2026.05.20

なぜウェザーニュースキャスターは地震発生時に切り替えが早いのか?運営チームに聞いてみました

4月21日の「ウェザーニュースLiVE」放送中、和やかな笑顔で視聴者とトークを楽しんでいたキャスターが、緊急地震速報の文字が表示された瞬間、まるで別人のように真剣な表情へと切り替わり、冷静に情報を伝える姿が配信されました。

SNSでは、東北の人々の安全を願う声とともに、「笑いから一瞬で命を救うモードに」「本当にプロフェッショナルさの極み」など、大きな反響をいただきました。

なぜウェザーニュースキャスターは地震発生時に切り替えが早いのか?また、気象キャスターの駒木さんはどのようなことを考えながら地震発生時の対応を行っていたのかインタビューしましたので、ご紹介します。




世界中から驚きの声「笑顔から瞬時に真剣モード」の地震対応とは?

2026年4月20日(月)16時53分頃、三陸沖でM7.4の地震が発生し、気象庁から緊急地震速報が発表されました。

当時、番組が切り替わる合間でキャスターが掛け合いをする「クロストーク」を山岸愛梨キャスターと駒木結衣キャスターが担当していました。 視聴者の投稿を元に楽しく談笑していたところ、画面上に緊急地震速報の文字が表示されました。

瞬時に話題を切り替えて地震速報の内容を伝え、身の安全確保や海岸から離れるなど視聴者へ注意喚起を行いました。

談笑していたところから即座に真面目なトーンへ切り替える、手際の良い対応を評価する動画が拡散され、世界中の視聴者からは、「すごい!」「別次元のプロ意識。日本の防災対策と訓練は世界最高レベル」と、驚きと賞賛の声が集まりました。




お天気キャスターの地震訓練に密着

なぜウェザーニュースキャスターは、あそこまでの対応ができるのでしょうか。その秘密は、独自に行っている本番さながらの「地震訓練」にあります。

実際の訓練の様子を取材してきました。

ウェザーニュースでは、いつ起こるかわからない災害に備え、キャスター陣に対して定期的に本番さながらのシミュレーションを行っています。

「ライブカメラでフリートーク中に発生する地震を想定して訓練を行います」とディレクターから指示が入る様子
「ライブカメラでフリートーク中に発生する地震を想定して訓練を行います」とディレクターから指示が入る様子

今回は「ライブカメラで空の様子を伝える中、突然地震が発生する」というシチュエーションを想定。 フリートークで視聴者へ楽しい時間を届ける中、キャスターのイヤホンに「地震です」とスタッフから知らせが届きます。

地震速報の入電が知らされると同時に、緊急地震速報のテスト画面が表示されますが、手元に読むべき原稿は一切ありません

キャスターは、震源地、震度、津波の有無など、モニターに表示されるデータだけを頼りに、自らの言葉で視聴者に状況を伝えなければならないのです。

訓練の中では、更新された新しい地震情報を伝えたり、ユーザーから届いた情報を必ず紹介するようにしています。

特に、全国の人々が実際にどのように感じたか、どのような被害を受けているかを伝えるためには、気象庁から受信した観測情報だけでなく、ユーザーや視聴者の皆さんから届く情報が大きな助けになります。

ユーザーから届く被害状況を写した動画や画像、ユーザーの体感を地図にマッピングした揺れの情報、そして、YouTubeで届くチャットの報告を必ず確認し、有益な情報として視聴者に伝える訓練を行います。

地震訓練実施後、声のトーンや表情について振り返りを行っている様子
地震訓練実施後、声のトーンや表情について振り返りを行っている様子

訓練が終わったら訓練の振り返りを番組スタッフと出演者で行い、「声のトーン」「表情の作り方」「話すスピード」まで細かく確認します。

緊急地震速報が発表された時に重要なことは、正しい情報を正確に伝えるだけではありません。有事の際に視聴者をパニックにさせないための「トーン&マナー」のコントロールが大切です。




番組制作の根底にある「視聴者の命を守る」という強い使命感

東日本大震災や能登半島地震のような大規模な災害が発生した際、緊迫した状況下において、命を守るための迅速かつ正確な情報は何よりも不可欠です。 そして、こうした大きな地震の時にこそ「ウェザーニュースLiVEを頼ってほしい」という思いで、番組の運営が行われています。

「ウェザーニュースLiVE」が24時間の生放送で運営されているのは、常に最新の気象情報を伝え続けることで、有事の際に切り替えのタイムラグを生じさせず、圧倒的なスピードで地震速報を届けるため。

また、日頃からチャット等で視聴者とコミュニケーションを取る和やかな雰囲気や、気象の専門家である解説員を交えた番組づくりも、「いざという時に頼ってもらえる存在」になるための信頼関係づくりに他なりません。

キャスターたちの見事な対応の根底にあるのは、訓練によって鍛え上げられたスキルだけではありません。

「いざという時に、人の役に立ちたい」「視聴者の命を守りたい」という使命感と、それを可能にする24時間の運営体制、そして日々の訓練。 これらすべてが結集しているからこそ、笑顔から瞬時に切り替えた地震報道が実現できているのです。




ウェザーニュースキャスターに聞く「日々の備え」の大切さ

地震訓練実施中の様子
地震訓練実施中の様子

キャスターたちのプロフェッショナルな姿勢は、私たち自身に「日々の備えの大切さ」を教えてくれます。地震速報について、実際に駒木キャスターに話を聞きました。

ー 緊急地震速報が出たとき、何を考えていましたか?

まずは視聴者の皆さんに、落ち着いて、正確な情報を届けることを一番に考えました。 推定震度が4から5弱、そして5強へと大きくなっていくにつれて、強い揺れが予想される中、まずは命を守る行動につなげていただきたいという思いでした。 その後すぐに津波警報も発表されたので、とにかく高い場所へ、海からは離れてもらえるよう、より強く言葉を届けることを意識しました。

ー 海外の皆さんからも驚きの声が届いています、視聴者の反応をどう感じましたか?

日本の災害報道への関心の高さを改めて感じました。 同時に、冷静な呼びかけが安心につながったという声もいただき、情報を伝える立場として、日々の責任の大きさを実感しています。

ー 普段の訓練ではどのようなことに気をつけていますか?

どんな状況でも落ち着いて情報を伝えられるよう、実際の放送を想定しながら日頃から訓練しています。 視聴者の皆さんに適切な避難行動をとっていただけるよう、声のトーンやスピード、言葉の選び方を工夫しながら、その状況に応じた伝え方を意識しています。

ー 最後に視聴者の皆さんへ一言

災害はいつどこで起きるか分かりません。 だからこそ、日頃からの備えや、避難行動を事前に確認しておくことが大切だと思います。 情報はテレビだけでなく、ネットやアプリなどからも受け取ることができますので、ぜひ普段から使える状態を確認してみてください。 これからも、皆さんの安心につながる情報を丁寧にお伝えしていけるよう努めてまいります。