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第三回花粉飛散傾向を発表 都道府県ごとの飛散開始と飛散量を予想

【第三回花粉飛散傾向】1月下旬にスギ花粉の飛散開始、飛散量は平年並〜平年を上回る予想

本格飛散はスギ花粉が2月中旬から、ヒノキ花粉は3月中旬から

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区 代表取締役社長:草開千仁)は、花粉シーズンを間近に控え、「第三回花粉飛散傾向」(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)を発表しました。
今シーズンは暖冬の影響で全国的に飛散開始が早まる見込みです。1月下旬に九州や東京を含む関東などでスギ花粉の飛散が始まり、2月上旬には西日本と東日本の太平洋側を中心に広範囲で飛散が始まります。すでに微量な花粉が飛んでおり、ウェザーニューズが1月11日に行った調査では、九州から東北で花粉症の方の4割以上が花粉の飛散を感じていることがわかりました(※1)。本格的な飛散はスギ花粉が2月中旬から、ヒノキ花粉が3月中旬からの予想です。飛散量は北日本の一部を除いた広範囲で2023年よりも少なくなるものの、平年(過去10年の平均)と比べると平年並〜平年を上回るエリアが多い予想です。油断せずに対策をシッカリと行ってください。
なお、本花粉飛散傾向では、過去の花粉飛散量や夏の天候、冬から春の天候、ウェザーニューズ独自のスギの雄花調査の結果に加えて、昨年12月末に発表された環境省のスギ雄花花芽調査の結果をもとに予想を作成しています。ウェザーニューズでは、2023年に閣議決定された「花粉症対策の全体像」および「初期集中対応パッケージ」(※2)に基づき各省庁から公開されるデータを積極的に活用し、花粉の予報精度向上や情報の充実化に取り組んでいきます。

※1 アプリ「ウェザーニュース」の利用者へのアンケート調査(調査日:1月11日、回答者数:10,723人、北海道・沖縄を除く)
※2 内閣官房 花粉症に関する関係閣僚会議:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kafun/index.html

 

ポイント>
1. 暖冬で飛散開始が早まり、1月下旬から九州や中国、東海、関東の一部でスギ花粉の飛散開始
2. スギ花粉は2月中旬から、ヒノキ花粉は3月中旬から本格的に飛散
3. 夏の高温・多照で雄花の生育が促され、飛散量は全国的に平年並〜平年を上回る予想

 

2024年「第三回花粉飛散傾向」

<暖冬で飛散開始が早まる、1月下旬から福岡や東京などでスギ花粉の飛散開始>

スギの雄花は冬の寒さを経験することで休眠から目覚め(休眠打破)、その後は暖かさに促されて生長し、花粉を飛ばし始めます。
昨年12月の気温は全国的に平年より高い傾向となりましたが、断続的に流れ込んだ寒気により、すでに多くの地域で休眠打破が起こっていると考えられます。休眠から目覚めた雄花は花粉飛散開始に向けて徐々に生長し、この時期の気温が高いほど生長が早く進みます。1月前半の気温は平年より高くなりました。1月後半から2月にかけては一時的に強い寒気の影響を受ける時期があるものの、総じて暖冬傾向が継続する見込みです。このため、花粉の飛散開始は平年と比べるとほぼ全国的に早くなる予想です。
1月下旬には九州や中国、東海、関東の一部でスギ花粉の飛散が始まります。2月上旬には西日本と東日本の太平洋側を中心に広範囲で飛散が開始する予想です。2月中旬には北陸や東北南部、2月下旬から3月上旬には東北北部でも飛散が始まるとみています。なお、詳細な飛散開始時期は1月下旬以降の気象動向に大きく左右されるため、最新の情報をご確認ください。

 

