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ウェザーニューズ、全国3,832本の桜の健康状態を調査

【桜の健康診断2024】健康状態は過去最悪の昨年より改善

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、毎年美しい姿で楽しませてくれる桜を見守り、桜を大切にする気持ちを広く育むことを目的として、スマホアプリ「ウェザーニュース」を通じて桜の健康状態をチェックする調査「桜の健康診断2024」を実施し、本日、結果を発表しました。桜の健康診断では、桜の健康状態に関する6つの質問に答えていただき、その結果から健康度を指数化し、「優良(+)」から「生育不良(-)」の12段階で判定します。

『桜の健康診断2024』結果詳細はこちら

ウェザーニュースウェブサイト「桜の健康診断2024
https://weathernews.jp/s/topics/202106/110275/

「桜の健康診断」概要

・エリア:46都道府県(沖縄を除く)
・調査期間:2024年2月15日~5月31日
・参加人数:3,832人
・質問項目:6項目
(「日当たり」、「樹形」、「花の咲き方」、「幹の状態」、「樹皮の状態」、「花数」)
・評価:12段階
(優良(+):1.00~1.25/優良:1.26~1.50/優良(-):1.51~1.75/正常(+):1.76~2.00/正常:2.01~2.25/正常(-):2.26~2.50/やや生育不良(+):2.51~2.75/やや生育不良:2.76~3.00/やや生育不良(-):3.01~3.25/生育不良(+):3.26~3.50/生育不良:3.50~3.75/生育不良(-):3.76~)

※対象とする桜は、エゾヤマザクラやチシマザクラなどソメイヨシノ以外も含んでいます。

 

桜の健康状態は過去最悪の昨年より改善

全国3,832人から寄せられた回答を集計した結果、今年の桜の健康度は全国平均で1.78となり、「正常(+)」の判定でした。2013年から2021年にかけて「優良(-)」ランクでしたが、2022年から2024年にかけて3年連続で「正常(+)」のランクとなりました。桜の健康状態は年々悪化傾向にありましたが、2023年の1.79から0.01ポイント上昇しました。

 

桜の健康度を昨年と比較してみると、変化がないのは「優良」、「優良(-)」、「正常」、「正常(-)」、「やや生育不良」、「生育不良」でした。「優良(+)」は昨年より1ポイント増加し、一方、「正常(+)」は昨年より1ポイント減少しました。
都道府県ごとの桜の健康度のランクでは、「優良(-)」となった都道府県は、2022年は20道府県となったものの、2024年は15府県に減少しました。ただ、2024年は、鳥取県が「優良」ランクとなり、「優良」ランクの都道府県が出現したのは2021年の山梨県以来、3年ぶりとなっています。
健康度が低下しても、1~2年単位ではほとんど変化に気が付きませんが、衰退が5年も続くと太い枝が2~3本は枯れるなどの影響があります。そのため、来年以降も引き続き桜の健康状態の変化に注意が必要です。

 
※桜の健康度 「やや生育不良」は「やや生育不良(+)」、「やや生育不良」、「やや生育不良(-)」のポイントを合算した数です。「生育不良」は「生育不良(+)」、「生育不良」、「生育不良(-)」のポイントを合算した数です。
※都道府県別健康度 報告が一定数に満たなかった都道府県は灰色で表示しています。

 

ソメイヨシノの寿命は60年と言われています。ソメイヨシノは戦後に多く植えられたため、当時植えられたものはすでに寿命を過ぎています。弱った桜・病気の桜が増えるのは自然のことです。しかし、病気の治療や土に栄養を与え、土の中の通気性を良くすることで、桜の寿命を延ばすことができます。
ウェザーニューズでは今後も、ユーザーの皆さんと一緒に桜の健康状態の変化を追いながら、桜を大切にする輪を広げていきます。

