鉄道気象
どんな時も安全・安定輸送を
トータルダイヤグラムマネジメントサービス
列車の運行では、気象リスクに対する安全確保のために運休や規制を行いますが、一方で時間通りに運行する安定輸送という社会的命題も有しています。
鉄道気象チームでは、鉄道事業者様と連携しながら、さまざまな気象リスクを踏まえ、この安全と安定のバランスを最適化できるように、TDMS(Total Diagram Management Service)をコンセプトにサポートしています。
風・雨の影響
強風は列車をも転倒させることがあり、安全運行において重大なリスクです。また、降雨によって土砂崩れや駅構内への浸水等のほか、関連設備への被害が発生することもあります。
それぞれの地域特有の強風や局地的豪雨をどこで何時頃発生するかを見通して運休判断を行ったり、更に列車を運休にした後、いつ再開させればよいかの判断はとても難しく、実況値や経験則のみでの列車の運行には常に気象のリスクが伴うことになります。一方、安全側に判断しすぎると、運行できる機会を逃しまうことも事実です。
雪・凍結の影響
雪や凍結は列車の運行において直接的な障害になるだけでなく、ポイント不転換や架線凍結等の設備障害も引き起こします。このため、線路や列車の除雪作業や凍結を防ぐ作業を行いますが、日々、全区間で対策を講じると膨大な作業量になるため、作業を実施する区間や時間帯を適切に判断する必要が有ります。
運行計画支援サービス
運行計画支援サービスでは、強風や強雨が発生する場所、時間帯、程度を数日前からお伝えすることで、指令員・乗務員の体制強化や事前運休の決定等の最適な運行計画作りを支援します。
例えば、冬期の日本海沿岸では周期的に風が強まり、運転中止基準値や速度規制基準値を超過する風が数時間にわたって継続することがしばしばあります。このような強風がどの路線で何時頃に発生し、何時頃まで継続するかが事前にわかれば、影響が発生しやすい時間帯はあらかじめ運行する列車の本数を減らすことで輸送への影響時間を軽減することができます。
運行管理支援サービス
近年多発する局地的豪雨をより早く捕捉するには、沿線雨量計の設置台数を増やせば良いという考え方もありますが、コストの観点からその設置には限界が有ります。そこで、解析雨量(気象レーダーや雨量計から補正した1kmメッシュの推定値)を利用することで、点ではなく線(面)での監視を実現し、雨量計と雨量計の間をすり抜けるような豪雨を早期に捕捉します。
解析雨量を活用することで、局地的な豪雨をより早く捕捉する他、雨量計故障時の代替手段や雨量計の少ない区間の状況を監視でき、点検や規制等の具体対策の判断に繋げることができます。
冬季保守計画支援サービス
降雪量や雪のピーク時間帯等を提供することで、投排雪保守用車の運行有無やその運行時間帯判断の支援を行います。
路線上の雪を取り除くために投排雪保守用車が運行されますが、保守用車自体の台数はもちろん、運転できる人員、運行できる時間もある程度限られています。路線毎の降雪の影響度・時間帯を提供することで、運行実施路線・作業開始時間を決定することができ、適切な保守用車の運行計画を実現します。