<スギ花粉は2月中旬から、ヒノキ花粉は3月中旬から本格的に飛散>

スギ花粉が本格的に飛散するのは九州で2月中旬〜3月上旬、中国・四国や近畿、東海、関東・山梨は2月中旬〜3月中旬の予想です。北陸・長野や東北南部では2月下旬〜3月下旬、東北北部では3月上旬〜4月中旬になるとみています。九州など早い所では3月中旬に入るとスギ花粉の飛散は徐々に収まり、代わって西日本や東日本ではヒノキ花粉の飛散が増えていきます。
ヒノキ花粉が本格的に飛散するのは九州で3月中旬〜4月上旬、中国・四国で3月中旬〜4月中旬、近畿から関東・山梨で3月下旬〜4月中旬、東北南部は4月上旬〜中旬とみています。ただ、北陸や東北南部ではヒノキの樹木が少ないため、スギ花粉に比べると飛散量が少なくなる見込みです。
北海道でシラカバ花粉の飛散が本格化するのは4月下旬〜5月中旬の予想で、ちょうどゴールデンウィークと重なる可能性があります。
なお、スギ花粉の本格飛散開始は、2月の気象動向に大きく左右され、気温が高い状態が継続すると、飛散開始の直後に本格飛散開始となることがあります。最新の情報をご確認ください。

 

<飛散量:全国的に平年並〜平年を上回る予想>

花粉飛散量は、平年と比べると、近畿から東北では平年をやや上回るエリアが多く、九州南部と中国・四国では平年並のエリアが多くなります。北海道では平年の約2倍と飛散量が多くなる予想です。全国平均では平年比で125%となる予想です。
2023年と比べると、北日本の一部では2023年を大きく上回るものの、その他のエリアでは広範囲で2023年を下回る予想です。2023年の飛散量が記録的に少なかった北海道ではその反動で2023年の約6倍の飛散量になる予想です。一方、2023年に飛散量が多かった西日本や関東では飛散量が減少し、2023年の半分程度になる地域もあるとみています。全国平均では2023年比で67%となる予想です。
なお、今回の発表では環境省によるスギ雄花花芽調査の結果を踏まえて飛散量予想を再検討し、前回発表から一部更新しています。

 

<2024年の花粉飛散傾向の予想の根拠>

ウェザーニューズでは、前年の夏の天候や年ごとの飛散量の傾向、アプリ「ウェザーニュース」のユーザーと共に行った雄花調査、環境省のスギ雄花花芽調査、冬の天候の実績や予想を総合的に考慮して、2024年の花粉飛散傾向を予想しています。2024年の花粉飛散傾向の予想の根拠は以下の通りです。

① 前年夏の天候の実績
2023年夏は暖かい空気に覆われた日が多くなったため、気温は北日本や東日本、西日本で平年に比べてかなり高くなりました。東北や東日本では太平洋高気圧の影響で晴れた日が多くなったため、日照時間も平年を大きく上回り、雄花の生長に適した夏となりました。一方、前線や台風の影響を受けた九州や四国では日照時間が平年並か平年をやや下回りました。

② 年ごとの飛散量の増減傾向
花粉の飛散量は周期的に増減し、花粉の飛散が多い期間と少ない期間が交互に訪れる傾向があります。飛散量が多い年を「表年」、少ない年を「裏年」と呼びます。エリアによって増減の周期は異なり、「表年」「裏年」も異なります。夏の天候の影響で「表年」「裏年」の区別が不明確になる年もあります。2023年は西日本と東日本を中心に飛散量が多くなりました。その反動で2024年の飛散量は前年を下回る「裏年」になると見込んでいます。一方、北海道や東北北部では2023年の飛散量が前年を下回る地域が多くなったため、2024年は「表年」となり、飛散量が2023年を上回る地域が多くなると予想しています。

③ 雄花調査
11月4日~19日にウェザーニュースアプリのユーザーから寄せられたスギの“雄花リポート”を集計した結果、雄花の付き方について上から2番目に高いランクである「全体に雄花が出来ている」という回答が最も多くなり、最も高いランクである「全体に雄花が出来ており、密度も高い」は最も低いランクの「雄花が観察されない」より3倍近く多くなりました。これらの結果に加えて、12月22日に発表された環境省のスギ雄花花芽調査の結果も踏まえて見解を組み立てています。

