましたが、その後、偏西風の流れが変わったことが今回の大寒波をもたらす要因となりました。北極から寒気が放出されるこの時期に、日本付近の偏西風が南へ蛇行したため北極に蓄積されていた寒気が日本付近に向けて流入し南下しました。雪を降らせる目安の寒気(上空1,500mで-6℃以下)が北海道から沖縄まで日本列島全域を覆いました。日本では通常、冬型の気圧配置が強まっても西日本でこれほどの大雪となることは稀ですが、今回は偏西風が西日本上空で大きく南に蛇行していたため西日本を中心に強烈な寒気が流れ込む結果となりました。同じく偏西風が南に蛇行していたアジア各国や北米、ヨーロッパ東部でも同時期に寒波と記録的な大雪に見舞われました。
アジア各地でも記録的な寒さ!
北極からの寒気は日本以外のアジア各地にも記録的な寒さをもたらしました。図6を見てみると、アジアの広範囲で過去30年間で最低気温を記録したことがわかります。さらに、図7の各地の最低気温の平年差を見てみると22日から24日にかけて、平年と比べて最低気温が低かった地域(青色のプロット)が徐々に南下していることがわかります。
また、台湾や中国、韓国からはこの寒さを表す雪や凍結のリポートも届きました。
27日(水)以降の気温は高め、雪崩や落雪、融雪による河川の増水に注意
寒気のピークは過ぎ、27日(水)以降、西〜東日本では1月末にかけて平年より気温が高めとなります。28日(木)以降は西から次第に雨が降り出し、雪融けが進みます。積雪が残っている地域では雪崩や落雪、融雪による河川の増水に注意が必要です。
今後、九州など西日本に今回のような寒気が襲来する可能性は低い見込みですが、春先にかけて雪のシーズンは続きます。大雪が予想される際は、スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」の「最新雪情報」にて、最新の雪情報や交通機関への影響予測をお伝えします。雪への対策にご活用ください。