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第三回花粉飛散傾向を発表 都道府県ごとの飛散開始と飛散量を予想

2月上旬にスギ花粉の飛散開始、西日本を中心に昨年比で飛散量増

飛散ピークはスギ花粉が2月下旬から、ヒノキ花粉が3月下旬から

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区 代表取締役社長:草開千仁)は2023年の花粉シーズンを間近に控え、「第三回花粉飛散傾向」(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)を発表しました。
2月に入るとすぐに関東、2月上旬に九州・近畿・東海の一部でスギ花粉の飛散が始まり、2月中旬には中国・四国や近畿・東海の広範囲、東北南部の一部でも飛び始める予想です。飛散ピークは西日本・東日本の広範囲でスギ花粉が2月下旬から、ヒノキ花粉が3月下旬からの予想です。
飛散量は西日本や東海、関東で2022年よりも多くなる予想です。西日本では2022年の1.7倍程度で、九州や中国・四国では2倍以上の飛散量になるところもあります。一方、昨年飛散が多かった北陸や北日本では少なくなる予想です。飛散量が多くなるエリアでは花粉症の症状が重くなるおそれがありますので、万全な対策を行ってください。

<ポイント>
1. 2月上旬に関東や九州・近畿・東海の一部でスギ花粉の飛散開始
2. 飛散ピークはスギ花粉が2月下旬から、ヒノキ花粉が3月下旬から
3. 飛散量は西日本や東海、関東で2022年よりも多い予想、北陸や北日本では少ない予想

▼ウェザーニュースウェブサイト「花粉Ch.」
https://weathernews.jp/s/pollen/

2023年「第三回花粉飛散傾向」

1.飛散開始時期:2月上旬に関東や九州・近畿・東海の一部でスギ花粉の飛散開始

2月に入るとすぐに関東、2月上旬に九州・近畿・東海の一部でスギ花粉の飛散が始まり、2月中旬には中国・四国や近畿・東海の広範囲と、東北南部の一部でも飛散が始まる見込みです。2月下旬になると北陸、東北北部の一部でも飛散が始まり、3月上旬には東北北部の全域で飛散が始まる予想です。
スギの雄花は冬の寒さを経験することで休眠から目覚め(休眠打破)、寒さがピークを過ぎて暖かくなると花粉を飛ばし始めます。このため、冬の適度な寒さと春の気温の上昇が飛散開始のタイミングを左右します。
2022年12月の気温は平年を下回ったエリアが多く、西日本を中心に寒さが厳しくなりました。2023年1月の気温は今のところ平年並か平年よりもやや高いエリアが多くなっていますが、1月下旬はこの冬最も厳しい寒波となる見込みで、休眠打破は十分に行われるとみています。
花粉の飛散開始に影響する2023年2月の気温は、東北から関東では平年並か高く、北陸や東海から九州では平年並となる予想です。このため、花粉の飛散開始は平年並かやや早くなる見込みです。最新の予想を踏まえて東北から関東、四国の飛散開始予報を12月発表から更新しています。

 

2.飛散ピーク時期:スギ花粉が2月下旬から、ヒノキ花粉が3月下旬から

スギ花粉の飛散ピークは、九州で2月下旬〜3月中旬、中国・四国から関東は2月下旬〜3月下旬の予想です。北陸・長野や東北南部では3月上旬〜4月上旬、東北北部では3月中旬〜4月下旬になるとみています。
3月後半に入るとスギ花粉の飛散は徐々に収まり、代わって西日本からヒノキ花粉の飛散が増えていきます。ヒノキ花粉の飛散ピークは九州から関東で3月下旬〜4月中旬、東海で4月上旬〜中旬、北陸・長野は4月上旬〜下旬、東北南部は4月中旬〜下旬とみています。なお、北陸や東北南部ではヒノキの樹木が少ないため、スギ花粉に比べると飛散量が少なくなる見込みです。

 

3.飛散量:関東以西で2022年よりも多い予想、北陸や北日本では少ない予想

2023年春の花粉飛散量は北陸や北日本で2022年より少なくなるものの、西日本や東海、関東で多くなる予想です。西日本では2022年の1.7倍程度で、九州や中国・四国では2倍以上の飛散量になるところもあります。一方、2022年に飛散量が多かった北陸や北日本では飛散量が減少し、2022年の半分以下になるところもあるとみています。
平年比(2013〜2022年の飛散量平均との比較)でも西日本や関東ではやや多く、北日本はやや少ない予想です。全国平均では平年比116%となる予想です。