④ 冬の天候の実績・予想
2023年12月は寒気と暖気の出入りが顕著となり、気温のアップダウンが大きくなりました。ただ、全体的には気温は高い傾向にあり、特に東日本では平年よりも1℃以上高くなる地点が多くなりました。2024年1月もこれまでのところ高温傾向が続いており、2月にかけても気温は平年を上回ると予想しています。このため、スギ花粉の飛散開始時期は全国的に平年よりも早くなると予想しています。

 

参考:ウェザーニュース「花粉、感じてる?」調査結果

アプリ「ウェザーニュース」の利用者に「花粉、感じてる?」と質問し、“花粉症ではない”“感じない”“ちょっと感じる”“けっこう感じる”から回答いただきました(調査日:1月11日、回答者数:10,723人、北海道・沖縄を除く)。“花粉症ではない”と回答した方を除くと、全国の41%が“ちょっと感じる”“けっこう感じる”と回答しました。

 

エリア別の2024年花粉飛散傾向

北海道:前年比6倍の大量飛散予想、4月中旬に飛散開始
春にかけての気温は平年より高い傾向で、4月以降の寒さが緩むタイミングでシラカバ花粉が飛び始めます。飛散開始は平年と比べるとやや早くなる予想で、道南や道央など早い所では4月中旬、その他のエリアでも4月下旬から5月にかけてシラカバ花粉のシーズンに入るとみています。本格飛散は道南や道央でゴールデンウィーク前後、道北や道東では5月上旬〜中旬で、5月下旬になると段々と飛散量が少なくなる見込みです。
2023年の夏は暖かい空気に覆われる日が多く、気温は平年に比べてかなり高くなりました。日照時間も平年を上回り、雄花の生長に適した天候となりました。また、2023年の飛散量は平年、前年を大きく下回りました。このため、2024年は飛散量が前年より多くなる「表年」になると見込んでいます。飛散量は2023年の593%、平年の202%になる予想です。飛散量が多くなり、花粉症の症状が重くなる可能性があります。特に晴れて風が強い日には花粉が大量に飛散するため、しっかりと対策をするようにしてください。
 
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東北北部:2月下旬から飛散開始、飛散量は2023年比で大幅増
断続的に流れ込んだ寒気によりスギの雄花の休眠打破はすでに起こっていると考えられます。休眠から目覚めた雄花は開花に向けて生長を再開し、気温が高いほど生長が早く進みます。特に影響が大きい2月から3月初めの気温は平年より高い傾向で、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散開始は平年よりも早く、2月下旬~3月上旬に花粉シーズンに入ると予想しています。本格飛散は3月上旬〜4月中旬で、その後は段々と飛散量が少なくなる見込みです。なお、東北北部ではスギ花粉の飛散が中心となり、ヒノキ花粉はほとんど飛散しません。
2023年の夏は暖かい空気に覆われる日が多く、気温は平年に比べてかなり高くなりました。日照時間も平年を上回り、雄花の生長に適した天候となりました。また、2023年は青森県や秋田県では飛散量が平年、前年を下回り、岩手県では平年を上回ったものの前年より少なくなりました。このため、2024年は飛散量が前年より多くなる「表年」になると見込んでいます。飛散量は2023年の148%、平年の145%になる予想です。特に青森県や秋田県では2023年の2倍近い飛散量になる予想です。晴れて風が強い日には一段と多くの花粉が飛散するため、シッカリとした花粉症対策をするようにしてください。今回、環境省のスギ雄花花芽調査の結果を踏まえ飛散量予想を再検討し、岩手県の飛散量を前回発表から更新しています。
 
