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2026年のスギ・ヒノキ花粉はどうなる?ウェザーニューズ「第一回花粉飛散予想」を発表
【第一回花粉飛散予想】記録的な高温・多照で、雄花の生長に適した夏 花粉飛散量は全国的に平年を上回る予想
〜東北北部では過去10年で最多に匹敵か 秋田県では前年比6倍超の予想〜
モバイル/インターネット >株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、2026年春の花粉シーズンに向け、「第一回花粉飛散予想」(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)を発表しました。2026年春の花粉の飛散量は北日本と東日本で2025年を大きく上回り、特に東北北部では過去10年で最も多いか、それに匹敵する飛散量になる予想です。一方、西日本では前年並となる予想です。
花粉の飛散量は前年夏の天候と年ごとの飛散量の増減傾向をもとに予想しています。今年の夏は広範囲で平年より日照時間が多く、全国的に気温がかなり高かったため、花粉の発生源となる雄花の生長に適した天候となりました。このため、飛散量が多くなる「表年」傾向の北日本や北陸、甲信では、前年比で大幅に飛散量が増えて、大量飛散となるおそれがあります。例年以上の万全な対策が必要です。また、飛散量が少なくなる「裏年」傾向の西日本でも平年を上回る飛散量を予想しているため、油断せずに対策をしっかりと行ってください。
なお、次回の「第二回花粉飛散予想」は12月上旬の発表を予定しています。
2026年「第一回花粉飛散予想」
「第一回花粉飛散予想」の一般向けサイト | |
ウェザーニュースウェブサイト「第一回花粉飛散予想」 https://weathernews.jp/news/202510/010076/ |
<飛散量:全国的に平年を上回り、東北北部では過去10年で最多に匹敵する大量飛散のおそれ>
2026年春の花粉飛散量は北日本と東日本で2025年を大きく上回る一方、西日本では前年並となる予想です。北海道や東北北部、北陸や甲信では2025年の飛散量が少なかったため2025年比で200%を超える地域が多く、秋田県では600%を超える予想です。東北北部では過去10年で最多の飛散量かそれに匹敵する飛散量になるおそれがあります。西日本では近畿や中国・四国の太平洋側で2025年を上回るエリアが多くなる一方、2025年に記録的な大量飛散となった九州北部では半減する地域もあるとみています。全国平均では2025年比で134%となる予想です。
平年(2016~2025年の平均飛散量)と比べると、全国的に平年の飛散量を上回り、特に東北北部では200%を超える地域が出てくるとみられます。全国平均では平年比で146%となる予想です。
<飛散量予想の根拠:2025年夏の天候と年ごとの増減傾向>
花粉の飛散量予想は、主に前年の夏の天候と年ごとの飛散量の増減傾向を基に算出しています。2026年の飛散量予想の背景は以下の通りです。
〜全国的に記録的な高温・多照で、雄花の生長に適した夏〜
前年の夏に十分な日照があり気温が上がるほど光合成が盛んになり、花粉の発生源となる雄花の生長が促される傾向があります。
2025年の夏は6月から日本付近で高気圧の勢力が強まる日があり、西日本や東日本では6月中に梅雨が明けるなど梅雨明けが平年よりかなり早くなった地域が多くなりました。7月以降も高気圧の勢力は日本付近で強い状況が続きました。そのため、夏を通して日照時間は広範囲で平年よりかなり多く、気温も全国的にかなり高くなりました。2025年夏の天候は、全国的に雄花の生長には非常に適した天候になったとみています。
〜北日本や北陸、甲信で「表年」、西日本で「裏年」傾向〜
花粉の飛散量は周期的に変動し、花粉の飛散が多い年と少ない年が交互に訪れる傾向があります。飛散量が多い年を「表年」、少ない年を「裏年」と呼びます。エリアによって増減の周期は異なり、「表年」「裏年」も異なります。夏の天候などの影響で「表年」「裏年」の区別が不明確になる年もあります。