 

4.2023年の花粉飛散傾向の予想の根拠

ウェザーニューズでは、前年の夏の天候や年ごとの飛散量の傾向、アプリ「ウェザーニュース」のユーザーと共に行った雄花調査の結果、冬の天候の実績や予想を総合的に考慮して、2023年の花粉飛散傾向を予想しています。2023年の花粉飛散傾向の予想の根拠は以下の通りです。

①前年夏の天候の実績
2022 年夏は暖かい空気に覆われた日が多くなったため、平均気温は全国的に平年を上回りました。西日本では太平洋側を中心に日照時間が平年を上回り、雄花の生長に適した天候となりました。東日本の日照時間は概ね平年並でした。北日本では日照時間が平年をやや下回り、雄花の生長にはやや不向きな天候となりました。

②年ごとの飛散量の増減傾向
2022年は北陸や北日本を除いて飛散量が前年を下回り、広い範囲で「裏年」となりました。2023年はその反動で多くのエリアで飛散量の多い「表年」となり、東北北部や北海道では飛散量の少ない「裏年」となるとみています。

③雄花調査
2022年11月にアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから募集した雄花リポートを集計した結果、雄花の数が「昨年より多い」や「昨年と同程度」という回答がより多く寄せられ、「昨年より少ない」という回答は比較的少なくなりました。本発表ではこれらの雄花調査の回答を考慮し、2023年の予想飛散量を前回発表(12/1 発表)から一部更新しています。

④冬の天候の実績・予想
2022年12月は西日本・東日本を中心に低温傾向となりました。2023年1月はこれまでのところ平年よりも高く推移しているものの、下旬にはこの冬最も強い寒波が予想されています。このため雄花の休眠打破は十分に行われるとみています。2月以降の気温は西日本で概ね平年並、東日本と北日本は平年並か平年より高くなる予想で、飛散開始は平年並かやや早い予想となっています。

※本プレスリリースでは、以下のように定義しています。
 天候の平年           :1991〜2020年の過去30年平均
 花粉飛散の平年    :2013〜2022年の過去10年平均
 花粉シーズン開始(花粉飛散開始):
 独自花粉観測機「ポールンロボ」の3割以上が1日10個以上の花粉を2日観測。
 また、アプリ「ウェザーニュース」のユーザーからの症状報告も加味しています。

 

