重点取り組みテーマTheme

Theme02強靭な街づくり

気象・気候に適応できる暮らし

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気象・気候の変化を捉え、
私たちの生命・財産・経済を守る情報を提供します。
交通機関や生活者に的確な対応策を伝えることで、
自然災害に強い街づくり、迅速な復興を可能にする強靭な地域づくりを実現します。

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気象・気候予測を通して自然災害に強い社会づくりに貢献

ウェザーニューズでは航海、航空、道路、鉄道といった交通インフラを担う企業顧客に対して、気象リスクへの対応策サービスを提供しており、これらを総称して「交通気象」と呼んでいます。交通インフラは社会の基盤であり、安全性の強化は気象災害に対するレジリエンス向上に繋がります。また、個人のサポーター(ユーザー)に対しても、ユーザーから投稿された「ウェザーリポート」を活用し、局地的かつ突発的な現象に対応した高精度な気象予報の提供や、ユーザー同士による竜巻の目撃情報や道路の冠水報告などの気象リスクの情報共有を通じて人々の生活を支えています。

交通気象サービス(鉄道)

鉄道事業者向けサービスは、突風により列車の脱線・転覆が起こった2005年の羽越本線脱線事故により尊い人命が失われたことをサービス提供の起点としています。強風は列車をも転倒させることがあり、安全運行において重大なリスクです。また、雨による土砂崩れ、雪や凍結は列車の運行において直接的な障害になるだけでなく、設備障害をも引き起こします。

しかし、運休や再開、点検のタイミングを判断するには従来の天気予報だけでは区間や時間ごとの気象予報が存在しないため非常に難しいほか、実況値や経験則のみでは予測しきれない部分もあるため常に気象のリスクが伴います。ウェザーニューズは独自観測インフラや解析雨量で観測機がない場所でのシビア現象も検知でき、強風や強雨がどの時点・どの区間で発生するかを鉄道事業者へ、数日前からお伝えすることで、計画運休の決定判断を支援するサービスを提供。天候による影響が収束する時間帯を把握し、適切なタイミングでの点検・運行再開を支援しています。また、突風警報システム、解析雨量による地下駅浸水の注意喚起、新幹線などの運行計画の再考などを通して、極端気象によるリスクの最小化に積極的に取り組んでいます。

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ウェザーニューズは、爆弾低気圧によって起こった海難事故により多くの人命が失われたことをきっかけに、船乗りの安全を確保するために設立されました。気象・気候を読むことでひとりでも多くの人を救いたい―、その気持ちは事業開発のDNAとして流れており、現在の交通気象サービスに受け継がれています。

交通気象サービス(道路)

社会交通インフラの基盤である道路管理において、避けなければならない気象リスクは豪雪による車両滞留、豪雨による土砂災害、また、冠水や凍結など路面の変化による安全性の低下です。独自観測レーダーと解析雨量による実況監視により、降雨、降雪、強風などを検知することで、危険地域情報をあらかじめ道路管理者に提供し、迅速で確実な事前通行止めや、除雪作業・凍結防止剤散布作業、ドライバーへの事前広報(出控え広報)などを行い、交通災害ゼロを目指しています。

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災害リスクや交通渋滞リスクを、限られたリソースで最大限に予防・回避するためには、効率的かつ的確な対策や手法を選択することが重要です。体制判断支援サービスでは道路気象リスクを定量化し、道路管理者様とともに最適な解決策を見出しています。

また、物流事業者や個人のドライバーにとっては、時間に影響を与える交通渋滞が最も避けたいリスクです。私たちは渋滞回避というニーズに対して、スマートフォンや休憩施設のモニターといったマルチデバイスを通じ、ドライバーに的確な実況観測と気象予測を届けています。

通行止めなどの決定基準値は過去の災害記録などの実績によって定められていますが、近年の異常気象では、これまで経験したことのない気象条件となることもあります。そのなかでもドライバーや歩行者の安心・安全を守るため、インフラ・実況監視の強化や道路管理者との密な連絡を通して、常にサービスの改善を続けています。

みんなで作る天気予報

近年、気候変動に伴い猛暑や台風、ゲリラ豪雨・豪雪など異常現象が増加傾向にあり、減災・防災のためにはこれまで以上に局地性、即時性のある気象予測が求められるようになってきています。

ウェザーニューズでは2005年よりユーザー参加型で天気予報をつくっており、従来の気象観測情報に加え、ユーザーから投稿される各地の空模様や体感情報に関する「ウェザーリポート」を”感測”情報として予測モデルに取り込むことで、予測が困難とされる突発的かつ局地的なゲリラ雷雨予測や、業界初の5分ごとの天気予報など、ピンポイントできめ細かい天気予報の提供を実現してきました。

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現在、ウェザーニューズの発表する天気予報の予報精度は90%以上となり、ユーザーから届いた「ウェザーリポート」は2005年11月のスタート以降、5,200万通(2020年11月現在)にも上ります。

また、「ウェザーリポート」を通じて普段から空模様や体感の変化を意識し、空や天気に親しみや関心を持っていただくことは、気象現象への理解促進や、一人ひとりの減災・防災意識の向上に繋がります。いざというときに、気象・防災情報を正しく理解し、迷わず自助・共助の行動を取っていただくことで、地域・社会全体のレジリエンスに繋がると考えています。

今後も、気象現象による被害を少しでも減らすべく、ユーザーとともに世界で最も信頼できる気象情報の提供を目指すとともに、社会全体の減災・防災意識の醸成に取り組んでまいります。

交通気象は人命を守ることを第一として、災害後の救助・復興のルートを確保すること、そして、適切な安全管理対策によって運行停止を回避し、企業や人々の経済活動を守ることなど、課題は多岐にわたります。

気候変動によって過去の実績を超える気象現象が起こることもありますが、だからこそ、予測の精度・経験を高める努力を忘れてはならないと考えています。これからもウェザーニューズは、気象・気候予測を通して自然災害のリスクを捉え、いち早く交通機関や生活者に伝えることで、人々の生命・財産や企業の経済活動を守り、企業顧客やサポーターの皆様とともに自然災害に強い社会づくりに貢献してまいります。