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ウェザーニューズ、「ゲリラ豪雨」の予想発生回数を47都道府県別に発表

ゲリラ豪雨の総発生回数は昨年比1.4倍、7月後半から増加

西日本を中心に暖かく湿った空気の影響を受けやすく、発生回数が増加

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、突発的かつ局地的に激しい雨や落雷をもたらす「ゲリラ豪雨」に対し、事前対策への意識を高め被害軽減につなげるため、「ゲリラ豪雨傾向2022」を発表しました。7〜9月のゲリラ豪雨は、全国でおよそ90,000回発生する予想です。昨年比1.4倍、過去5年平均比1.9倍で発生回数が増える予想です。暖かく湿った空気が流れ込みやすい西日本を中心に昨年よりも発生回数が増えて、昨年比で3倍近くとなるところもある予想です。7月後半から9月前半にかけて発生しやすい時期が続く見込みです。随時最新の雨情報をご確認ください。
毎年、突然の激しい雨や落雷による被害が全国各地で発生しています。ウェザーニューズでは、少しでも被害を減らすべく、継続的に情報を発信していきます。

▼ウェザーニュースウェブサイト「ゲリラ豪雨傾向2022」
https://weathernews.jp/s/topics/202207/040245/ 

ゲリラ豪雨発生傾向2022
<発生回数:全国の総発生回数は昨年比1.4倍>

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 2022年7~9月のゲリラ豪雨(※1)は、全国でおよそ90,000回発生する予想です(※2)。発生総数はおよそ60,000回発生した昨年と比べると1.4倍、過去5年平均と比べると1.9倍で、多くなる見込みです。
 西日本を中心に昨年よりも発生回数が増えて、佐賀県(2,000回)、大分県(2,300回)など昨年比で3倍近くとなるところもある見込みです。その他の人口が多いところでは、東京で800回、愛知で1,000回、大阪で400回となる見込みで、いずれも昨年並の回数となる予想です。
 雨雲の発生は山沿いがメインですが、平野部(都市部)にも流れ込んだり、直上で発生したりする場合があります。一回のゲリラ豪雨で、激しい雨による冠水や浸水、落雷による停電や交通機関のまひなど様々な被害が懸念されます。随時最新の雨情報をご確認ください。

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<発生時期:7月後半から9月前半にかけて多く発生>

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 ゲリラ豪雨は、太平洋高気圧周辺の湿った空気が流れ込む時や、上空の寒気が通過し大気の状態が不安定になる時に発生しやすい現象です。今シーズンのゲリラ豪雨は、7月後半から9月前半にかけて発生しやすい時期が続く見込みです。
 9月前半にかけて日本付近は高気圧に覆われて晴れる日が多くなる予想です。ただ、西日本を中心に高気圧の周囲をまわる湿った空気の影響や、地表面の昇温の影響を受けて、ゲリラ豪雨が発生しやすくなります。日差しが届いていても、天気の急変に注意が必要です。
 9月後半からは秋雨前線や台風の影響を受けて、突発的かつ局地的なゲリラ豪雨の発生は徐々に減少していき、ゲリラ豪雨のシーズンも終息に向かう見通しです。

 

<要因:暖かく湿った空気が入りやすい、西日本で発生回数が増加>

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 今シーズンは、太平洋高気圧が日本の北に張り出しやすいため、高気圧の周囲をまわる暖かく湿った空気が、西日本に入りやすい状況となります。そのため、ゲリラ豪雨は昨年に比べて、西日本で多くなる予想です。

 

 

 

 

