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ウェザーニューズのヘリ専用運航管理システムの提供先が拡大
福岡の民放4局・NHKの報道ヘリが災害連携のために運航管理システムを導入
報道ヘリの位置と気象情報の一元管理で各局の協力体制や安全管理を強化、広域の被害状況の伝達を実現
航空気象 >株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、福岡県の民放4局とNHKが大地震など大規模災害における航空取材の連携のため、当社のヘリコプター向けの運航管理システムを導入したことを本日発表しました。
災害時に報道ヘリが一か所に集中するのではなく、連携して取材エリアを分担し、ライブ映像をリアルタイムに共有することで、より広い範囲の被害状況を社会に伝える取り組みが進んでいます。これを実現する上で各社の報道ヘリの運航を一元的に管理する必要があることから、九州朝日放送(KBC)、RKB毎日放送(RKB)、福岡放送(FBS)、テレビ西日本(TNC)とNHK(福岡・広島)の全6機において、複数の機体の位置情報と気象情報を把握できる当社独自のヘリコプター向けの運航管理システム「FOSTER-Links」と、無線不感地帯でも位置情報を常時把握できる独自の機内持ち込み型の動態管理システム「FOSTER-CoPilot」が導入されました。
これにより、報道ヘリの位置情報と雨雲レーダーを重ね合わせて把握しながら、報道ヘリのライブ映像をリアルタイムに確認することができます。また、各社の報道ヘリの状況を踏まえた的確な指示が可能になるため、広い範囲にわたる上空からの取材をより安全に行うことができます。2024年12月には南海トラフ巨大地震を想定した訓練を実施し、動作確認が行われました。
当社はヘリの運航管理に特化した気象データの提供を通して、大規模災害時における報道ヘリの安全運航と災害の現場を社会に伝える使命の達成を支援します。
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大地震に備えて福岡県の放送局が運航管理システムを導入
ほとんどの放送局では全国のエリアごとにヘリを配備し、地震や火災などの災害発生時に収録や中継を行っていますが、大地震や津波のような大規模災害時に被害の大きな場所にヘリが偏ってしまうという課題がありました。そこで放送の価値を最大限に高め、社会に伝える施策として、各局でヘリ映像を共有することでより広域の映像を届ける取り組みが全国で進んでいます。
2024年6月には、九州朝日放送、RKB毎日放送、福岡放送、テレビ西日本ら、福岡県の民放4局とNHK(福岡・広島)が大災害時にヘリ映像を共有する覚書を締結しました。大地震で九州、四国地方の沿岸部の広い範囲に津波警報が発表された際に、民放4局が九州を、NHKが四国の津波などを撮影し、それらのライブ映像をリアルタイムで各局が放送するという取り組みです。従来のように各自で取材を行うよりも、より広い範囲にわたる航空取材を可能にし、地域における防災・減災報道のための体制を強化できるとしています。

当社は本取り組みの事務局である福岡放送(FBS)より、非常事態に限り各局が自社の報道ヘリの位置情報を共有、連携し幅広いエリアの津波を中継し避難を促すことで「国民の命を守る報道」を体現したいというお声をいただき、報道ヘリの一元管理をサポートするため、民放4局・NHK(福岡・広島)へのヘリコプター向けの運航管理システム「FOSTER-Links(フォスターリンクス)」の提供に至りました。
「FOSTER-Links」の導入に伴い、現在6機に無線不感地帯でも位置情報を把握できる機内持ち込み型の動態管理システム「FOSTER-CoPilot(コパイロット)」が搭載されており、災害時には瞬時に機体の位置情報と気象データをご活用いただきます。本システムを活用することで、報道局のスタッフは各局の報道ヘリの位置と中継映像を見比べて撮影位置の指示を的確に行い、報道ヘリの運航管理者は気象情報をもとに飛行の可否を判断することができます。
2024年12月には福岡放送(FBS)など民放4局とNHKの報道ヘリに搭載して南海トラフ巨大地震を想定した訓練を実施し、動作確認が行われました。今後、大規模災害が発生した場合に即利用される予定です。
訓練時のFOSTER-Links画面
ヘリの位置情報と雨雲レーダーをマップで確認
株式会社福岡放送 報道局 局次長 神崎慎治氏のコメント
民放の、特に私たち県域放送局の報道ヘリにとって、県外に出たヘリの位置情報の把握は大きな課題のひとつです。ましてやこの取り組みの場合、自局のヘリの位置のみならず他系列のヘリの位置まで可視化し、把握する必要があります。そのため「FOSTER-Links」の活用を他局のみなさんと検討し、テストを経て賛同を頂いたため導入することができました。このシステムを最大限に活用し、福岡の5局の連携を強化することで「国民の生命を守る報道」を体現すべく、引き続き精進して参ります。
ヘリ専用の運航管理システムで気象リスクを可視化
「FOSTER-Links」は、複数の機体のリアルタイムな飛行位置と飛行ルート上の気象リスクを一元管理できるヘリコプター向けの運航管理システムです(※1)。利用者は飛行ルートや高度、時刻を設定し、上空の風向・風速、気温、湿域、着氷、火山灰などの気象データと標高を地図上に重ね合わせたり、ライブカメラで視程を把握したりすることで、事前に上空の安全を確認することが可能です。

「FOSTER-CoPilot」は、当社が2012年に開発した機内持ち込み型の動態管理システムです。無線不感地帯でも位置情報を常時把握できるイリジウム衛星通信を用いており、国内全てのドクターヘリをはじめ(※2)、全国450台以上のヘリコプターに搭載されています。
「FOSTER-CoPilot」は、「FOSTER-Links」で作成した飛行ルートと連携でき、ヘリコプターがルートから外れて飛行している場合や、飛行予定時間内にも関わらず動態管理システムの入電が途切れた場合に、アラート通知も可能なので、飛行中のヘリコプターの安全を自動で監視するシステムとしてお役立ていただけます。

「FOSTER-CoPilot」
※1 2023年5月18日発表:FOSTER-Linksに飛行ルート上の気象リスクを可視化する新機能を追加
/news/43345/
※2 2018年6月7日発表:国内全ドクターヘリが動態管理システムを導入
/news/23522/