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電力市場向け気象データセットをバージョンアップ、正確な需給バランス確保を支援

新たなAI日射量予測モデルを開発し、日射量の予測精度を向上

〜1kmメッシュの高解像度で10分毎に予測する「日射量ナウキャスト」を提供開始〜

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、雲の移動を学習させた高精度なAI日射量予測モデルを開発し、1kmメッシュの高解像度で10分毎に予測する「日射量ナウキャスト」の提供を開始しました。また、気温や風など他の気象要素にも対応し、電力市場向けの気象データセット「WxTech®️ for Energy」において、1kmメッシュの高解像度で2.5時間先まで10分毎の気象データを提供します。

当社は、送配電や太陽光発電の事業者からの日射量の予測精度向上や細かい時間間隔のニーズに応えるため、新たなAI日射量予測モデルを開発しました。本予測モデルは、気象衛星の連続雲画像をインプットして深層学習で雲の移動を予測する「雲画像予測」と衛星雲画像を取り込み三次元的な雲の粒子的移動を数値予測モデルに反映した「粒子追跡予測」の2種類のアプローチを組み合わせて予測しています。これにより、予測精度をMSM(気象庁)より約14%向上させるとともに、時間解像度を10分毎まで高度化することができました。

電力市場向け気象データセットに関するお問い合わせはこれまでに200件を超えており、今後も太陽光発電を中心に再エネの導入が増えるなかで気象データのニーズが高まっていくと考えています。引き続き、電力市場に特化した気象データの開発や予測精度の向上に取り組むことで、電力の安定供給の実現をサポートしていきます。

電力市場向け気象データセットに関するお問い合わせはこちらから
https://biz.weathernews.com/nisshanowcast202305/

 

AI日射量予測モデルで予測精度を向上、
1kmメッシュ/10分毎の「日射量ナウキャスト」を提供

当社は、2020年12月から電力取引に適した30分毎の気象データをパッケージ化した電力市場向け気象データセット「WxTech®️ for Energy」を提供してきました。最近は送配電事業者ではより細かな時間間隔での需給調整、太陽光発電所では蓄電池を組み合わせた需給バランスを確保するにあたり、さらに高精度で細かい時間間隔の気象データが求められています。そこで、当社は雲の移動を機械学習させた独自のAI日射量予測モデルを開発し、電力市場向け気象データセットにおいて1kmメッシュの高解像度で2.5時間先まで10分毎に予測する「日射量ナウキャスト」を用意しました。今回のバージョンアップで、日射量の予測精度は自社比で約10%向上し、MSM(Meso-Scale Model、気象庁)と比べて約14%高くなりました(2023年1〜3月の2 乗平均平方根誤差(Root Mean Squared Error)。日本国内で全天日射量を観測している気象庁観測地点の全47地点で評価)。

AI日射量予測モデルは、①気象衛星の連続雲画像をインプットし、深層学習させて雲の移動を予測する「雲画像予測」と②気象衛星の雲画像を取り込み三次元的な雲の移動を数値予測モデルに反映した「粒子追跡予測」、 それぞれ雲の移動を考慮した2種類のアプローチで予測することでより高精度に雲の分布を予測します。「雲画像予測」は領域外からの雲の流れ込みなどの予測が可能で、不自然な雲の切れ目がない時間変化を表現できるという点、「粒子追跡予測」では雲の鉛直方向の分布を組み込み、層ごとの雲の動きを高い水平解像度で表現できるという点、それぞれの利点を活かすことで、雲の空間分布を不自然な雲の切れ目を生じさせず、高時空間解像度で計算することができます。また、10分毎に観測された雲画像をタイムリーに反映することで、10分毎の高頻度で予測を生成しています。

 

例えば、日射量ナウキャストで北海道における80分先までの日射量瞬間値(W/m2)を見ると、上空では西から東に風が吹いていますが日高山脈の西側(図中の丸)の低い雲は、山脈を越えられずに初期時刻の場所からほとんど動かないことで、日射量への影響が長く続きます。このように、低層の雲が移動して山脈に遮られるかどうかまで日射量予測で表現することができます。(提供データは10分間隔で予測していますが、図では雲の動きをわかりやすくするため20分間隔で描画しています。)

今回は、この日射量に加えて、気温・降水量・降雪量・風・湿度・天気など電力市場において必要とされる気象要素の予測データを1kmメッシュの高解像度で10分毎に提供します。

また、72時間先まで30分毎の日射量予測(サービス仕様の表のスタンダード・プレミアムの短期予測)についても、2023年1月に日射量予測モデルの雲透過率の機械学習の設計を見直しています。これにより、最新の予測精度はMSM(気象庁)より約10%高くなりました(2023年1〜3月)。

電力市場向け気象データセットのサービス仕様

※上記はデータセットの一部で、他にも様々なデータを取り揃えています。

▼電力市場向け気象データセットのお問い合わせはこちらから
https://biz.weathernews.com/nisshanowcast202305/

 

電力市場向け気象データセットの特徴

①予測精度が高い気象データを電力市場向けにパッケージ化
②1kmメッシュの高解像度
③10分毎や30分毎の高頻度
④ブレ幅も把握できる
⑤API提供によるシステム連携や、DWHによるデータシェアリングが可能

電力市場向け気象データセットでは、1kmメッシュの高解像度な気温、気温EPI、全天日射量、全天日射量EPI、直達日射量、散乱日射量、風向、風速、降水量、天気など、需給計画に必要とされる全15種類の気象要素の予測や実況解析データなどをパッケージ化しています。

1kmメッシュ(四方)で細かく予測するため、発電所周辺のピンポイントなデータを提供することができます。予測期間は、2.5時間先から1カ月先まであり、時間前市場やスポット市場などには10分毎の「ナウキャスト」や30分毎の短期予測を、週間単位や月間単位での計画作成においては2週間先予測や月次予測を利用することができます。また、発電所に日射計がない場合は、解析実況データで日射量の解析値による推定値を把握することも可能です。

さらに、予測幅を把握したいという電力市場の特有のニーズに応えて、気温と日射量の予測のブレを提供する「気温EPI」と「全天日射量EPI」も揃えています。例えば、厳冬期の翌朝の気温予測について、最も確度の高い予想気温(例えば1.0℃)だけでなく、可能性のある予想気温の最低(0℃、下ブレ予測)と最高(1.5℃、上ブレ予測)をお伝えすることで、需給のひっ迫時などおいてリスクヘッジの行動が取りやすくなります。

データの提供方法は、クラウドに保存された気象データをAPIでの提供やDWH(Data Ware House)によるデータシェアリングからお選びいただけるので、これから新規に開発される場合や既存システムに組み込む場合でもデータ連携が容易です。

 

※関連するプレスリリース
・2022年1月:電力市場向けに、高精度な「太陽光発電量予測データ」をAPI提供
・2021年5月:日射量、気温等の「1kmメッシュ実況解析データ」を30分毎にAPI提供
・2020年12月:電力市場向けに電力需給計画を支援する「気象データセット」を販売開始

 

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