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今年の台風はどうなる?ウェザーニューズ、2022年「台風傾向」を発表

【台風傾向】偏西風の影響で、9月以降の台風接近・上陸に注意

~負のインド洋ダイポールモード、ラニーニャ現象の影響で発生数は23個前後~

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 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開 千仁)は、2022年の「台風傾向」を発表しました。
 今シーズンは、太平洋高気圧が平年よりも北への張り出しを強める影響で、7~8月に発生する台風は沖縄から中国大陸・朝鮮半島へ向かうことが多くなりそうです。9月以降は偏西風が南下し、台風は沖縄から本州付近へ向かう進路をとることが多くなる予想です。関東に接近する可能性が高まるのもこのタイミングで、台風の進路や雨風の影響に注意が必要です。台風の発生個数は平年より少ない23個前後となる予想です。
 最新見解は、「ウェザーニュース」アプリまたはウェブサイト「台風NEWS」からご確認いただけます。台風シーズンを安全に過ごすためにお役立てください。

「ウェザーニュース」ウェブサイト「台風NEWS」
https://weathernews.jp/s/news/typh/

 

台風発生数は平年より少ない23個前後、9月以降の台風に注意

<台風の発生位置について>
 シーズン中はラニーニャ現象が継続する可能性が高く、また、負のインド洋ダイポールモード現象が発生することでインド洋南東部の海面水温が高くなる予想です。これらの影響で、北西太平洋熱帯域の対流活動は平年よりも西にずれて、積乱雲の発生を促します。台風は、これらの積乱雲が集まることで発生するため、今年の台風の発生位置は平年よりも西寄りになる見込みです。この場合、海面水温が高い海域を通る時間が短くなったり、大陸へ向かう進路が多くなるなど、台風の発生から消滅までの寿命が短くなる傾向があります。また、日本の近海で発生することもあるため、その場合、発生から日本への接近までの時間が、短くなる可能性もあります。

図1:フィリピン近海の対流活動と太平洋高気圧の関係(8月)
図2:月別の台風進路傾向

 

<月別の台風の進路について>
 今シーズンの太平洋高気圧は、平年よりも北への張り出しが強い予想です(図1)。月別の台風進路傾向を見ると、7~8月までは台風は沖縄から中国大陸・朝鮮半島へ向かうことが多くなりそうです。ただ8月は、太平洋高気圧が勢力を弱める時期もあり、台風を動かす風が弱くなることで複雑な進路をとったり、動きが遅くなったりしながら日本付近に接近する可能性もあります。
 9月以降、偏西風が南下してくると、台風は沖縄から本州付近へ向かうことが多くなる予想で、台風の進路や雨風の影響に注意が必要です。

 

<台風の発生数について>
 今シーズンの台風発生数は、4月に発生した2個を含めて23個前後の予想です。
 シーズン中はラニーニャ現象が継続することと、負のインド洋ダイポールモード現象が発生することで、平年より西寄りで海水温が上昇しやすい傾向にあります。このため、南シナ海やフィリピン周辺での対流活動が平年に比べてやや活発になります。一方で、平年であれば対流活動が活発なフィリピンの東海上では、対流活動が不活発になります。このため、主な台風発生域における全体的な対流活動は平年に比べるとやや不活発になる見込みで、台風の発生数は平年の25.1個(※1)より少なくなりそうです。

 

 

類似年の台風発生数

 1951年以降、エルニーニョ監視海域(NOAA/米海洋大気局)の予想海面水温とインド洋の予想海面水温が、今年の予測と類似している年は、4例(2021、2000、1996、1995年)です。各年の台風発生数は22~26個、平均すると23.5個で、類似年の台風発生数は平年並か少ない状況です。

 

類似年と今年の台風発生数(月別・年間)

台風発生数(個)

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

年間

2022(※2)

0

0

0

2

0

2021

0

1

0

1

1

2

3

4

4

4

1

1

22

2000

0

0

0

0

2

0

5

6

5

2

2

1

23

1996

0

1

0

1

2

0

6

5

6

2

2

1

26

1995

0

0

0

1

0

1

2

6

5

6

1

23

平年

0.3

0.3

0.3

0.6

1.0

1.7

3.7

5.7

5.0

3.4

2.2

1.0

25.1

※1 平年値について
 統計期間1991〜2020年の平年値を使用しています。
※2 2022年は、6月8日現在の発生数です。

 

参考1:ラニーニャ現象

 ラニーニャ現象は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が平年より低くなる現象です。東風が平常時よりも強く、太平洋赤道域の西部に温かい海水がより厚く蓄積します。    この影響で、台風発生域の海面水温は平年より西寄りで高くなり、台風の発生位置が、平年に比べて西にずれる傾向があります。

図3:ラニーニャ現象 模式図

 

参考2:負のインド洋ダイポールモード現象

 負のインド洋ダイポールモード現象は、インド洋熱帯域南東部で海面水温が平年より高く、西部で平年より低くなる現象です。この海面水温の変化に伴い、インド洋東部では通常に比べて対流活動が活発になります。

図4:負のインド洋ダイポールモード現象 模式図

 

 

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