エリア別のゲリラ豪雨傾向

北日本
北日本のゲリラ豪雨の総発生回数は、約20,000回の予想です。14,016回発生した昨年と比べると、およそ1.2倍で同程度です。発生ピークは7月下旬〜8月上旬、9月上旬の見込みです。
今年は高気圧の縁辺から流れ込む湿った空気や日中の昇温の影響で、太平洋側を中心にゲリラ豪雨の発生回数が多くなる見込みです。宮城県の発生回数は昨年比1.5倍の約1,200回、福島県は昨年比2.2倍の約5,400回を予想しています。
8月は湿った空気や日中の気温上昇により大気の状態が不安定になり、ゲリラ豪雨の発生回数が増えそうです。特に発生ピークとなる7月下旬〜8月上旬、9月上旬は天気の急変に十分ご注意ください。9月後半からは台風の影響を受ける可能性があるほか、次第に秋雨前線や移動性の高気圧の影響を受けるため、ゲリラ豪雨の発生回数は減少していきます。
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東日本
東日本のゲリラ豪雨の総発生回数は、約25,000回の予想です。20,578回発生した昨年と比べると、およそ1.2倍で同程度です。今年は8月からゲリラ豪雨が発生しやすく、特に8月上旬から9月上旬にかけて多くなりそうです。
甲信、東海では昨年とほぼ同程度となりますが、関東では発生回数が多くなる見込みです。茨城県の発生回数は昨年比2.7倍の約2,000回、神奈川県は昨年比2.4倍の約800回に増加する予想です。東京都は約800回、愛知県は約1,000回となる見込みで、昨年並の発生回数となりそうです。
8月は湿った空気や日中の気温上昇により大気の状態が不安定になり、ゲリラ豪雨が発生しやすくなります。発生が多くなる8月上旬〜9月上旬は天気の急変に十分ご注意ください。9月後半からは台風の影響を受ける可能性があるほか、次第に秋雨前線や移動性の高気圧の影響を受けるため、ゲリラ豪雨の発生回数は減少していきます。
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西日本
西日本のゲリラ豪雨の総発生回数は、約40,000回の予想です。24,243回発生した昨年と比べると、およそ1.8倍に増加します。発生ピークは8月上旬〜中旬の見込みです。
九州や中四国を中心にゲリラ豪雨の発生回数が多くなる見込みです。佐賀県の発生回数は昨年比3倍の約2,000回、大分県は昨年比2.7倍の約2,300回を予想しています。大阪府は約400回となる見込みで、昨年並の発生回数となりそうです。
8月は湿った空気や日中の気温上昇により大気の状態が不安定になり、ゲリラ豪雨が発生しやすくなります。特に発生ピークとなる8月上旬〜中旬は天気の急変に十分ご注意ください。9月後半からは台風の影響を受ける可能性があるほか、次第に秋雨前線や移動性の高気圧の影響を受けるため、ゲリラ豪雨の発生回数は減少していきます。
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※1 「ゲリラ豪雨」について
ウェザーニューズでは減災を目指す上でより広く認知いただくため、一般あるいはメディアでよく使用されている「ゲリラ豪雨」を局地的大雨を指す言葉として使用しています。
※2 「ゲリラ豪雨」発生回数の求め方
「ゲリラ豪雨」をもたらす雨雲・雷雲は、前線に伴って移動してくる雨雲とは異なり、“突発的”かつ“局地的”に発達するのが特徴です。また、限られた数しか設置されていないアメダス(全国約1,300か所)では、全ての降雨を正確に観測することは困難です。そこで当社では、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられた“ザーザー”以上の降雨報告(※3)と、その時の気象データの分析結果から、ユーザーがゲリラ豪雨と感じる雨の時間変化の基準を求め、求めた基準をもとにゲリラ豪雨をカウントしています。
<基準>
11mm/h以上の降水強度を持つ雨について120分前までの降水強度が以下の基準値(表1)に当てはまる事例を対象とする
時間
閾値
10分前
14mm/h以下
20分前
3mm/h以下
30〜40分前
1mm/h以下
50〜120分前
0mm/h以下
表1:「ゲリラ豪雨」判定基準
 
※3 降雨報告について
スマホアプリ「ウェザーニュース」を通し、“ポツポツ”、“パラパラ”、“サー”、“ザーザー”、“ゴォー”の5段階で報告されます。

 

都道府県別のゲリラ豪雨傾向

エリア
都道府県
2022年
2021年(回)
過去5年平均(回)
発生回数
2021年比(倍)
過去5年平均比(倍)
北日本
北海道
5,000
1.0
1.2
4,869
4,023
青森県
1,300
1.4
1.9
931
682
秋田県
1,300
0.7
1.3
1,891
1,014
岩手県
2,100
1.3
2.0
1,647
1,068
山形県
1,200
0.8
1.3
1,415
943
宮城県
1,200
1.5
1.6
788
743
福島県
5,400
2.2
2.6
2,475
2,063
東日本
茨城県
2,000
2.7
2.7
753
738
栃木県
2,000
1.5
1.6
1,373
1,259
群馬県
1,800
1.4
1.7
1,272
1,062
千葉県
1,100
1.7
1.7
650
636
東京都
800
1.0
1.1
807
748
埼玉県
1,200
2.2
2.3
555
527
神奈川県
800
2.4
2.3
332
348
山梨県
700
1.1
1.3
612
556
長野県
2,200
0.8
1.6
2,602
1,410
静岡県
1,500
1.0
1.3
1,540
1,182
愛知県
1,000
0.8
1.0
1,275
1,007
岐阜県
2,200
0.8
1.2
2,613
1,900
三重県
1,200
0.9
1.1
1,388
1,125
新潟県
2,300
1.2
1.4
1,998
1,678
富山県
1,400
1.5
2.0
960
712
石川県
1,200
1.2
1.9
978
622
福井県
900
1.0
1.5
870
589
西日本
滋賀県
700
1.0
1.1
701
662
京都府
1,400
1.5
1.7
914
821
奈良県
900
1.0
1.3
890
714
兵庫県
2,500
1.7
2.0
1,511
1,250
大阪府
400
1.2
1.4
342
293
和歌山県
900
1.0
1.3
928
705
鳥取県
1,200
1.8
2.5
679
487
島根県
2,500
2.3
2.7
1,110
922
岡山県
2,100
2.0
2.0
1,070
1,068
広島県
2,100
1.5
1.5
1,445
1,385
山口県
3,300
2.5
3.5
1,325
944
香川県
700
2.2
2.5
319
282
徳島県
1,200
1.7
2.3
710
511
愛媛県
1,900
2.1
2.4
926
776
高知県
2,700
2.3
3.1
1,175
882
福岡県
3,800
2.6
5.3
1,480
718
大分県
2,300
2.7
3.5
841
654
佐賀県
2,000
3.0
6.9
659
291
長崎県
2,700
1.8
2.9
1,484
924
熊本県
2,400
1.6
2.6
1,493
936
宮崎県
2,300
1.5
2.0
1,574
1,131
鹿児島県
3,400
1.3
1.8
2,667
1,924
南西諸島
沖縄県
5,700
1.2
1.7
4,678
3,437
全国(合計)
90,900
1.4
1.9
63,515
48,352
* 本傾向は、ウェザーニューズの長期予報と類似年の過去データを元に、統計的に算出したものです。
* 発生回数は7月1日~9月30日の期間で算出しています。

 

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