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東北南部:2月中旬から飛散開始、飛散量は平年を上回る予想
断続的に流れ込んだ寒気によりスギの雄花の休眠打破はすでに起こっていると考えられます。休眠から目覚めた雄花は開花に向けて生長を再開し、気温が高いほど生長が早く進みます。特に影響が大きい2月の気温は平年より高い傾向で、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散開始は平年よりも早く、2月中旬~下旬に花粉シーズンに入ると予想しています。スギ花粉の本格飛散は2月下旬〜3月下旬、ヒノキ花粉の本格飛散は4月上旬~中旬で、その後は段々と飛散量が少なくなる見込みです。東北南部ではスギ花粉の飛散が中心となり、ヒノキ花粉の飛散は比較的少ない傾向にあります。
2023年の夏は暖かい空気に覆われる日が多く、気温は平年に比べてかなり高くなりました。日照時間も平年を大きく上回り、雄花の生長に適した天候となりました。また、2023年の飛散量は平年、前年を大きく上回りました。このため、2024年は飛散量が前年より少なくなる「裏年」になると見込んでいます。飛散量は2023年の59%、平年の128%になる予想です。大量飛散の翌年にあたるため2023年に比べると飛散量は少なくなるものの、夏の高温・多照が影響し平年よりはやや多くなる予想です。特に晴れて風が強い日には大量の花粉が飛散するため、シッカリとした花粉症対策をするようにしてください。今回、環境省のスギ雄花花芽調査の結果を踏まえ飛散量予想を再検討しましたが、前回の発表から変更はありません。
 
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関東・山梨:1月下旬から飛散開始、飛散量は平年を上回る予想
断続的に流れ込んだ寒気によりスギの雄花の休眠打破はすでに起こっていると考えられます。休眠から目覚めた雄花は開花に向けて生長を再開し、気温が高いほど生長が早く進みます。特に影響が大きい1月から2月の気温は平年より高い傾向で、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散開始は平年よりも早く、早いところでは1月下旬から、広範囲では2月上旬から花粉シーズンに入ると予想しています。スギ花粉の本格飛散は2月中旬〜3月中旬、ヒノキ花粉の本格飛散は3月下旬~4月中旬で、その後は段々と飛散量が少なくなる見込みです。
2023年の夏は暖かい空気に覆われる日が多く、気温は平年に比べてかなり高くなりました。日照時間も平年を大きく上回り、雄花の生長に適した天候となりました。また、2023年の飛散量は平年、前年を大きく上回りました。このため、2024年は飛散量が前年より少なくなる「裏年」になると見込んでいます。飛散量は2023年の62%、平年の121%になる予想です。大量飛散の翌年にあたるため2023年に比べると飛散量は少なくなるものの、夏の高温・多照が影響し平年に比べると同程度かやや多くなる予想です。特に晴れて風が強い日には大量の花粉が飛散するため、シッカリとした花粉症対策をするようにしてください。今回、環境省のスギ雄花花芽調査の結果を踏まえ飛散量予想を再検討しましたが、前回の発表から変更はありません。
 
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北陸・長野:2月中旬から飛散開始、飛散量は平年を上回る予想
断続的に流れ込んだ寒気によりスギの雄花の休眠打破はすでに起こっていると考えられます。休眠から目覚めた雄花は開花に向けて生長を再開し、気温が高いほど生長が早く進みます。特に影響が大きい2月の気温は平年より高い傾向で、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散開始は平年よりも早く、2月中旬に花粉シーズンに入ると予想しています。スギ花粉の本格飛散は2月下旬〜3月下旬、ヒノキ花粉の本格飛散は3月下旬~4月中旬で、その後は段々と飛散量が少なくなる見込みです。なお、北陸エリアではスギ花粉の飛散が中心となり、ヒノキ花粉の飛散は比較的少ない傾向にあります。
2023年の夏は暖かい空気に覆われる日が多く、気温は平年に比べてかなり高くなりました。日照時間も平年を大きく上回り、雄花の生長に適した天候となりました。また、2023年の飛散量は平年、前年を大きく上回りました。このため、2024年は飛散量が前年より少なくなる「裏年」になると見込んでいます。飛散量は2023年の58%、平年の129%になる予想です。大量飛散の翌年にあたるため2023年に比べると飛散量は少なくなるものの、夏の高温・多照が影響し平年に比べると多くなる予想です。油断することなく、シッカリとした花粉症対策をするようにしてください。今回、環境省のスギ雄花花芽調査の結果を踏まえ飛散量予想を再検討し、北陸エリアの飛散量を前回発表から更新しています。
 