2025年は北日本や北陸、甲信で前年よりも飛散量が少ない「裏年」となったため、2026年は飛散量が増加する「表年」になると予想しています。特に2025年の減少幅が大きかった北海道や東北北部では2026年は「表年」の傾向が強く表れるとみています。一方、西日本は2025年の飛散量が前年よりも多い「表年」となったため、2026年は「裏年」となる見込みです。ただ、花粉の雄花の生長に適した天候がこの「裏年」傾向を緩和または相殺する地域が多くなるとみています。関東や東海では近年「表年」「裏年」が不明瞭な状態が続いていて2026年も「表年」「裏年」の傾向は小さいとみています。
エリア別の2026年花粉飛散予想
都道府県別の2026年花粉飛散予想
エリア | 都道府県 | 花粉飛散量(前年比:%) | 花粉飛散量(平年比:%) |
北海道 | 北海道 | 297 | 148 |
東北北部 | 青森県 | 463 | 210 |
岩手県 | 422 | 203 | |
秋田県 | 663 | 152 | |
東北南部 | 宮城県 | 142 | 130 |
山形県 | 185 | 136 | |
福島県 | 127 | 142 | |
関東・山梨 | 茨城県 | 117 | 139 |
栃木県 | 111 | 138 | |
群馬県 | 142 | 145 | |
埼玉県 | 147 | 123 | |
千葉県 | 123 | 130 | |
東京都 | 157 | 131 | |
神奈川県 | 146 | 134 | |
山梨県 | 289 | 166 | |
北陸・長野 | 長野県 | 296 | 162 |
新潟県 | 164 | 149 | |
富山県 | 258 | 183 | |
石川県 | 246 | 168 | |
福井県 | 147 | 150 | |
東海 | 静岡県 | 133 | 140 |
愛知県 | 152 | 133 | |
岐阜県 | 286 | 160 | |
三重県 | 91 | 139 | |
近畿 | 滋賀県 | 142 | 151 |
京都府 | 140 | 143 | |
大阪府 | 123 | 149 | |
兵庫県 | 110 | 153 | |
奈良県 | 149 | 168 | |
和歌山県 | 118 | 146 | |
中国・四国 | 岡山県 | 145 | 131 |
広島県 | 104 | 126 | |
鳥取県 | 92 | 137 | |
島根県 | 95 | 145 | |
山口県 | 84 | 136 | |
徳島県 | 131 | 153 | |
香川県 | 128 | 143 | |
愛媛県 | 87 | 129 | |
高知県 | 143 | 151 | |
九州 | 福岡県 | 51 | 122 |
佐賀県 | 54 | 143 | |
長崎県 | 77 | 142 | |
大分県 | 94 | 143 | |
熊本県 | 94 | 129 | |
宮崎県 | 97 | 123 | |
鹿児島県 | 82 | 118 | |
全 国 | 134 | 146 |
※平年:天候の平年は1991〜2020年の過去30年平均、花粉飛散量の平年は2016〜2025年の過去10年平均
※飛散量:花粉観測機「ポールンロボ」が観測すると想定される花粉数。過去のポールンロボの観測データをもとに予想を算出
参考:ウェザーニューズの花粉飛散予想と観測網について
ウェザーニューズの「花粉プロジェクト」は、花粉症の方々の役に立ちたい!という想いで、2005年から実施しているユーザー参加型の取り組みです。全国のご家庭や企業などに、独自開発した花粉観測機「ポールンロボ」を約1,000台設置し、空気中に含まれる花粉をリアルタイムに観測します。

本プレスリリースでは、これまで「花粉プロジェクト」で蓄積してきた花粉の観測データ、年ごとの飛散量傾向、今夏の天候をもとに来シーズンの花粉飛散予想を発表しています。また、11月に全国のウェザーニュースアプリのユーザーと花粉の雄花の生長状況を調査する「雄花調査」を実施し、必要に応じて飛散量予想を更新する予定です。なお、「第二回花粉飛散予想」は、飛散量予想に加えて飛散開始時期や飛散ピークについてまとめ、12月上旬に発表予定です。
ウェザーニューズは、「花粉プロジェクト」の取り組みや花粉飛散予想の発表、ウェザーニュース「花粉情報」での発信などを通じて、花粉症の方が少しでも楽に過ごせるよう、サポートを続けてまいります。