エリア別の2023年花粉飛散傾向

九州:飛散量は2022年比で大幅増 2月上旬から飛び始め
花粉飛散量は平年の132%、2022年シーズンの160%になる予想です。2022年よりも飛散量が大幅に増える傾向で、宮崎県など太平洋側では2倍以上の飛散量になるところもあるため、万全な対策を行ってください。
断続的に寒気が流れ込んで休眠打破が適度に起こり、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散時期に影響が大きい2月の気温は平年並となる予想です。花粉の飛散開始時期は過去10年と比べると同程度で、長崎県など早いエリアで2月上旬、2月中旬には広範囲で飛散が始まると予想しています。その後2月下旬〜3月中旬にスギ花粉、3月下旬〜4月中旬にヒノキ花粉の飛散ピークを迎える見込みです。
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中国・四国:飛散量は2022年比で大幅増 飛散開始は2月中旬
花粉飛散量は平年の151%、2022年シーズンの186%になる予想です。2022年よりも飛散量が大幅に増える傾向で、2倍以上の飛散量になるところもあるため、万全な対策を行ってください。
断続的に寒気が流れ込んで休眠打破が適度に起こり、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散時期に影響が大きい2月の気温は平年並となる予想です。花粉の飛散開始時期は過去10年と比べると同程度で、2月中旬と予想しています。その後2月下旬〜3月下旬にスギ花粉、3月下旬〜4月中旬にヒノキ花粉の飛散ピークを迎える見込みです。
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近畿:飛散量は2022年比で大幅増 2月上旬から飛び始め
花粉飛散量は平年の122%、2022年シーズンの157%になる予想です。2022年よりも飛散量が大幅に増える傾向のため、万全な対策を行ってください。
断続的に寒気が流れ込んで休眠打破が適度に起こり、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散時期に影響が大きい2月の気温は平年並となる予想です。花粉の飛散開始時期は過去10年と比べると同程度で、和歌山県南部など早いエリアでは2月上旬、大阪など多くのエリアでは2月中旬と予想しています。その後2月下旬〜3月下旬にスギ花粉、3月下旬〜4月中旬にヒノキ花粉の飛散ピークを迎える見込みです。
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東海:飛散量は平年・昨年を上回る予想 2月上旬から飛び始め
花粉飛散量は平年の104%、2022年シーズンの115%になる予想です。2022年に飛散量が少なかった三重県では2022年よりも飛散量が大幅に増えると予想しています。晴れて風の強い日には花粉が大量に飛散するため、シッカリと対策をするようにしてください。
断続的に寒気が流れ込んで休眠打破が適度に起こり、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散時期に影響が大きい2月の気温は平年並となる予想です。花粉の飛散開始時期は過去10年と比べると同程度で、静岡県など早いエリアでは2月上旬、愛知県などでは2月中旬と予想しています。その後2月下旬〜3月下旬にスギ花粉、4月上旬〜中旬にヒノキ花粉の飛散ピークを迎える見込みです。
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関東・山梨:飛散量は平年・昨年を上回る予想 飛散開始は2月上旬
花粉飛散量は平年の122%、2022年シーズンの141%になる予想です。雄花調査で報告された雄花の生育状況を勘案し、前回発表よりも予想飛散量が多くなっているエリアがあります。平年や2022年よりも飛散量が多くなる予想ですので、シッカリと対策をするようにしてください。
断続的に寒気が流れ込んで休眠打破が適度に起こり、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散時期に影響が大きい2月の気温は平年並か高い予想です。花粉の飛散開始時期は過去10年と比べると同程度かやや早く、広範囲で2月上旬と予想しています。2月下旬〜3月下旬にスギ花粉、3月下旬〜4月中旬にヒノキ花粉の飛散ピークを迎える見込みです。
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北陸・長野:飛散開始は2月下旬 飛散量は2022年を下回る予想
花粉飛散量は平年の104%、2022年シーズンの88%になる予想です。長野県では飛散量が平年や2022年よりも多くなると予想しています。エリア全体の総飛散量は2022年よりもやや少なくなる予想ですが、晴れて風の強い日には花粉が大量に飛散することがあるため、油断せずに対策をするようにしてください。なお、北陸で春に飛散する花粉はスギがメインで、ヒノキ花粉は比較的少ない傾向にあります。
断続的に寒気が流れ込んで休眠打破が適度に起こり、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散時期に影響が大きい2月の気温は平年並となる予想です。花粉の飛散開始時期は過去10年と比べると同程度で、2月下旬と予想しています。3月上旬〜4月上旬にスギ花粉、4月上旬〜下旬にヒノキ花粉の飛散ピークを迎える見込みです。
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東北南部:2月中旬から飛び始め 飛散量は2022年比で減少
花粉飛散量は平年の79%、2022年シーズンの58%になる予想です。総飛散量は平年や2022年よりも少なくなる予想ですが、晴れて風の強い日には花粉が大量に飛散することがあるため、油断せずに対策をするようにしてください。なお、東北南部で春に飛散する花粉はスギがメインで、ヒノキ花粉は比較的少ない傾向にあります。
断続的に寒気が流れ込んで休眠打破が適度に起こり、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散時期に影響が大きい2月の気温は平年並か高くなる予想です。花粉の飛散開始時期は過去10年と比べると同程度かやや早く、早ければ2月中旬にも太平洋側から花粉シーズンに入ると予想しています。3月上旬〜4月上旬にスギ花粉、4月中旬〜下旬にヒノキ花粉の飛散ピークを迎える見込みです。
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東北北部:2月下旬から飛び始め 大量飛散の反動で飛散量は大幅減
スギ花粉の飛散量は平年の72%、2022年シーズンの29%になる予想です。記録的な大量飛散となった2022年に比べると総飛散量は大幅に減少するものの、晴れて風の強い日には花粉が大量に飛散することがあります。油断せずに対策をするようにしてください。なお、東北北部で春に多く飛散する花粉はスギ花粉で、ヒノキ花粉はほとんど飛散しません。
断続的に寒気が流れ込んで休眠打破が適度に起こり、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散時期に影響が大きい2月から3月はじめの気温は平年並か高くなる予想です。花粉の飛散開始時期は過去10年と比べると同程度かやや早く、早ければ2月下旬には太平洋側から花粉シーズンに入ると予想しています。飛散ピークは3月中旬〜4月下旬で、その後飛散量が段々と少なくなる見込みです。
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北海道:4月中旬から飛び始め 飛散量は2022年比で減少
シラカバ花粉の飛散量は平年の70%、2022年シーズンの77%となる予想です。総飛散量は2022年よりも少なくなる予想ですが、晴れて風の強い日には花粉が大量に飛散することがあるので、油断せずに対策をするようにしてください。
4月以降、寒さが緩むタイミングでシラカバ花粉が飛び始めます。飛散時期に影響が大きい4月の気温は平年並か高くなる予想です。花粉の飛散開始時期は過去10年と比べるとやや早くなる予想で、道南や道央など早い所では4月中旬、その他のエリアでも4月下旬から5月にかけてシラカバ花粉のシーズンに入るとみています。飛散ピークは道南や道央エリアでゴールデンウィーク前後、道北や道東では5月中旬頃で、5月下旬になると段々と飛散量は少なくなる見込みです。
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都道府県別の2023年花粉飛散傾向