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東海:1月下旬から飛散開始、飛散量は平年を上回る予想
断続的に流れ込んだ寒気によりスギの雄花の休眠打破はすでに起こっていると考えられます。休眠から目覚めた雄花は開花に向けて生長を再開し、気温が高いほど生長が早く進みます。特に影響が大きい1月から2月の気温は平年より高い傾向で、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散開始は平年よりも早く、早いところでは1月下旬から、2月中旬にかけて広範囲で花粉シーズンに入ると予想しています。スギ花粉の本格飛散は2月中旬〜3月中旬、ヒノキ花粉の本格飛散は3月下旬~4月中旬で、その後は段々と飛散量が少なくなる見込みです。
2023 年の夏は暖かい空気に覆われる日が多く、気温は平年に比べて高くなりました。日照時間も平年を上回り、雄花の生長に適した天候となりました。また、2023年の飛散量は平年、前年を上回りました。このため2024年は「裏年」傾向となりますが、夏が雄花の生長に適した天候となったため飛散量の減少は限定的になるとみています。飛散量は2023年の91%、平年の136%になる予想です。2023年と比べると同程度ですが、夏の高温・多照が影響し平年と比べると多くなる予想です。特に晴れて風が強い日には大量の花粉が飛散するため、シッカリとした花粉症対策をするようにしてください。今回、環境省のスギ雄花花芽調査の結果を踏まえ飛散量予想を再検討し、静岡県の飛散量を前回発表から更新しています。
 
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近畿:2月上旬から飛散開始、飛散量は平年を上回る予想
断続的に流れ込んだ寒気によりスギの雄花の休眠打破はすでに起こっていると考えられます。休眠から目覚めた雄花は開花に向けて生長を再開し、気温が高いほど生長が早く進みます。特に影響が大きい1月から2月の気温は平年より高い傾向で、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散開始は平年よりも早く、2月上旬~中旬に花粉シーズンに入ると予想しています。スギ花粉の本格飛散は2月中旬〜3月中旬、ヒノキ花粉の本格飛散は3月下旬~4月中旬で、その後は段々と飛散量が少なくなる見込みです。
2023年の夏は気温・日照時間ともに平年を上回り、雄花の生長に適した天候となりました。また、2023年の飛散量は平年、前年を大きく上回りました。このため、2024年は飛散量が前年より少なくなる「裏年」になると見込んでいます。飛散量は2023年の62%、平年の130%になる予想です。大量飛散の翌年にあたるため2023年に比べると飛散量は少なくなるものの、夏の高温・多照が影響し平年に比べると同程度かやや多くなる予想です。特に晴れて風が強い日には大量の花粉が飛散するため、シッカリとした花粉症対策をするようにしてください。今回、環境省のスギ雄花花芽調査の結果を踏まえ飛散量予想を再検討し、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県の飛散量を前回発表から更新しています。
 
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中国・四国:1月下旬から飛散開始、飛散量は前年比で半減も平年並の予想
断続的に流れ込んだ寒気によりスギの雄花の休眠打破はすでに起こっていると考えられます。休眠から目覚めた雄花は開花に向けて生長を再開し、気温が高いほど生長が早く進みます。特に影響が大きい1月から2月の気温は平年より高い傾向で、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散開始は平年よりも早く、早いところでは1月下旬から、2月中旬にかけて広範囲で花粉シーズンに入ると予想しています。スギ花粉の本格飛散は2月中旬〜3月中旬、ヒノキ花粉の本格飛散は3月中旬~4月中旬で、その後は段々と飛散量が少なくなる見込みです。
2023年の夏は気温が平年を上回り、中国地方では日照時間も平年をやや上回りました。一方、台風などの影響で湿った空気が流れ込みやすくなった四国地方では、太平洋側を中心に日照時間が平年をやや下回りました。また、2023年の飛散量は平年、前年を大きく上回りました。このため、2024年は飛散量が前年より少なくなる「裏年」になると見込んでいます。飛散量は2023年の53%、平年の109%になる予想です。大量飛散の翌年にあたるため2023年に比べると飛散量は少なくなるものの、平年と同程度となる予想です。特に晴れて風が強い日には大量の花粉が飛散するため、シッカリとした花粉症対策をするようにしてください。今回、環境省のスギ雄花花芽調査の結果を踏まえ飛散量予想を再検討し、広島県の飛散量を前回発表から更新しています。
 
