2026.10.16

【令和8年8月千葉豪雨】豪雨で帰宅困難者が発生——ウェザーニューズが実施した安否確認とBCP対策

2026年8月、千葉県を襲った記録的な大雨災害「令和8年8月千葉豪雨」。気象のプロフェッショナルであるウェザーニューズ自身もまた、この気象災害の当事者となりました。

退勤時間帯の大雨に多くの社員が帰宅途中で被害に遭い、「浸水・停電で自宅へ戻れない」「オフィスから動けない」といった切実な被害の状況が次第に明らかになりました。

多くの企業が抱える「備えていたはずなのに、いざという時に使えない」——そんな形式的なBCPの課題をどう乗り越えるべきか。自社のリアルな被災体験から、非常時に本当に機能する企業防災のヒントを紐解きます。



1時間100mm災害級の大雨、帰宅途中の社員を襲った危機

2026年8月13日(木)の夕方から夜にかけて、千葉県内を中心に、関東地方を猛烈な豪雨が襲いました。気象庁からはレベル5「大雨特別警報」が発表され、千葉市や佐倉市など県内各地で観測史上1位の降水量を大幅に更新するなど、まさに未曾有の事態となりました。

2026年8月の千葉豪雨を振り返り、ウェザーニューズの社員が口にしたのは「あそこまでの大雨になるとは思わなかった」という言葉でした。

天気予報に雨のマークは出ていたものの、これほどの豪雨が長時間にわたって降り続くことや、災害級の大雨になることは、民間気象会社の社員である我々でさえ把握できていなかったのです。その結果、仕事を終え17時半〜18時に帰路についたスタッフの多くが、足止めや被災に直面しました。

2026年8月14日00時00分(JST)までの24時間降水量
2026年8月14日00時00分(JST)までの24時間降水量



気象を条件に安否確認を通知、地震・津波以外で初の通知発動

ウェザーニューズでは、自社サービスである「ウェザーニュース for business」を活用して日頃からBCP対策を実施しています。お天気アプリ「ウェザーニュース」を基盤として開発されたこのシステムは、手元のスマートフォンアプリから、防災情報を確認したり、安否の報告を送信することが可能です。

さらに、一般的な安否確認システムとは異なり、災害種別や危険度に応じた柔軟な通知トリガーを設定することができます。

【ウェザーニューズにおける安否確認通知基準】 ・地震:震度5強以上 ・風水害等:  -気象警報(大雨、氾濫、土砂災害、高潮)レベル4以上  -線状降水帯 直前予測/発生情報  -公共交通機関の運行停止  -高速道路の通行止め  -周辺地域の状況報告(ウェザーリポート) など (2026年10月時点)

今回の千葉豪雨では、当社として「地震・津波以外の気象事象」で初めて安否確認の通知を発動しました。千葉県内の対象エリアにいる社員へピンポイントでプッシュ通知を送信しました。

社員から届いた安否報告の結果
社員から届いた安否報告の結果



位置情報・写真・動画で社員の状況を可視化し総務部が迅速に初動対応

通知を受けた社員からは、アプリを通じて即座に回答が寄せられました。

・ 被害なし: 80% ・ 直接被害(浸水・停電など): 14% ・ その他・帰宅困難: 6%

さらに、「無事かどうか」だけでなく、アプリから送られてくる写真・動画や位置情報によって、現場の冠水状況や停電被害の実態がリアルタイムに把握できました。

安否と被害規模を速やかに把握できた総務部では、即座に以下の初動対応を実施しました。

安全確保の周知: 無理な移動を控え、身の安全を第一に考えるよう全社呼びかけ 防災用品の提供: 災害ボランティア用のレインコート貸出、非常食の提供 滞在環境の整備: 空調の夜間稼働申請、会議室の確保、寝袋の提供による仮眠室の設置

また、翌日以降の業務への影響についても、被害を受けた社員のチームリーダーと総務部が連携し、リモートワークへの切り替えや代替要員の配置をスムーズに決定。業務の停滞を最小限に抑えることができました。



防災を特別なイベントにしない、天気アプリから安否報告を送信する企業防災の新しい形

従来の安否確認システムに対して、

「IDを忘れてログインできない」 ➔ 普段使うアプリだからログイン不要で即報告 「一律通知で確認が形骸化する」 ➔ 自社専用の気象トリガーで通知の空振りを防止 「移動中の社員を補足できない」 ➔ リアルタイムの位置情報で危険なエリアの社員を特定

というような課題を感じている企業が多いようです。

ウェザーニューズでは、この課題の最大の理由は、防災システムが日常から切り離されていることにあると考えています。



防災を特別なイベントにするのではなく、日常の延長線上に置くこと。

それこそが、いざという時に社員の安全と事業を守る一番の近道です。

今回の千葉豪雨で自ら被災した経験は、私たちにとっても「非常時に本当に機能するBCPとは何か」を改めて見つめ直す大きな契機となりました。

ウェザーニューズはこれからも、自社の体験から得た教訓を活かしてサービスの開発・改善を重ねてまいります。形式的な備えにとどまらない「いざという時に確実に社員を守り、事業を支える」実用的な企業防災を支援できるよう、各企業様のBCP対策をサポートしてまいります。

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「ウェザーニュース for business」の安否確認機能、誕生の背景や開発者の想いはこちらのブログでご紹介しています