❇︎日本花の会 樹木医 和田博幸氏からのコメント
最近、2023年の北半球の夏は、過去2000年で最も暑い夏と報道があり、そのとおり昨年の夏は暑さも酷かったです。天候も梅雨時に雨がほとんど降らなかったり、11月になっても暑く、真夏日を観測するところがあったりなど、異常気象が記憶に残っています。
人は「暑い、暑い」と言っている中でも桜はけなげに生育し、夏の時期に翌春咲かせる花芽を作ってくれていました。しかもその数がわずかに上向いているとは、驚きが隠せません。私たちよりも異常気象に順応したかのようです。しかし、全般的には悪化傾向にあり、安閑としてはいられません。注目したいのは花の咲き方で、「特に上部に咲いていない枝が目立つ」の回答が2013 年以来一番多くなりました。桜のてっぺんの方まで根からの水が行き届いていないのが原因と思われます。個人的に見てもその傾向を感じていて、都市にある桜ほどその状況が見られました。年の乾燥化が桜に悪影響を及ぼしているように思います。皆さんもこの点に注目して、これからも桜の観察を続けてください。

 

『桜の健康診断2024』項目別の結果

<日当たり:日当たりの悪い桜が増加傾向>

日当たりについて「一日中よくあたる」、「半日以上あたる」、「半日あたらない」、「ほとんどあたらない」の4項目から選択してもらいました。
集計の結果、最も割合の高かった「一日中よくあたる」に注目すると、2024年は60%と昨年より若干回復しました。一方で、「ほとんどあたらない」の割合が年々増加傾向にあり、2013年以来一番多く、過去最低の結果となりました。

 

<樹形:樹形の崩れが徐々に進行>

樹形(樹の立ち姿)について、「自然樹形を保っている」、「自然樹形に近い」、「樹形が崩れてきている」、「自然樹形がほとんど崩れてる」の4項目から選択してもらいました。
集計の結果、2023年よりは「自然樹形を保っている」が1ポイント増えたものの、大きな変化は見られず、2013年からの長い目で見ると「自然樹形を保っている」の割合は減少傾向、「樹形が崩れてきている」の割合が増加傾向となっています。

 

<花の咲き方:「上部に花が咲いていない枝が目立つ」が年々増加

花の咲き方について、「木全体にまんべんなく花が咲いている」、「所々咲いていない枝がある」、「特に上部に咲いていない枝が目立つ」の3項目から選択してもらいました。
集計の結果、「木全体にまんべんなく花が咲いている」 という回答が、昨年より少し回復している一方で「特に上部に咲いていない枝が目立つ」の回答が2013年以来一番多くなり、過去最低の結果となりました。

<幹の状態:過半数が不健康な状態が続く>

幹の状態について、「穴や切られたアト、窪みは無い」「穴や切られたアト、窪みなどが少しある」、「穴や切られたアト、窪みなどがかなり目立ち、もしくはキノコが生えている」、「大きく切られたり、などがかなり目立ち、もしくはキノコが生えている」の4項目から選択してもらいました。
集計の結果、「穴や切られたアト、窪みなどがかなり目立ち、もしくはキノコが生えている」と「大きく切られたり、などがかなり目立ち、もしくはキノコが生えている」の回答が増加傾向にあります。不健康な状態の回答が 9年続けて5割を超えているという結果になりました。また、健康そうに見える幹でも、キノコが生えているものは中が腐っている可能性があり、専門家による診断が必要になります。

<樹皮の状態:昨年と比べて大きな変化はなし>

樹皮の状態について、「生き生きしていて光沢がある/盛り上がるような部分があり、縦に割れている」、「傷などほとんどない」、「苔などが残っていたり、樹皮がはがれてカサカサしている」、「苔に覆われた部分が多い。または、樹皮の損傷が激しい」 の4項目から選択してもらいました。
集計の結果、「生き生きしていて光沢がある/盛り上がるような部分があり、縦に割れている」の割合が2023年より1ポイント減少しましたが、大きな変化はありませんでした。苔はあまり害にならないと思われますが、樹皮がはがれてカサカサしていたり、損傷が激しい場合、土の中の通気性が悪く、桜の生長が止まっている可能性があります。

<花数:「1個」の割合が過去最多>

花の数について、「5個以上」、「3~4個」、「2個」、「1個」の4項目から選択してもらいました。
集計の結果、昨年より「5個以上」の割合が昨年より2ポイント増加しましたが、「1個」の割合が2013年から年々増加し、過去最多を記録しました。健康状態の悪い桜も増えていることがわかります。