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九州:1月下旬から飛散開始、飛散量は平年を上回る予想
断続的に流れ込んだ寒気によりスギの雄花の休眠打破はすでに起こっていると考えられます。休眠から目覚めた雄花は開花に向けて生長を再開し、気温が高いほど生長が早く進みます。特に影響が大きい1月から2月の気温は平年より高い傾向で、寒さが緩むタイミングでスギ花粉が飛び始めます。飛散開始は平年よりも早く、1月下旬~2月上旬に花粉シーズンに入ると予想しています。スギ花粉の本格飛散は2月中旬〜3月上旬、ヒノキ花粉の本格飛散は3月中旬~4月上旬で、その後は段々と飛散量が少なくなる見込みです。
2023年の夏は暖かな空気が流れ込みやすくなったため気温は平年を上回りましたが、湿った空気や台風などの影響を受けたことで日照時間は北部で平年並、南部では平年よりやや少なくなりました。また、2023年の飛散量は平年、前年を上回りました。このため、2024年は飛散量が前年より少なくなる「裏年」になると見込んでいます。飛散量は2023年の75%、平年の117%になる予想です。2023年に比べると北部では概ね同程度、南部では半分程度になる予想です。平年比では北部はやや多く、南部では同程度となる予想です。前年より少ない飛散量になる地域が多い予想ですが、特に晴れて風が強い日には大量の花粉が飛散するため、シッカリとした花粉症対策をするようにしてください。今回、環境省のスギ雄花花芽調査の結果を踏まえ飛散量予想を再検討し、福岡県、大分県の飛散量を前回発表から更新しています。
 
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都道府県別の2024年花粉飛散傾向

エリア
都道府県
花粉飛散量
(2023年比:%)
花粉飛散量
(平年比:%)
花粉シーズン
開始予想
花粉シーズン
終了予想
北海道
北海道
593
202
4月中旬
6月上旬
東北北部
青森県
186
140
3月上旬
4月下旬
岩手県
99
140
2月下旬
4月下旬
秋田県
197
158
2月下旬
4月下旬
東北南部
宮城県
71
149
2月中旬
4月下旬
山形県
74
122
2月下旬
4月下旬
福島県
46
118
2月中旬
4月下旬
関東・山梨
茨城県
53
122
2月上旬
4月下旬
栃木県
48
123
2月上旬
4月下旬
群馬県
51
112
2月上旬
4月下旬
埼玉県
88
121
2月上旬
4月下旬
千葉県
75
122
1月下旬
4月下旬
東京都
72
117
1月下旬
4月下旬
神奈川県
59
113
1月下旬
4月下旬
山梨県
80
137
2月上旬
4月下旬
北陸・長野
長野県
106
145
2月中旬
4月下旬
新潟県
51
121
2月中旬
4月下旬
富山県
55
124
2月中旬
4月下旬
石川県
46
126
2月中旬
4月下旬
福井県
48
122
2月中旬
4月下旬
東海
静岡県
96
129
1月下旬
4月下旬
愛知県
116
131
2月上旬
4月下旬
岐阜県
100
145
2月中旬
4月下旬
三重県
69
138
2月上旬
4月下旬
近畿
滋賀県
87
139
2月中旬
4月下旬
京都府
53
120
2月中旬
4月下旬
大阪府
62
126
2月中旬
4月下旬
兵庫県
55
134
2月中旬
4月下旬
奈良県
59
144
2月中旬
4月下旬
和歌山県
70
113
2月上旬
4月下旬
中国・四国
岡山県
51
118
2月中旬
4月下旬
広島県
49
114
2月上旬
4月下旬
鳥取県
42
111
2月中旬
4月下旬
島根県
47
106
2月上旬
4月下旬
山口県
68
111
1月下旬
4月下旬
徳島県
53
115
2月上旬
4月下旬
香川県
48
109
2月中旬
4月下旬
愛媛県
55
99
2月上旬
4月下旬
高知県
85
98
2月上旬
4月下旬
九州
福岡県
96
129
1月下旬
4月中旬
佐賀県
85
131
1月下旬
4月中旬
長崎県
83
132
1月下旬
4月中旬
大分県
68
116
2月上旬
4月中旬
熊本県
80
114
2月上旬
4月中旬
宮崎県
66
99
2月上旬
4月中旬
鹿児島県
51
97
2月上旬
4月中旬
全 国
67
125
-
-
*平年:天候の平年は1991〜2020年の過去30年平均、花粉飛散量の平年は2014〜2023年の過去10年平均
*飛散量:花粉観測機「ポールンロボ」が観測すると想定される花粉数。過去のポールンロボの観測データをもとに予想を算出
*花粉シーズンの定義:花粉観測機「ポールンロボ」の観測に加え、ユーザーからの症状報告を加味
 花粉シーズン開始:3割以上のポールンロボが1日10個以上の花粉を観測。症状が重い人、敏感な人に症状が出始める目安
 花粉シーズン終了:7割以上のポールンロボが1日10個以下の花粉を観測

