2026.06.08
AI活用でコスト削減、年間1000万円の人事システムを約1週間で内製化

ウェザーニューズでは2024年以降、全社員を対象に、生成AIをテーマとしたハッカソンやワークショップを定期的に開催し、AI活用の推進に取り組んでいます。
先日開催した社内ワークショップでは、年間約1,000万円のコストがかかる人事システムに代わる新たな仕組みのプロトタイプ開発に成功しました。このシステムは、まもなく社内での運用を開始する予定です。
本ブログでは、この開発に携わった古田 尚悟(FURUTA Shogo)氏に、どのように開発が進められたのか、聞きました。
非エンジニアも参加!業務課題をAIで解決する社内ワークショップを開催

AIを活用したワークショップは3日間にわたり開催され、開発・営業・運営といった多様な部門から集まった12チーム・約60名が参加しました。
前回の全社員向けに開催した生成AIハッカソン1は「AIを怖がらずに、まずは触れてみてアイデアを出すこと」をテーマにしていたのに対し、今回はさらに一歩踏み込み、実際に顧客向けに提供するサービスや、社内で利用する予報モデル・システムの開発を目指し、各チームが取り組みました。
私は普段クラウド関連の開発・運用・コスト管理などを行っているので、まずは自分の管理しているコストを見やすく可視化するためにAIを活用してダッシュボードを作成してみました。
完成したダッシュボードを経営陣と一緒に眺めていたところ「この人事システム…当初は色々できると思って導入してみたけど、いざ使ってみたら費用と活用度のバランスが悪いよね…AIを使ったら自分たちで作れちゃうんじゃない?やってみようよ」と話が盛り上がりました。
AIとの自然な対話で開発が進み、3日間でプロトタイプが完成
3日間にわたるワークショップの1日目が終わったその足で、人事部を訪れ「一緒に開発してみませんか?」と声をかけました。そこからわずか2日間で、驚くべきスピードで実際のシステムを作り上げていきました。
これまでのシステム開発といえば、要件定義をして仕様書を作り、ウェブデザイナーにデザインを依頼し、ディベロッパーが実装して、上がってきたプロトタイプを触ってみて修正する……と、多くのステップと時間、そして人手が必要でした。
今回の開発では、私たちの実現させたいことを言葉でAIに伝えるだけ。指示を出した次の瞬間、画面の向こうでシステムがカタカタと自動で書き換わり、目の前で理想の形にアップデートされていくのです。
これまではシステム開発の「作業(コーディング)」そのものに多くの時間が割かれていましたが、AIを活用すれば、人間は言葉で指示を出すだけで、AIにリードしてもらう形で開発が進みます。
人間が「こんなものを作りたい」と方向性を決めれば、AIが自ら情報の整理や要件定義、実際のプログラミングまでを主導してくれます。
人間は、AIからの「どちらの方針にしますか?」という問いかけに答えたり、AIが作ったコードを最終チェックしたりする役割に専念できます。
「AIが走り、人間がナビゲートする」
この役割分担のおかげで、人間は「どんなシステムにしたいか」という意思決定に100%集中することができ、3日間でのプロトタイプ完成、その後、数日を合わせた約1週間で試験運用を開始できるところまで開発が進むなど、圧倒的なスピードで人事の理想とするシステムを形にすることができました。
次は自分たちの番!社内に広がるAIへの期待
今回のAIワークショップに参加した人事スタッフからは、 「システム開発に必要なすべてのことがAIとの対話で構造化されるため、要件をまとめる作業そのものが一気に加速しました。さらに、いったん要件定義を行い、コード作成を進めてからでも、最初の要件定義に戻って非機能要件を追加することも自然にでき、最終的には見て・触れて・動く、という状態まで到達できたのが大きな収穫でした。」 と、実感に満ちたコメントをもらっています。
このプロジェクトの成功は、すぐに社内に共有されました。
特に人事部の周りに座っている総務系のスタッフたちは、「自分たちの業務も、AIをうまく使えばもっとコストを最適化できるんじゃないか?」「みてみて!簡単にできた!!」と自らの業務を効率化させ、AIをより積極的に使おうとする動きがみられました。
誰かに指示されたわけではなく、スタッフたちが「テクノロジーを使えば、自分たちの手で会社をアップデートできる」という成功体験に刺激され、自ら動き出しています。
今回、僕たちが手に入れた最大の資産は、年間1000万円という削減額そのものよりも、組織全体にまだまだAIが活用できるんだ、という気づきがあったことだと思います。
今まで諦めていたことはたくさんありましたが、AIを使っていろんなことにチャレンジしたり、価値創造を加速させたいと思います。