都道府県別 健康度ランキング

2024

   

2023

   

順位

都道府県

健康度

判定

順位

都道府県

健康度

判定

1

鳥取県

1.45

優良

1

宮崎県

1.56

優良(-

2

徳島県

1.55

優良(-

2

徳島県

1.63

優良(-

3

山形県

1.65

優良(-

3

香川県

1.65

優良(-

4

青森県

1.67

優良(-

4

福岡県

1.66

優良(-

5

千葉県

1.68

優良(-

5

熊本県

1.67

優良(-

5

宮崎県

1.68

優良(-

6

長野県

1.68

優良(-

7

京都県

1.70

優良(-

6

岩手県

1.68

優良(-

8

静岡県

1.72

優良(-

6

山梨県

1.68

優良(-

8

茨城県

1.72

優良(-

6

和歌山県

1.68

優良(-

8

奈良県

1.72

優良(-

10

青森県

1.69

優良(-

11

福岡県

1.73

優良(-

10

大分県

1.69

優良(-

12

広島県

1.74

優良(-

12

鹿児島県

1.72

優良(-

12

岡山県

1.74

優良(-

13

新潟県

1.73

優良(-

12

宮城県

1.74

優良(-

14

三重県

1.74

優良(-

15

長崎県

1.75

優良(-

15

鳥取県

1.75

優良(-

15

三重県

1.75

優良(-

15

富山県

1.75

優良(-

17

群馬県

1.76

正常(+

17

埼玉県

1.76

正常(+

18

秋田県

1.77

正常(+

17

神奈川県

1.76

正常(+

18

新潟県

1.77

正常(+

17

愛知県

1.76

正常(+

18

石川県

1.77

正常(+

20

東京都

1.77

正常(+

18

埼玉県

1.77

正常(+

20

静岡県

1.77

正常(+

18

東京都

1.77

正常(+

20

大阪府

1.77

正常(+

23

富山県

1.78

正常(+

20

奈良県

1.77

正常(+

23

神奈川県

1.78

正常(+

24

京都府

1.78

正常(+

25

山口県

1.79

正常(+

24

広島県

1.78

正常(+

25

熊本県

1.79

正常(+

24

兵庫県

1.78

正常(+

27

愛知県

1.80

正常(+

27

北海道

1.79

正常(+

28

和歌山県

1.81

正常(+

28

栃木県

1.80

正常(+

28

北海道

1.81

正常(+

28

山形県

1.80

正常(+

29

島根県

1.82

正常(+

28

群馬県

1.80

正常(+

29

栃木県

1.82

正常(+

28

宮城県

1.80

正常(+

29

愛媛県

1.82

正常(+

32

岐阜県

1.81

正常(+

29

滋賀県

1.82

正常(+

32

千葉県

1.81

正常(+

34

鹿児島県

1.83

正常(+

32

愛媛県

1.81

正常(+

34

福井県

1.83

正常(+

35

茨城県

1.82

正常(+

36

大阪府

1.84

正常(+

36

秋田県

1.88

正常(+

36

兵庫県

1.84

正常(+

37

石川県

1.89

正常(+

38

山梨県

1.85

正常(+

38

岡山県

1.91

正常(+

38

大分県

1.85

正常(+

39

長崎県

1.92

正常(+

40

高知県

1.86

正常(+

40

山口県

1.97

正常(+

41

岩手県

1.87

正常(+

41

福島県

1.98

正常(+

42

岐阜県

1.92

正常(+

41

高知県

1.99

正常(+

43

福島県

1.95

正常(+

43

島根県

2.02

正常

44

長野県

2.03

正常

44

滋賀県

2.15

正常

45

香川県

2.06

正常

-

福井県

-

-

-

佐賀県

-

-

-

佐賀県

-

-

全国平均

 

1.78

正常(+

全国平均

 

1.79

正常(+

※報告が一定数に満たなかった都道府県は「-」で表示しています。

 

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