 

参考:ウェザーニューズの花粉の取り組みについて

<花粉飛散傾向>
ウェザーニューズでは毎年、花粉の飛散量や飛散時期の予測についてまとめた「花粉飛散傾向」を発表しています。花粉飛散傾向では、過去の花粉飛散量や夏の天候、冬〜春の天候の予想などの気象データ、雄花の着花量に関する調査の結果などをもとに、花粉の飛散量と飛散時期を予測します。雄花の着花量に関する調査としては、11月に全国のウェザーニュースアプリのユーザーと実施する雄花調査に加えて、12月に環境省から発表されるスギ雄花花芽調査の結果も用いています。

花粉観測機「ポールンロボ」

<全国1,000か所に展開する花粉のリアルタイム観測>
ウェザーニューズでは2005年から花粉の観測に取り組んでいます。一般のご家庭や病院、学校などのご協力のもと、独自開発した花粉観測機「ポールンロボ」を全国に約1,000台設置し、花粉のリアルタイム観測を行っています。ポールンロボは空気中の花粉を1分ごとに観測し、データをウェザーニューズに送信します。従来の花粉観測手法であるダーラム法によりも高頻度かつ高解像度で観測できる点が強みで、ポールンロボによる観測データはウェザーニュースの花粉情報サイト「花粉Ch.」で確認することができるほか、毎日の花粉飛散予報にも役立てられています。

<花粉の新ランクに対応、1時間ごとの飛散予報がわかる「花粉Ch.」>

リアルタイムの飛散状況
1時間ごとの花粉飛散予報

今週1月19日からは、ウェザーニュースのアプリとウェブサイトで「花粉Ch.」をオープンし、全国各地の詳細な花粉情報の提供を開始します。「花粉Ch.」では、1時間ごとの花粉飛散予報やリアルタイムの飛散状況が確認できます。花粉飛散予報は、日本花粉学会 花粉情報等標準化委員会により改定された新表示ランク(※3)に対応し、少ない/やや多い/多い/非常に多い/極めて多い、の5ランクで提供します。また、自分の花粉症のタイプが診断できる「花粉症チェックシート」や、毎朝の花粉予報や臨時の大量飛散情報をプッシュ通知する『花粉対策アラーム』など様々な機能で、花粉症の方がつらい季節を少しでも楽に過ごせるよう、対策をサポートします。

※3
日本花粉学会 花粉情報等標準化委員会:https://square.umin.ac.jp/psj3/jp/PSJ_polleninfo_standardization.pdf
環境省 報道発表「令和5年度スギ雄花花芽調査の結果等について」:https://www.env.go.jp/press/press_02568.html

 

 

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