エリア
都道府県
花粉飛散量
(2022年比:%)
花粉飛散量
(平年比:%)
花粉シーズン
開始予想
花粉シーズン
終了予想
北海道
北海道
77
70
4月中旬
6月中旬
東北北部
青森県
28
71
3月上旬
5月上旬
岩手県
33
71
3月上旬
5月上旬
秋田県
29
74
3月上旬
5月上旬
東北南部
宮城県
58
76
2月下旬
5月上旬
山形県
51
84
2月下旬
5月上旬
福島県
65
77
2月中旬
5月上旬
関東・山梨
茨城県
134
125
2月上旬
5月上旬
栃木県
153
129
2月上旬
5月上旬
群馬県
156
125
2月上旬
5月上旬
埼玉県
140
125
2月上旬
5月上旬
千葉県
172
125
2月上旬
5月上旬
東京都
142
130
2月上旬
5月上旬
神奈川県
114
121
2月上旬
5月上旬
山梨県
132
99
2月上旬
5月上旬
北陸・長野
長野県
123
114
2月下旬
5月中旬
新潟県
69
96
2月下旬
5月上旬
富山県
80
90
2月下旬
5月上旬
石川県
84
111
2月下旬
5月上旬
福井県
82
106
2月下旬
5月上旬
東海
静岡県
96
102
2月上旬
5月上旬
愛知県
125
110
2月中旬
5月上旬
岐阜県
110
109
2月中旬
5月上旬
三重県
154
98
2月中旬
5月上旬
近畿
滋賀県
185
139
2月下旬
5月上旬
京都府
130
121
2月中旬
5月上旬
大阪府
195
127
2月中旬
5月上旬
兵庫県
130
115
2月中旬
5月上旬
奈良県
175
105
2月中旬
5月上旬
和歌山県
149
124
2月中旬
5月上旬
中国・四国
岡山県
164
131
2月中旬
5月上旬
広島県
223
142
2月中旬
5月上旬
鳥取県
96
125
2月中旬
5月上旬
島根県
169
149
2月中旬
5月上旬
山口県
162
146
2月中旬
4月下旬
徳島県
277
157
2月中旬
5月上旬
香川県
165
144
2月中旬
5月上旬
愛媛県
225
170
2月中旬
5月上旬
高知県
280
191
2月中旬
5月上旬
九州
福岡県
101
116
2月上旬
4月下旬
佐賀県
115
127
2月中旬
4月下旬
長崎県
116
118
2月上旬
4月下旬
大分県
273
159
2月上旬
4月下旬
熊本県
136
119
2月中旬
4月下旬
宮崎県
358
147
2月上旬
4月下旬
鹿児島県
187
130
2月中旬
4月下旬
全 国
112
116

 

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